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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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目の前のトロフィーよりも…スティーヴン・ジェラードがアストン・ヴィラの監督に就任!

「シンボルとなるクラブをマネジメントする機会を与えてくれたグラスゴー・レンジャーズのみなさんに、心から感謝している。55回めとなるレンジャーズのリーグタイトルの後押しをできたのは、特別な経験だった。アイブロックスは、私にとって特別な場所となっている。選手、チームスタッフ、サポーターのみなさんのさらなる活躍を祈っている」

フットボールをこよなく愛するスコットランド人のみなさんは、がっくり肩を落としているのではないでしょうか。ブレンダン・ロジャースだけかと思ったらオマエもか、と。2020-21シーズンに、グラスゴー・レンジャースを率いて無敗優勝を遂げたスティーヴン・ジェラードが、アストン・ヴィラの監督に就任すると発表されました。

2019年2月にセルティックからレスターに宗旨替えしたロジャースも、リヴァプールで一時代を築いたレジェンドも、首位を快走していたスコティッシュ・プレミアシップのトロフィーより新たなチャレンジに魅力を感じたようです。プレミアリーグで5連敗という泥沼にはまったアストン・ヴィラが、ディーン・スミス監督を解任したのは先の日曜日。バーミンガムのクラブが4日という短い期間で契約に漕ぎつけられたのは、41歳の若き指揮官が既に行き詰まりを覚えていたからでしょう。

「BBC Scotland」のトム・イングリッシュ記者が、ジェラード監督がグラスゴーに別れを告げた背景についてレポートしています。「シーズンの初めに、レンジャーズがヨーロッパでリヨンとスパルタ・プラハに敗れた後、スティーブン・ジェラードはクラブがコンペティションを勝ち抜くために何をすべきかを率直に語った。曰く、”大金を使う必要がある”」。現地の事情に詳しい記者は、就任以来、2位、2位、1位と着実に強化を進めていた指揮官がフラストレーションを抱えていたのは明らかだったといいます。

「彼が置かれている状況と、希望する状態の衝突が始まっていた。オールドファームの優秀な監督の大半が、遅かれ早かれこのポイントに到達する。しかしその多くは、ジェラードよりもずっと長い期間、国内のステージを制覇した後に辿り着く」

「国内における9つのトロフィーのうち、ひとつしか制覇していないのに、ヨーロッパにおける財力のなさについて怒りを露わにするのは、いい印象を与えない。セルティックが長い間、レンジャーズを押さえつけていたような支配を追求する戦いを終えていないのに、大きくて華やかなファイトに進みたがっているように見える」

この批評は、ご本人がアストン・ヴィラの指揮官というキャリアを選んだ理由とぴったり符合します。「アストン・ヴィラはイングランドのフットボールにおいて、豊かな歴史と伝統を持つクラブだ。このチームのヘッドコーチに就任したことを誇りに思う」と語ったジェラード監督は、決断のポイントはクラブの野心だったとコメントしています。

「経営ボードや理事会と話し合いのなかで、クラブをいかにして成功させようとしているかを聞いた。その野心は素晴らしいと感じた。彼らとともに目標を達成するため、尽力できるのをうれしく思う」

ヴィラをヨーロッパリーグで戦えるレベルに引き上げた後、いずれは故郷のクラブでプレミアリーグとチャンピオンズリーグを…そんなキャリアを描いているのでしょうか。グラスゴーのサポーターは…と想像してはみるものの、初陣となるブライトン戦を観たいという気分にかき消されていきます。いいも悪いもなく、これが現実だ、過去にもあったことだと自分に言い聞かせながら、若き指揮官の戦いを無邪気に追い続けていくのだろうと思いつつ。(スティーヴン・ジェラード 写真著作者/Эдгар Брещанов)


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