偏愛的プレミアリーグ見聞録

TOP4キープをめざすマンチェスター・ユナイテッドは、オールド・トラフォードで勝ち点を落とすわけにはいきません。プレミアリーグ31節、レスターとの一戦。クリスティアーノ・ロナウドを欠いたラングニック監督は、ブルーノ・フェルナンデスを最前線に配しています。

GKデ・ヘア、DFジオゴ・ダロト、ヴァラン、マグワイア、ルーク・ショー。セントラルMFはフレッジとマクトミネイ、2列めにエランガ、ポグバ、ジェイドン・サンチョ、最前線にブルーノ。キックオフから厳しいプレスをかけるレスターに対して、マン・ユナイテッドは苦しいロングフィードが目立ちます。左サイドからジェームズ・マディソンが蹴った2分のFKは、ニアのハーヴィー・バーンズのヘッドがクロスバーをかすめました。

サイドチェンジのミスが目立つマンチェスター・ユナイテッド。ハーヴィーバーンズ、デューズバリー＝ホール、イヘアナチョが短いパスをつないだ11分のカウンターは、中央に斬り込んだハーヴィー・バーンズのミドルが左に切れていきました。17分、ブルーノが左からファーに入れた速いFKは、マグワイアに合わず。22分にルーク・ショーのクロスを叩いたポグバのヘッドは、GKシュマイケルの正面です。

敵陣でフレッジがインターセプトしたのは27分。縦パスをもらったブルーノがGKと1対1になると、右隅を狙った一撃はシュマイケルが左足でブロックします。31分、右からスプリントしたティーレマンスが中央に折り返すと、ボックス手前のイヘアナチョのコントロールショットは左にアウト。36分、ジェームズ・マディソンのクロスに走り込んだハーヴィー・バーンズの右足ボレーは、左のポストすれすれを抜けていきました。

40分を過ぎてからは、マン・ユナイテッドのポゼッション。レスターは、オンターゲットゼロで前半を終えました。負傷したルーク・ショーが下がり、左サイドにアレックス・テレス。0-0の54分、ポグバのパスを受けたダロトがボックス右を突破しますが、クロスに反応したブルーノのヘッドはうまく当たりません。1分後、切り返しから左足を振り抜いたダロトのミドルは、シュマイケルの頭上に浮いてしまいました。

ラングニック監督は、ここでマクトミネイを下げ、ラシュフォードを投入。ブルーノがトップ下、ポグバはセンターに下がるのでしょう。63分、左サイドでカウンターを止めたデューズバリー＝ホールが、すかさず前にいたジェームズ・マディソンへ。アーリークロスがファーに入ると、体をかがめたイヘアナチョのヘッドがデ・ヘアの手を弾いて枠に収まりました。

66分、シュマイケルのキックをヴァランがカット。浮き球を収めたフレッジが中央のブルーノに預けると、フォファナをかわして放ったシュートが左隅を襲います。シュマイケルはかろうじてセーブ。こぼれ球を拾ったフレッジがど真ん中に突き刺しました。71分、サンチョのバックパスミスを拾ったイヘアナチョがボックス右から抜け出し、デ・ヘアと1対1。左足のループシュートは、クロスバーを越えてしまいました。

1分後、ジェームズ・マディソンが右から浮かした素晴らしいFKがフォファナへ。決定的なヘッドはデ・ヘアがぎりぎりで触り、チームを救いました。75分にポグバが下がり。マティッチ。80分に縦パスを受けたイヘアナチョが右に流し、走り込んだジェームズ・マディソンがニアに決めたシーンは、ナイジェリア代表がヴァランの足を蹴っており、オンフィールドレビューで取り消しとなりました。

終盤のホームチームの猛攻は、ラストパスが通らず。93分にブルーノが右から上げたクロスがファーのサンチョに通りますが、キックミスが多かった25番はボレーをミートできません。1-1、痛恨のドロー。消えていたラシュフォードはシュートゼロ、デュエル3戦全敗という厳しい数字しか残せませんでした。

ブルーノとフレッジ以外は、低調かつ単調だった一戦。ファイナルサードで小さなミスが多く、両サイドからのボールはことごとく味方に通りませんでした。月曜日のクリスタル・パレス戦でアーセナルが勝てば、1試合消化が少ないチームが6ポイント上という厳しいギャップになります。ラングニック就任以来のプレミアリーグ15試合で、1ゴール以下が9試合。はまらない試合を減らせなければ、EL出場権を得ただけという冴えない着地になるでしょう。