偏愛的プレミアリーグ見聞録

ラルフ・ラングニック監督の初陣は、3-2で勝ったアーセナル戦と同じメンバーです。プレミアリーグ15節、マンチェスター・ユナイテッドVSクリスタル・パレス。ポグバ、ヴァラン、ルーク・ショー、カバーニ、マルシアル、リンガードと負傷者続出のチームは、先にゴールを決められると苦しくなりそうです。

GKデ・ヘア、DFジオゴ・ダロト、リンデロフ、マグワイア、アレックス・テレス。センターにマクトミネイとフレッジ、2列めはジェイドン・サンチョ、ブルーノ・フェルナンデス、ラシュフォード、最前線はガナーズ戦で2発ゲットのクリスティアーノ・ロナウドです。

守備のタスクを厭わないブルーノ・フェルナンデスと、チームプレーヤーのジェイドン・サンチョにとっては、ハイプレスをベースとする新指揮官の就任は望むところでしょう。3分のショートコーナーは、ボックス手前で待っていたアレックス・テレスのミドルが惜しくも右に逸れていきます。7分にザハが左から仕掛けた速攻は、縦パスで裏に抜けたベンテケのフィニッシュがうまく当たりませんでした。

9分のザハのミドルは、デ・ヘアの正面。12分のロナウドのFKは、クロスバーを越えていきました。15分までに敵陣で奪ったアタックが3回ある一方で、逆襲を喰らった際にダロトがザハに自由を与えているのが気になります。18分にブルーノの浮き球でゴール左に飛び出したロナウドは、振り向きざまのシュートをグエイにブロックされました。

22分、マグワイアのロングフィードがボックス左のラシュフォードに届くと、折り返しをニアで叩いたロナウドのボレーはGKグアイタの正面。直後、ダロトのクロスを逆サイドでトラップしたサンチョが中央に転がすと、フレッジのダイレクトショットはトムキンスが頭でクリアしました。26分、ロングフィードを見ながら走ったロナウドがヘッドで落とすと、ブルーノの右足ボレーは右に飛んだグアイタがセーブしました。

30分過ぎからプレスが緩くなったマンチェスター・ユナイテッドは、低い位置からのアタックが増え、フィニッシュに至るシーンが減っています。前半終了間際にダロトの強引な突破から、マクトミネイがSBにリターンを通したチャンスは、左足のシュートがファーに外れました。新監督は、ゴールレスだった前半のパフォーマンスを満足とはいえないはずです。

後半が始まり、49分のブルーノのミドルは右にアウト。56分、ギャラガーが右から蹴ったFKがファーに上がると、クヤテのヘッドはアレックス・テレスに当たってCKです。62分にサンチョと代わったグリーンウッドは、4試合ぶりのプレミアリーグ。68分に右サイドから曲げたアレックス・テレスのFKは、クロスバーをかすめて外に飛んでいきました。

残り時間は20分。グリーンウッドが強引に打った後半3発めは、大きく右に外れました。75分のアウェイチームのCKは、トムキンスが頭で右に送り、アイェウがフリーでシュート。左隅を狙った決定的な一撃は、枠を外れてくれて助かりました。76分にラシュフォードと代わったのは、今季プレミアリーグ初出場のエランガです。

マンチェスター・ユナイテッドがようやく決めたのは、77分。ジオゴ・ダロトがボックス右のグリーンウッドに預け、落としを受けたフレッジが右足で浮かすと、ボールは美しい弧を描いて左隅に収まりました。86分、ブルーノが下がってファン・デ・ベーク。追加タイムはバタバタだったホームチームは、何とか1点を守り切って指揮官の初陣を勝利で飾りました。

最初の30分はシュート10本、テンションが落ちてからの60分は6本。後半はパスミス、連携ミスがあまりにも多く、フレッジの一撃以外はノーチャンスでした。それでも3ポイントを得られたこと、久々のクリーンシートで終われたこと、前半は改善しようとする意志を感じられたことを素直に喜びましょう。ありがとう、フレッジ。

次節からのノリッジ、ブレントフォード、ブライトン、ニューカッスルを全勝し、TOP4の背中が見えるポジションで2021年を終えていただければと切に願っています。危なかった…！（フレッジ　写真著作者/Кирилл Венедиктов）