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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Everton×MAN.UTD】交代策は空回り…前線沈黙のマン・ユナイテッドはゴールレスの敗戦!

前節のレスター戦は1-1ドロー。プレミアリーグのTOP4に食い込むためには、これ以上取りこぼせないマンチェスター・ユナイテッドは、残留バトルに巻き込まれたエヴァートンに勝ち切ることができるでしょうか。ルーク・ショー、ヴァラン、マクトミネイを負傷で書いたチームは、序盤の不用意な失点をケアしなければなりません。

さっそく、ラングニック監督の11人を紹介しましょう。GKデ・ヘア、DFワン=ビサカ、リンデロフ、マグワイア、アレックス・テレス。セントラルMFはフレッジとマティッチ、2列めにラシュフォード、ブルーノ・フェルナンデス、ジェイドン・サンチョ、最前線にクリスティアーノ・ロナウド。キックオフから、パスコースを読んで前で奪えているマンチェスター・ユナイテッドは、サイドへの縦パスをカットされ続けています。

ブルーノ・フェルナンデスが左からFKを浮かしたのは9分。ファーにいたリンデロフが頭で折り返すと、クリアを叩いたラシュフォードのボレーはピックフォードが右に弾き出しました。12分には左サイドのブルーノにボールがまわり、鋭いクロスがラシュフォードの頭に合いますが、左隅に飛んだヘッドはまたも守護神がビッグセーブでしのぎました。

21分、ロナウドとラシュフォードが左で絡み、縦パスで抜け出したブルーノが中央にクロス。18番のイメージよりも10番のスプリントは遅れ、ボールは逆サイドのタッチワインに転がっていきます。プレミアリーグ17位の最初のシュートは27分。左から上がったリシャルリソンがニアにグラウンダーを入れると、マティッチのカットをアントニー・ゴードンが拾い、右足の一撃がマグワイアに当たってデ・ヘアの逆を突きました。

エヴァートンはプレミアリーグで4試合連続ゴール、マンチェスター・ユナイテッドは公式戦4戦連続失点です。30分、FKに競り勝ったマイケル・キーンのヘッドはクロスバー越え。36分にはピックフォードのパントがリシャルリソンに通り、右足のミドルがリンデロフの足に触れて枠に飛びますが、デ・ヘアが冷静にウォッチして上に弾き出します。

直後、負傷したフレッジが下がり、ポール・ポグバが登場。マン・ユナイテッドのアタックは左偏重、クロスは通らず、序盤の3本しかシュートを打てずにハーフタイムとなりました。後半に入って5分を過ぎても、やはりロナウドとサンチョが消えています。53分のCKを叩いたゴドフリーのヘッドは、高く浮いてしまいました。

55分、左サイドを突破したアントニー・ゴードンがニアにグラウンダー。フリーで待っていたマイコレンコのダイレクトショットは、リンデロフがブロックします。ラングニック監督は、64分に2枚代えを敢行。ラシュフォードとマティッチに代わって入ったのは、マタとエランガです。今季プレミアリーグ初出場のベテランプレーメイカーは、指揮官に何を託されたのでしょうか。

70分、アレックス・テレスのクロスのクリアをブルーノが右足で叩くと、ゴドフリーが体を張ってブロック。運動量も緩急もないアウェイチームは、横と足元へのパスばかりです。80分のポグバのミドルは、ピックフォードがキャッチ。83分、サンチョとのワンツーで左サイドをえぐったアレックス・テレスがファーに浮かしますが、ワン=ビサカのボレーはデマライ・グレイが右足に当てました。

マグワイアを上げたスクランブルは、93分に成功したかに見えました。レフトバックが放り込み、CBがヘッドで中央に送ると、80分間シュートがなかったCR7がワントラップボレー。決定的な一撃はコースが甘く、ピックフォードが腕でセーブしました。1-0、勝ったのはエヴァートン。エランガはシュートもドリブルもクロスもゼロ、マタは打てるボールを出せず、交代策は失敗だったといわざるをえません。

ひとことでいえば、「怖くなかった」。ブルーノのポジションは低く、ロナウドは左サイドに流れて持つ時間が多く、シュートレンジに入ってくる選手はあっさり捕まってしまいました。マタを投入した後、ポグバとブルーノが打てるエリアに動く形を増やせれば、ロナウドとサンチョが前を向いて打てるシーンを創れたのではないでしょうか。

バーンリーと1ポイント差だったエヴァートンにとっては、貴重な3ポイント。マンチェスター・ユナイテッドは3月から1勝1分2敗と崩れ、ヨーロッパリーグ出場権の確保がミッションとなりそうです。昨季プレミアリーグ2位のチームに、ロナウド、ヴァラン、サンチョを足してTOP4陥落とは…。ファーガソン勇退以降の9シーズンで、最後まで優勝を争ったといえるシーズンは1度もありません。(アントニー・ゴードン 写真著作者/Ardfern)


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