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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【MAN.UTD×Reading】 ルーニーの一発以外、何もなかった退屈で貴重な勝利

世界中の新聞記者が、頭を抱えたことでしょう。「ルーニーの一発でマンチェスター・ユナイテッド、レディングに勝利…の後、何を書けばいいんだ?」と。どのメディアを見ても、後半の記述は2~3行です。「やや攻勢に試合を進め」「こう着状態」「2点めは奪えず」…これに、「香川出ました!」と書いたら記事、終わり。はっきりいって、非常に退屈な試合でした。前半2-0だったら、後半は途中で風呂にでも入ろうか、などと考えたかもしれません。それでもとにかく勝ち点3、貴重な勝利。エヴァートンになす術なく敗れた2位マンチェスター・シティとの差は15。残り9試合を4勝1分け4敗でも優勝です。「プレミアリーグを制するクラブが今夜、決まった」と言い切っていいでしょう。こういう試合をきっちり勝つのが、マンチェスター・ユナイテッドの強さです。

話は変わりますが、先日、あるサッカー掲示板を見ていたら、前夜に1-0で勝ったとある上位クラブファンが大ゲンカしてまして、「昨日の試合は最悪の出来」「監督辞めろ」「いや、監督はよくやってる」「でも優勝できないじゃないか」などなど、それはもう殺伐とした雰囲気。読んでいて言いたかったのは「勝ったんですよね?何か問題でも?」ということと、「みんな大好きなサッカーを楽しみたくて掲示板やサイトを見ているのだから、不愉快な気分になることを言い合うのはやめませんか?」でした。

マンチェスター・ユナイテッドを長く応援していると、ときどきしょうもない試合があり、最下位のチームにコロッと負けたりもして、概ね強いとはいえ、そりゃあもう愚痴をいいたくなることはたくさんあります(今季は難しい試合を勝ちきっているので少ないですが)。ただ、このチームが凄いなと思うのが、サー・アレックス・ファーガソンの哲学と、それが選手に浸透していることで、彼がよくいうのは「考えなければならないことは多いのだから、考える時間は最小化しろ」ということ。これがベースにあるので、「負けたことをくよくよ考えるのは全くの無駄である」と監督も選手も口を揃えて言っており、まあ切り替えの早いこと。さっと忘れて次に向かえるので、連敗が少なく、トータルの勝率が高いのですね。私はすっかり、ファーガソンマジックというかファーガソン教というか、そのスタイルに染まっているので、負けた時に考えることはただひとつ、「とにかく早く寝よう」です。しかし、こないだのレアル・マドリード戦は…いやいや、まだまだ「切り替え力」が監督や選手の域には達していないですね。精進します。

話は戻って、この試合、最大のトピックスは「リオの復活」です。体調が上向き、イングランド代表にも召集され、気持ちがのっていたのでしょう。前半から、前線にロングクロスを出すなど、全盛期の彼を思い出させる積極的なプレイが目立ちます。21分のルーニーの決勝ゴールは、自陣からドリブルで攻め上がったリオ・ファーディナンドが、相手につぶされる寸前でルーニーに預けた好プレーから生まれました。痛めた背中や腰の影響か、体力の衰えか、今季はベイルやアグエロにはあっさりスピードで振り切られ、クロスの落下点へ入るのが遅れることもしばしばで、サー・アレックス・ファーガソンの信頼はエヴァンスに流れ、来季契約も単年。来年40歳になるギグスとどちらが先にユニフォームを脱ぐのだろうか、と心配になるくらいの落ち方だったので、昨夜のプレイはほんとうにうれしかったです。2002年以降、マンチェスター・ユナイテッドの5回のリーグ制覇、3回のチャンピオンズリーグ決勝進出を支えてきた大黒柱には、一日でも多く元気な姿を見せてほしいです。

次戦サンダーランドで3月が終わり、4月の頭にはFAカップのチェルシー戦と、プレミアリーグでマンチェスター・シティ戦が控えています。マンチェスター・シティにきっちり2勝して、9年ぶりのFAカップ制覇でダブルを獲得して今季を気持ちよく終わりたい。今から、楽しみです。

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