偏愛的プレミアリーグ見聞録

CLのビジャレアル戦は、残り1分を切ってからの逆転劇。英雄になったクリスティアーノ・ロナウドは、カバーニにポジションを譲っています。プレミアリーグ7節、マンチェスター・ユナイテッドVSエヴァートン。エースとポグバ、マグワイアを欠いたチームは、ベニテス率いる好調エヴァートンに勝ち切れるでしょうか。

GKデ・ヘア、DFワン＝ビサカ、リンデロフ、ヴァラン、ルーク・ショー。中盤センターはマクトミネイとフレッジ、2列めはグリーンウッド、ブルーノ・フェルナンデス、マルシアル、最前線にカバーニが入る4-2-3-1です。

3分にボックスに斬り込んだルーク・ショーは、ブルーノ・フェルナンデスとの2回めのワンツーをカットされ、ピックフォードの前でストップ。6分に巧みなドリブルでディーニュを抜いたワン＝ビサカがファーに上げると、マルシアルは体勢を崩してしまい、ヘディングを左に外しました。

カルヴァート＝ルーウィンとリシャルリソンを欠いたエヴァートンは、デマライ・グレイ、サロモン・ロンドン、タウンゼントの速攻狙いだけでは苦しいでしょう。16分の右からのFKは、タウンゼントの速いボールをマイケル・キーンがヘッドで滑らすも、薄く当たって左に切れていきました。21分にブルーノのクロスがフリーのカバーニに通ると、叩きつけたヘッドはピックフォードが右に押し出して失点を回避しました。

25分、右から上がったドゥクレのグラウンダーをニアのサロモン・ロンドンがトラップすると、右足のシュートはリンデロフがブロック。33分に中央から放ったデマライ・グレイのミドルは、デ・ヘアが右腕で弾くビッグセーブでサポーターを盛り上げます。

43分、グリーンウッドの速いパスがボックス手前のブルーノに入ると、プレイメーカーが優しいラストパスをマルシアルの前に転がしました。右足の一撃がDFの足をかすめてネットに突き刺さり、1-0。ここまでミスが多かった9番は、今季プレミアリーグ初ゴールです。

いい時間帯に先制したマンチェスター・ユナイテッドは、後半も主導権を握っています。48分のグリーンウッドのミドルは、ピックフォードがキャッチ。57分にマルシアルとカバーニが下がり、ジェイドン・サンチョとロナウドが前線に入ります。

復帰してすぐにゴールを連発しているレジェンドは、プレミアリーグ通算200試合出場を達成。61分に左から7番が仕掛け、中央のサンチョから右のブルーノにつながったチャンスは、ラストパスに走り込んだマクトミネイがボレーをミスしてしまいました。ホームチームの失点は65分。カウンターの立役者は、左サイドでフレッジのチェックをかわしたデマライ・グレイです。

今季から加わったウインガーが脇にいたドゥクレに流すと、中央にドリブルで進んだ16番が右からスプリントしたタウンゼントにラストパス。クロスに蹴ったシュートに、デ・ヘアはまったく動けませんでした。70分、フレッジに代わってポグバが登場。74分にサンチョのパスでボックス左に飛び出したロナウドは、左足のフィニッシュをファーに外しました。

82分のポグバのコントロールショットは、惜しくもクロスバーの上。86分のCKのクリアから、トム・ディヴィスのパスを押し込んだミナは、オフサイドを取られました。追加タイムのアタックは決まらず、1-1ドロー。マルシアルはともかく、カバーニの交代は早すぎたのではないかと思います。

サンチョが左に張ってロナウドが右という時間帯も、疑問が残りました。それぞれ、得意なサイドでプレイしたかったはずです。2人合わせてシュート2本は、戦術の空回りを証明しています。前半はカバーニやマルシアルがフリーでシュートを打てており、徹底的に速いクロスで揺さぶれば、もっとチャンスを創れたのではないでしょうか。

攻めの交代カードを持っていなかったベニテス監督を相手に、この結果はいただけません。プレミアリーグの次節は敵地でレスター。スールシャール監督は、ラシュフォードが戻ってくると大渋滞となる前線の駒を的確に使うことができるでしょうか。サンチョは未だゴールもアシストもなし。ファン・デ・ベークのプレミアリーグ出場はたった6分、2ゴールゲットのリンガードも45分です。