イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Liverpool/MAN.CITY】残り15分から流れ出したケチャップ…3発の王者が2発のライバルを抑えて連覇達成!

ファン・ダイクとサラーはベンチ、ファビーニョは欠場。彼らは、チャンピオンズリーグの決勝には間に合うのでしょうか。プレミアリーグ2021-22シーズン最終節、リヴァプールVSウルヴス。クロップ監督のチームがこの試合に勝ち、マンチェスター・シティがポイントを落とせば、クラブ史上初の国内3冠達成です。

GKアリソン、DFアーノルド、マティプ、コナテ、ロバートソン、MFヘンダーソン、チアゴ・アルカンタラ、ナビ・ケイタ、前線にジョッタ、マネ、ルイス・ディアスという布陣です。エティハドの昨季王者は、ジョン・ストーンズ、フェルナンジーニョ、ラポルテ、ジョアン・カンセロという最終ライン。オリー・ワトキンス、ブエンディア、コウチーニョを前線に配したヴィラが先制を許せば、レッズの4冠達成の確率は限りなくゼロに近くなります。

You’ll Never Walk Alone」が流れるアンフィールド。16時になり、10試合一斉開催を告げる笛が鳴り響きます。開始3分、何と先制はウルヴス!コナテがロングフィードをかぶり、右サイドを突破したラウル・ヒメネスが中央に転がすと、マークを外したペドロ・ネトのワンタッチがネットを揺らしました。レッズの最初のチャンスは5分。右サイドのルイス・ディアスのアーリークロスがマティプに届きますが、ヘディングシュートは左に流れていきました。

9分には、マティプのロングフィードが左サイドのルイス・ディアスへ。ジョゼ・サと1対1になったウインガーはコースを塞がれ、中に出したボールをカットされました。さらに13分、ロバートソンが縦に出したスルーパスでルイス・ディアスがフリー。ゴールライン際まで抉った23番の折り返しは、中のジョッタに合いません。13分のアーノルドの高速グラウンダーがゴール前にこぼれると、マネの強烈な一撃はコーディーが体を張ってCKに逃れました。

18分、久々にウルヴスのカウンター。左サイドから上がったネトのグラウンダーに、走り込んだデンドンケルが左足で合わせるも、ボールはニアポストの脇を抜けていきます。直後、ネトは足を痛めてしまい、ファン・ヒチャンに交代となりました。24分、コナテの縦パスを受けたチアゴが、絶妙なヒールパスを裏に通してマネがフリー。GKの動きをよく見ていた10番は、冷静にニアに流し込みました。

28分の波状攻撃も、見応え充分でした。クリアを叩いたアーノルドのミドルをボリがブロックし、ヘンダーソンが左に浮かしたボールをロバートソンが左足ボレー。うまく抑えられず、ボールはジョゼ・サの頭上を越えてしまいましたが、左サイドの流動的なアタックはボリとホニーを混乱させています。アンフィールドが湧いたのは、37分。エティハドでディーニュのクロスをマッティ・キャッシュが頭で押し込み、2強は勝ち点90で並びました。

歓声の直後、縦パスで抜けたファン・ヒチャンは、飛び出したアリソンがコースを切って右に外させます。45分に足を痛めて座り込んだジョゼ・サと、49分にピッチを去ったチアゴは、後半もプレイを続けられるでしょうか。ハーフタイムのアンフィールドは1-1、エティハドは0-1。レッズが勝ち越しゴールを決めた瞬間、マン・シティは2点が必要になります。

後半の頭からジョゼ・サがラディに代わり、チアゴのポジションにはミルナー。レッズの守備は、アーノルドとコナテの裏が狙いめとなっています。50分、ジョッタのパスで抜けたマネのゴールはオフサイド。ボックス手前でアーノルドが奪った52分の決定機は、縦パスをもらったマネが転倒し、フォローしたジョッタのシュートは10番に当たってしまいました。

57分、ジョッタに代わってサラーが登場。レッズのアタックはスローになり、左右からの単調なクロスを弾き返されています。64分のアーノルドのミドルは、左に飛んだラディがセーブ。リバウンドを取ったサラーのループシュートは、左に逸れていきました。68分にナビ・ケイタのパスを受けたサラーは、切り返しからのラストタッチをボリにさらわれてしまいました。

エティハドでヴィラの2点めが決まったのは69分。ゴールキックをオリー・ワトキンスが後ろに逸らすと、トラップしたコウチーニョが右隅と見せかけた一撃をニアに収めました。アーノルドの強烈なシュートはボリにブロックされ、ファン・ヒチャンのミドルはアリソンが上にプッシュ。75分に右サイドを完全に突破したラウル・ヒメネスは、ノーマークのファン・ヒチャンへのフィードをミスしてしまいました。

攻めあぐむレッズに対して、エティハドではマン・シティが猛攻。76分にスターリングのクロスをギュンドアンがヘッドで押し込み、78分にはジンチェンコがボックス手前に落としたボールを、ロドリが左隅に突き刺しました。アンフィールドは、アリソンが忙しくなっています。そして81分、デブライネが左隅に蹴ったシュート性のボールに走り込んだギュンドアンが蹴り込んで、マン・シティが逆転に成功しました。

直後、アーノルドのクロスを巧みにトラップしたルイス・ディアスは、切り返しから放った右足のシュートをコーディーにブロックされてしまいます。しかしこのCKでマティプが競り勝ち、クリアされたボールをもう1度頭で落とすと、ゴール左にいたサラーが左足で押し込みました。リードしたレッズは、勝負を決めるべくサイドアタックを繰り返しています。

89分、左からボックス右に入ったロバートソンが縦に転がし、ナビ・ケイタの後を受けたフィルミーノがリターン。左SBのシュートがファーのサイドネットに収まり、レッズはエティハドの結果待ちとなりました。エデルソンが足を痛め、もうひとつドラマがあるかと思われた撃ち合いは、ガブリエウ・ジェズスの巧みなボールキープによって、時間を失いました。

レッズもマン・シティも最強CBを欠き、いつもの彼ららしくない脆い守備で窮地に追い込まれました。残り15分まで、昨季プレミアリーグ王者は2点のビハインドを背負い、レッズはカウンターから2対1という絶体絶命のピンチを相手のミスに救われています。詰まっていた2つのケチャップの瓶は、ギュンドアンのヘッドで空気が通るようになりました。9分後、サラーのゴールで勝利が見えたとき、マン・シティは既に世界を変えていました。

シティズンのみなさん、堂々のプレミアリーグ連覇、おめでとうございます。68分から登場したギュンドアンが、アグエロを思い出させる素晴らしいゴールシーンを2度も見せてくれました。ハリー・ケインの獲得失敗という不穏なスタートをものともせず、当番制の偽9番というミラクルで勝ち切った名将のチームは、アーリング・ブラウト・ハーランドが加わる来季も既にリーグとCLの本命です。

後半戦を16勝3分という怒涛の追い込みを見せたリヴァプールも、トロフィーにふさわしいチームでしたが、7節以降は1度も頂点に立つことなくシーズンを終えました。4冠チャレンジは、最後のゲームを前に終わりましたが、レアル・マドリードにリベンジを果たし、カップ戦3冠でシーズンを締めていただければと思います。

プレミアリーグ2021-22シーズンが終わりました。2012-13シーズンから始めた本ブログも、節目となる10シーズンめを終えることができました。この酔狂な営みを、いつまで続けられるのかはわかりませんが、毎日読んでいただく方がいる限りは、細々とでも書いていければと思います。

後ほど、アーセナルとトッテナムのレポートをUPいたします。今シーズンも、ありがとうございました。


おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“【Liverpool/MAN.CITY】残り15分から流れ出したケチャップ…3発の王者が2発のライバルを抑えて連覇達成!” への3件のフィードバック

  1. ペップの街 より:

    0−2とされて開き直ったか、怒涛のゴールラッシュ!諦めかけたトロフィーを奪い取ってくれました。しかし、これほど2強がレベルの高いシーズンを繰り広げたのも記憶にありません。3敗しかしないチームが最終戦薄氷の勝利でなんとかリーグを制しました。ペップと選手たちを称賛するのみです。早くも来季が楽しみです。Makotoさん、これからも楽しいレポートよろしくお願いします。

  2. まさやん より:

    更新お疲れさまです。
    後半途中まではもしかしたら·····と期待しましたが、やっぱりシティは強かったですね。
    残念ですが最後の最後まで優勝争いを楽しませてくれた選手に感謝したいと思います。
    チアゴの負傷が気がかりですが、来週は宿敵レアルを倒してビッグイヤーを取り、カップ3冠を達成して欲しいと願ってます。

    今シーズンもブログ楽しませてもらいありがとうございました。
    また来シーズンもよろしくお願いします。

  3. アイク より:

    更新ありがとうございます。
    さすがシティ、そうこなくっちゃという爆発力でした。5年で4回優勝とは…。シティズンの皆さんおめでとうございます。
    レッズ目線ではシーズン途中で見失ったシティの背中に追いつき、最後の1分まで食らいついた素晴らしいシーズンでした。希望を見せてくれたヴィラにも感謝です。

    今シーズンも毎日楽しませていただきました。超過密日程にも置き去られず、PLを楽しめているのはひとえにMakotoさんのおかげです。ありがとうございました。

    さぁCLですね。レアルの実力に疑いの余地はありませんが、チェルシーとシティの仇を討ちPLのレベルの高さを世界に示して欲しいと切に願います。

アイク へ返信するコメントをキャンセル