偏愛的プレミアリーグ見聞録

開幕戦は、プレミアリーグ昇格を果たしたノリッジに3-0。上々のスタートを切ったリヴァプールが、アンフィールドにバーンリーを迎えます。クロップ監督は、18歳のハーヴェイ・エリオットをスタメンに抜擢。GKアリソン、DFアーノルド、マティプ、ファン・ダイク、ツィミカス、MFヘンダーソン、エリオット、ナビ・ケイタ。3トップにはサラー、ジョッタ、マネが並んでいます。キックオフからのアタックを見れば、バーンリーがロングフィードを前線に当ててくるのは明確です。3分にアーノルドのFKに合わせたジョッタのヘッドは、左に流れていきました。

自陣でのミスを拾われるシーンが多いレッズは、アウェイチームのラストパスが味方に届かず、助かっています。12分からエリオットが仕掛けたアタックは、左右にボールがまわって波状攻撃になるもシュートを打てず。17分にマクニールが左から縦に突破し、ニアのクリス・ウッドに完璧なクロスを入れますが、ヘディングはアリソンが正面でセーブしました。

直後、左から中に持ち込んだマネがサイドのツィミカスにヒールで流すと、中央で空いていたジョッタにピンポイントのクロスが届きます。落ち着いて右隅を狙ったヘッドがネットを揺らし、ホームチームが順当に先制。19分に敵陣のバイタルエリアで奪い合いを制したバーンリーは、左に出たボールをマクニールが思い切り叩きますが、アリソンが冷静に弾いて同点を許しません。

21分にサラーが左から放ったミドルは、ポープがニアに飛んでセーブ。CKに競り勝ったファン・ダイクのヘッドはバーを越えていきます。27分にエリオットのスルーパスを受けてファーに流し込んだサラーは、わずかに飛び出しが早くオフサイドを取られました。アーノルドがボックス右に浮き球を入れたのは31分。裏に出たマネのスライディングボレーは、右に切れていきました。

35分にアーノルドがボックス右を完全に崩し、折り返しがサラーの足元に入りますが、ボレーは白い壁にヒット。ピッチの脇では、驚異的な回復力で復帰したロバートソンが体を動かしています。37分にクロスのクリアをトラップしたサラーがファーポスト際を狙うと、コースに入ったベン・ミーがブロック。44分、バーンリーが自陣からゴール前に放り込んだボールは、アリソンが余裕をもって捕ると思いきや、タルコフスキーに先に触られてヒヤリとさせられました。

ボールは惜しくも右に外れ、前半は1-0。後半開始早々に右からのクロスを押し込んだアシュリー・バーンズは、明らかにオフサイドでした。56分にボックス手前でジョッタが前を向いたチャンスは、縦パスを受けたマネのフィニッシュがうまく当たりません。58分のCKをファン・ダイクが右足で合わせると、コースにいたマネは触れず右にアウト。60分にエリオットのクロスを胸でトラップしたサラーは、右隅に打った決定的な一撃をマクニールにクリアされました。

62分に左サイドのツィミカスが中央のジョッタに預け、ボックスに入ったマネが縦パスをもらって左足を振り抜くと、ポープがかろうじて腕に当ててCK。レッズが追加点をゲットしたのは、69分でした。ファン・ダイクのサイドチェンジをエリオットが受け、内側でもらったアーノルドが前にいたマネに完璧なラストパス。フリーの10番が容赦なく強烈なボレーを叩き込み、5万を超えるサポーターが詰めかけたアンフィールドが歓喜に包まれました。

80分、ジョッタとナビ・ケイタが下がり、チアゴ・アルカンタラとフィルミーノ。84分にサラーの落としを叩いたアーノルドのダイレクトショットは、ポープの守備範囲でした。追加タイムにアシュリー・バーンズとアリソンが1対1になるシーンがありましたが、コースを塞いだ守護神が体に当ててゴールならず。シュート27本、オンターゲット9本をポープに浴びせたリヴァプールが快勝しました。ゴールラインの手前でストップされたシュートが3本あり、スコア以上に実力差が感じられた一戦でした。

プレミアリーグ開幕から2試合で、フィルミーノ、サラー、ジョッタ、マネが全員ゴール。アーノルドとツィミカスもアシストを記録しており、レッズらしいサイドアタックは健在です。右サイドにピタリと合わせるロングボールを見れば、ファン・ダイクが調子を上げているのがわかります。ヘンダーソンは冷静なフィードで攻撃のバリエーションを創出。危ないプレイもあったアリソンですが、ショットストップと1対1は安心して見ていられました。

気になったことがあるとすれば、ナビ・ケイタとエリオットが時折嫌な奪われ方をすることと、アーノルドが裏を取られるシーンです。インサイドMFの2人は、アグレッシブな姿勢や前線との絡みはよかったので、今後の課題としていただければと思います。ファン・ダイクの相棒候補となるマティプ、コナテ、ジョー・ゴメスには、右SBとの連携強化とカバーリングが求められます。

ロストしたボールを奪い返して縦に仕掛けるレッズらしいプレイが増えれば、ビッグクラブとの対戦でも優位に立てるでしょう。次戦のプレミアリーグ3節は、アンフィールドでチェルシー。チームのコンディショニングに成功したユルゲン・クロップ監督のスタメンと采配に注目しましょう。（サディオ・マネ　写真著作者/Werner100359）