2021.12.25 プレミアリーグ観戦記
14試合連続でカウンターからのピンチゼロ…うますぎて地味なロドリを称えるレポートに共感!
「プレミアリーグで最も過小評価されている選手は?」。現地メディアがよく取り上げる話題です。今季は、冨安健洋の名前も挙がるでしょう。3連敗スタートだったアーセナルの復活が語られるとき、多くの評論家やサポーターが最初に絶賛するのは、アーロン・ラムズデールのパフォーマンスです。
そんな冨安も到底かなわない「MKP(最も過小評価されているプレーヤー)」が、ひとりいます。マンチェスター・シティの中盤の底をカバーするロドリゴ・エルナンデス。いや、近年のプレミアリーグをつぶさにチェックしていれば、彼の素晴らしさに気づかないわけがないので、過小評価というより「実力相応に話題にされない地味な選手」と表現したほうがいいでしょう。
ロドリと同じポジションで、より話題になるのは、エンゴロ・カンテやデクラン・ライスです。前者は運動量豊富な守備のスペシャリスト、後者はハマーズの中盤を仕切るコントロールタワー。フットボールをわかりやすく理解するために、攻守を分けて捉えようとしがちなわれわれは、説明しやすいキャラがある選手の話をするのが好きなのだと思います。
「レスターとチェルシーでプレミアリーグ連覇」「イングランド代表の次世代を担う逸材」といった実績や背景も、記事になりやすいポイントです。何でもできてしまうロドリは、何でもできるがゆえに、話題になりにくいという面もあるのではないでしょうか。スタッツを見ても、「今季プレミアリーグで、最も多くのパスを成功させている選手」という以外に、ロドリ・イズ・ナンバーワンを示すものはありません。
そんななかで、「スカイスポーツ」でデータアナリストとして活躍するアダム・ベイト記者が、ロドリを徹底分析しています。「Rodri’s role at Man City explained」と題されたレポートを読んで、最も印象的だったのは、ペップ・グアルディオラの言葉でした。
「昨シーズンの彼は動きすぎていた。ホールディングMFは、そこにいなければならないんだ、動くな、そこにいてくれ。車を運転している最中に、後部座席に移動したらクラッシュするだろう。ドライバーは前にいなければならない」
「ボールを持ったとき、どこにスペースがあるか、どんなテンポでプレイしなければならないか、彼は正確に把握している。ホールディングMFは、5回のタッチが必要なときがあれば、1回もあり、3回もある。今は彼のリズムが、ゲームを支えてくれている」
記事には、ロドリの凄さを感じさせてくれる「見えないスタッツ」も紹介されています。今季のプレミアリーグで、マンチェスター・シティが最後にカウンターからピンチを招いたのは、4節のレスター戦です。14試合連続でカウンターゼロは、ペップ就任以来の最長記録。「スカイスポーツ」のアナリストは、マン・シティのアンカーがいかに重要であるかを情熱的に語り、レポートを終えています。
「あのスパーズ戦でわかったように、シティはロドリ抜きではゲームをうまくコントロールできない。チャンピオンズリーグ決勝のメンバーから、彼をサプライズで外すという決断を、グアルディオラは繰り返さないはずだ」
「ロドリは今や、ホールディングMFのトップクラス。プレーメイカーでもあり、存在感を示している。プレミアリーグで既に完璧にセットアップされており、改善する時間もある。今は25歳、まだ若い。やはり、これからの10年に欠かせない選手である」
カンテやデクラン・ライスに対抗すべく、ロドリにキャッチフレーズを付けてみましょう。「予知・予防のスペシャリスト」はいかがでしょうか。例えば、よく見るこんなシーン。ロドリがボックス右にロングフィードを入れ、マフレズの足元にピタリと合うと、「ウインガーの動き出しによく気が付いたな」と感心します。
しかし次の瞬間、ダイレクトの折り返しをフォーデンがボレーで叩き込むと、スポットライトはゴールとアシストを決めたヒーローたちに移ってしまうのです。
誰も気づかないスペースやタイミングをいち早く見つけ、味方を動かす予知のセンス。カウンターを仕掛けようとする相手から奪い、逆襲に転じる予防のパフォーマンス。「何も起こらなかった」という手柄には、われわれは気づきにくいのです。あらためて、ロドリの凄さを実感させてくれたアナリストのレポートに感謝します。日曜日のレスター戦の楽しみが、ひとつ増えました。
そんな冨安も到底かなわない「MKP(最も過小評価されているプレーヤー)」が、ひとりいます。マンチェスター・シティの中盤の底をカバーするロドリゴ・エルナンデス。いや、近年のプレミアリーグをつぶさにチェックしていれば、彼の素晴らしさに気づかないわけがないので、過小評価というより「実力相応に話題にされない地味な選手」と表現したほうがいいでしょう。
ロドリと同じポジションで、より話題になるのは、エンゴロ・カンテやデクラン・ライスです。前者は運動量豊富な守備のスペシャリスト、後者はハマーズの中盤を仕切るコントロールタワー。フットボールをわかりやすく理解するために、攻守を分けて捉えようとしがちなわれわれは、説明しやすいキャラがある選手の話をするのが好きなのだと思います。
「レスターとチェルシーでプレミアリーグ連覇」「イングランド代表の次世代を担う逸材」といった実績や背景も、記事になりやすいポイントです。何でもできてしまうロドリは、何でもできるがゆえに、話題になりにくいという面もあるのではないでしょうか。スタッツを見ても、「今季プレミアリーグで、最も多くのパスを成功させている選手」という以外に、ロドリ・イズ・ナンバーワンを示すものはありません。
そんななかで、「スカイスポーツ」でデータアナリストとして活躍するアダム・ベイト記者が、ロドリを徹底分析しています。「Rodri’s role at Man City explained」と題されたレポートを読んで、最も印象的だったのは、ペップ・グアルディオラの言葉でした。
「昨シーズンの彼は動きすぎていた。ホールディングMFは、そこにいなければならないんだ、動くな、そこにいてくれ。車を運転している最中に、後部座席に移動したらクラッシュするだろう。ドライバーは前にいなければならない」
「ボールを持ったとき、どこにスペースがあるか、どんなテンポでプレイしなければならないか、彼は正確に把握している。ホールディングMFは、5回のタッチが必要なときがあれば、1回もあり、3回もある。今は彼のリズムが、ゲームを支えてくれている」
記事には、ロドリの凄さを感じさせてくれる「見えないスタッツ」も紹介されています。今季のプレミアリーグで、マンチェスター・シティが最後にカウンターからピンチを招いたのは、4節のレスター戦です。14試合連続でカウンターゼロは、ペップ就任以来の最長記録。「スカイスポーツ」のアナリストは、マン・シティのアンカーがいかに重要であるかを情熱的に語り、レポートを終えています。
「あのスパーズ戦でわかったように、シティはロドリ抜きではゲームをうまくコントロールできない。チャンピオンズリーグ決勝のメンバーから、彼をサプライズで外すという決断を、グアルディオラは繰り返さないはずだ」
「ロドリは今や、ホールディングMFのトップクラス。プレーメイカーでもあり、存在感を示している。プレミアリーグで既に完璧にセットアップされており、改善する時間もある。今は25歳、まだ若い。やはり、これからの10年に欠かせない選手である」
カンテやデクラン・ライスに対抗すべく、ロドリにキャッチフレーズを付けてみましょう。「予知・予防のスペシャリスト」はいかがでしょうか。例えば、よく見るこんなシーン。ロドリがボックス右にロングフィードを入れ、マフレズの足元にピタリと合うと、「ウインガーの動き出しによく気が付いたな」と感心します。
しかし次の瞬間、ダイレクトの折り返しをフォーデンがボレーで叩き込むと、スポットライトはゴールとアシストを決めたヒーローたちに移ってしまうのです。
誰も気づかないスペースやタイミングをいち早く見つけ、味方を動かす予知のセンス。カウンターを仕掛けようとする相手から奪い、逆襲に転じる予防のパフォーマンス。「何も起こらなかった」という手柄には、われわれは気づきにくいのです。あらためて、ロドリの凄さを実感させてくれたアナリストのレポートに感謝します。日曜日のレスター戦の楽しみが、ひとつ増えました。
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