2021.05.24 プレミアリーグ観戦記2020-21プレミアリーグ観戦記
【Leicester×Tottenham】レスターとアーセナルの希望を打ち砕いたガレス・ベイルの2ゴール。

負ければ59、ドローでも60に留まるスパーズ。メイソン・マウント監督とコーチングスタッフは、アーセナルがリードしているのは当然知っていたはずです。欧州へのチケットを手に入れるためには、2ゴールが必須条件。しかし、ここまでの彼らはオンターゲットを2本しか記録していませんでした。
15分にルーク・トーマスの縦パスを受けたヴァーディーが中央に斬り込むと、アルデルヴァイレルトが足を引っかけてPKを与えてしまい、1-0。41分のCKの二次攻撃からハリー・ケインが美しいボレーを決めますが、51分にジェームズ・マディソンのスルーパスでヴァーディーと競り合ったダヴィンソン・サンチェスが腕を引っ張ってしまい、2つめのPKもベテランストライカーに決められました。
レスターが勝つ展開だったゲームの流れを変えてしまったのは、2015-16シーズンの奇跡的な優勝の立役者でもある守護神でした。76分にソン・フンミンが左から蹴ったCKは、カスパー・シュマイケルの守備範囲に曲がっていきます。外に弾き出せばよかったボールに反応したGKが、痛恨のパンチミス。ゴールに向かったボールを掻き出そうとしたカスターニュは、ラインを越えた後に触るのが精一杯でした。2-2、同点。4位で終わろうとしていたレスターは、勝ち点1なら5位止まりです。攻めなければならなくなったチームは、攻守のバランスが崩れ、スパーズの速攻に振り回されるようになりました。
78分、敵陣でインターセプトしたハリー・ウィンクスがドリブルで仕掛け、左のガレス・ベイルに短いパスを出すと、縦のラストパスをもらったソン・フンミンの決定的な一撃はシュマイケルが足でブロック。ドロー決着ならアーセナルにかわされ、来季の欧州がなくなるスパーズも、決勝ゴールを獲りにいっています。82分、ドハーティーのロングフィードで右サイドから上がったガレス・ベイルがファーにクロスを通し、トラップしたハリー・ケインがゴール前に浮かすと、ルーカス・モウラの前に体を入れたナンパリス・メンディが倒れ込みながら胸でクリアしました。
落ち着かないブレンダン・ロジャース、不安そうな表情で見守るサポーター。レスターのファールが目立つようになっています。86分、ヴァーディーのグラウンダーをダヴィンソン・サンチェスがクリア。ルーカス・モウラが右のガレス・ベイルに展開すると、68分から途中出場の9番がドリブルで中央に斬り込み、前線のソン・フンミンに縦パスを入れました。韓国代表がヒールで落とすと、ハリー・ケインが左に流れながらソユンチュを抜き去り、シュマイケルを自分に引き付けてから後ろに落としました。走り込んできたのは、フリーのシュートを外さない男です。
ガレス・ベイル、レスターとアーセナルの希望をまとめて打ち砕くダイレクトショット!

ロングフィードの落下点に入ったソユンチュがクリアをティーレマンスにぶち当てたとき、5分の追加タイムは残り5秒となっていました。ボールを拾ったガレス・ベイルがまっすぐ上がり、ティーレマンスをかわして左隅にフィニッシュ。ポストに当たったボールは9番の足元に転がり、2発めは無人のゴールに流し込むだけでした。
2シーズン連続で37節に5位に転落したチームは、昨季よりも残酷な形でCL出場権を手離しました。スパーズがドローでも7位だったアーセナルは、2-0で90分を終えたとき、最悪のニュースを知ることとなりました。エミレーツのタイムアップに、勝者の笑顔はありません。2ゴールを決めたニコラ・ペペの表情が柔らかくなったのは、ブライトンのビスマと言葉をかわしてからでした。
レスターの5位フィニッシュを予感し、前日に「ハーヴィー・バーンズがいれば」と嘆く記事を書いた私は、試合が終わった後、同じ言葉をつぶやくしかありませんでした。彼がいなかったから、負けたと思ったわけではありません。最後の試合のレスターを語る言葉が見つからなかったのです。フットボールの怖さを思い知らされた一戦…キングパワーには、そんな陳腐な表現を拒絶するような悲しい空気が流れていました。ピッチで選手たちをねぎらうブレンダン・ロジャースの姿を忘れないでしょう。1ゴール1アシストのハリー・ケインとハグをかわしたレスターの指揮官は、無表情でした。
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