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【Chelsea×Aston Villa】新戦力の明暗…ルカクは豪快な2発、ミス連発のサウールは前半でアウト!

クリスティアーノ・ロナウドがプレミアリーグ復帰戦2ゴールという派手なパフォーマンスを披露した後のゲームで、7年ぶりにチェルシーに戻ってきたストライカーが負けじと2発をゲットして勝利の立役者となりました。

ロメウ・ルカクの先制ゴールは15分。自陣のペナルティボックスまで戻ってGKメンディのパスを受けたコヴァチッチが、ビルドアップから前に出たボールをサウール・ニゲスからもらい、2人かわして絶品ロングスルーパスを決めた瞬間、勝負ありでした。左からボックスに侵入したベルギー代表は、追いついてきたトゥエンゼベをキックフェイントでかわすと、GKスティアーの股間が空くのを見て右足で抜きました。

絶叫するスタンフォード・ブリッジ。チェルシーのホームゲームでは、これが初ゴールです。「11歳の頃からの夢だった。この瞬間のためにがんばってきたんだ。勝利はとてもうれしい。われわれにとって大事な試合だった。最初の1分から、勝利への意志を示すことができた。この結果にとても満足している」。試合後のインタビューで、自らのゴールと勝利への喜びを語ったストライカーは、ピッチの上では感動を表現する方法を探しているように見えました。

前半を1-0で折り返したチェルシーが勝利に近づいたのは、49分でした。ルカクから奪ったトゥアンゼベが脇にいたタイロン・ミングスに渡すと、トラップしなかったCBはコヴァチッチに詰められ、窮屈な体勢でGKに戻しました。明らかに弱かったパスを追ったコヴァチッチが、GKの目の前でタッチし、左のサイドネットに収めました。

堅守チェルシーにとって、2-0はセーフティリード。このまま逃げ切るかと思われた93分、新たなエースが最後の速攻をゴールで終わらせました。ツィエクのパスを右サイドで受けたアスピリクエタが、タイロン・ミングスをかわしてファーにいた9番にグラウンダーをフィード。左隅を狙った強烈な一撃がスティアーのグローブの先を抜け、ネットに突き刺さりました。昨季プレミアリーグの後半戦で、3ゴール以上が1試合しかなかったトゥヘル監督のチームは、開幕4戦めで2度めの3-0快勝です。

エースの活躍で納得のスコアを残したチェルシーですが、オンターゲットは4対6とヴィラが上回っており、決して楽な試合ではありませんでした。苦戦の元凶は、指揮官の人選です。マドリードから来たばかりのサウール・ニゲスに、コヴァチッチと並んで中盤を安定させる役割を背負わすのは、時期尚早だったといわざるをえません。

「サウールは、プレミアリーグの激しさや、われわれの組織とプレースタイルにフィットするのに苦労しているように見えた。(ハーフタイムに)彼を外すのは難しい決断だったけど、何しろ苦しんでいたからね、大きなミス、パスミス、エラーがいくつかあった。これは完全に私の責任だ。ぶっつけ本番でも、このレベルでプレイできると思っていた」(トーマス・トゥヘル)

6分に右サイドでジェイコブ・ラムジーにあっさり抜かれたサウール・ニゲスは、17分にパスミスからラムジーとオリー・ワトキンスにカウンターを許す原因となり、23分には自陣深くでマッギンに奪われてメンディとオリー・ワトキンスを1対1にしてしまいました。デュエルは1勝8敗、ボールロスト3回、ファール3回、敵陣に送ったパスはたった7本。メンディのビッグセーブ連発やチアゴ・シウヴァの体を張った守備がなければ、メディアに名指しで敗因とされていたかもしれません。

「BBC」のMVPはルカク、「スカイスポーツ」は1ゴール1アシストのコヴァチッチですが、エースが先制した後に同点ゴールを許さなかったエドゥアール・メンディの名も残しておきたい一戦でした。ともあれ、結果オーライ。ブルーズのサポーターは、前半の苦戦はなかったことにして、ルカクとコヴァチッチの素晴らしいプレイに酔いしれているのではないでしょうか。

彼らとチームがサウール・ニゲスに求めているのは、苦い記憶の消去でしょう。火曜日はCLのゼニト戦、週末はトッテナムとのロンドンダービー。出番があれば、得意のロングフィードや先読みのよさを披露し、チームメイトとサポーターを安心させていただければと思います。プレミアリーグ4戦3勝1分で、首位マンチェスター・ユナイテッドと総得点差の2位。ここまでの評価は「5年ぶりの優勝に向けて好スタート」です。(サウール・ニゲス 写真著作者/Anna Nessie)


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“【Chelsea×Aston Villa】新戦力の明暗…ルカクは豪快な2発、ミス連発のサウールは前半でアウト!” への1件のコメント

  1. n より:

    復帰戦で劇的ゴールを2つも決めるロナウドの千両役者ぶりには及ばないかもしれませんが、ルカクの決定力は本当に心強いです。ネクストドログバを期待されながら名だたるスターストライカーが結果を残せず去っていったポジションですが、遂に現れたかも知れません。(1年目のジエゴコスタは素晴らしかったのですが)
    おっしゃる通り、点差が必ずしも内容を反映しておらず、ターンオーバーの難しさはありました。サウールの出来が悪かったですが、無失点ながらジョルジーニョは半分休めた訳ですし、トゥヘルも欲しかった選手のようですから長い目で適応してもらえれば。起用した自分の責任と言い切る指揮官の姿勢も嬉しいです。
    オドイ側の守備、蓋のできない中盤、なかなか堅守とは言えず、チェルシーらしからぬ厳しい内容の中、チアゴシウバの安定感、何よりメンディの神セーブ。ゼニト戦では、ロフタスチークやチルウェルあたりの起用も期待できるでしょうか。層の厚みは随一と思いますので、毎試合が楽しみです。

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