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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Aston Villa×Tottenham】 ベイル、ベイル、ベイル!

ファンの方には申し訳ありませんが、私はアンドレ・ヴィラス・ボアス(AVB)が大嫌いです。ポルトガルでの実績は尊重しており、やろうとしているサッカーは興味深いのですが、モウリーニョのコピーのような尊大なコメントと、余裕があるように見せよう見せようとしているような余裕のなさが嫌いです。と、いいつつ、ほんとうは若くてイケメンで順調にキャリアアップしていて、自信たっぷりでさわやかで天然で…というような「全部持っていかれてる感」がイヤなのでしょう。これを一般的には”やっかみ”といいます。いつも、失敗すればいいのにと思っています。ちなみに同じ理由で福山雅治も嫌いです。もっと嫌いなのが、そう、自分の器の小ささです。

さらに、私の相方はアーセナルファンなので、トッテナムにまつわる多くの会話がネガティブなトーンで進められます。私の狭い人間関係のなかでは、私は「トッテナムが大嫌いな人」として認識されていることでしょう。

しかし、ほんとうはスパーズは嫌いではありません。80年代、まだ「三菱ダイヤモンドサッカー」が金子さんと岡野さんの名コンビで放映されていた頃、イングランドサッカーといえばリバプール、スパーズ、マンチェスター・ユナイテッドで、スパーズのFAカップ連覇を手に汗握って観ていたりしたのです。そんな昔からの親近感がベースにあり、リーズのように背伸びしすぎて破たんすることなく、アストンヴィラのように締めすぎて弱体化することもなく、堅実に地力を積み上げていく彼らのチーム運営に好感を抱いています。この数年、いちばん効果的な補強とチーム作りをしたのは実はこのチームなのではないでしょうか。2008年以降、ベルバトフ、ロビー・キーン、ダレン・ベント、クラウチとチームの柱であるFWが次々と抜けても、チームはリーグ順位のベースを上げ、成果を出し続けています。さらに今季、ファン・デル・ファールト、モドリッチ、ピーナールが抜けるという非常事態にあっても、売却で得た資金で適切に選手を獲得し、しぶとく4位につけています。シーズン開始当初は監督とメンバーが大きく変わったためか、出遅れ気味でしたが、ここにきてかなりいいチームに仕上がりつつあります。これは、昨季よりも期待が持てるのではないでしょうか。悔しいことですが、いまのところはAVBを認めざるをえません。ああ。

アストン・ヴィラとのゲームも、非の打ちどころのない0-4勝利。前週、チェルシーに0-8で大敗した相手ではありますが、降格回避に必死なチームとのアウェイゲームで4点差かつクリーンシートなら文句なしでしょう。11月にシティとアーセナルに連敗してから持ち直し、以来プレミアでは5勝1分1敗と順調に勝ち点を積み上げています。GKロリス、DFフェルトンゲン、MFデンプシー、デンベレと、最近注目のベルギーの若手を中心に補強した選手が機能しており、エースのデフォーは絶好調。なかでも昨季からの最大の脅威であり、変化が「真ん中にいるベイル」でしょう。マンチェスター・ユナイテッドも今季、最初の相対でトッテナムには4発、やられましたが、ベイルのゴールは圧巻のひとこと。彼を中盤でフリーにすると、衰えつつあるとはいえあのリオ・ファーディナンドが、ついていくのにせいいっぱいで何もできませんでした。

ヴィラとの一戦でも、そのスピードと精度の高いシュートでハットトリック。アンリ、クリスティアーノ・ロナウド、ファン・ペルシー、メッシなど、「サイドで活躍していた選手を中にコンバートしたら手がつけられなくなった」前例がありますが、今年、ベイルは化けましたね。さしずめ「ドリブルで抜けるファン・ペルシー」といったプレースタイルです。

ダレカ、カレヲトメナイカ。

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