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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Liverpool×West ham】 個人技の集積でしかなかったリヴァプールの限界

リヴァプール、ホームであまりにも痛いスコアレスドロー。ウエストハムのDF陣は必死に体を張ってはいたものの、その守備はゴール前に人数を割くという原始的な戦術。確かにCBコリンズのハードマークはやっかいでしたが、これは、工夫すれば崩せたのではないでしょうか。

昨夜のレッズは、あくまでも個人技。コウチーニョ、スタリッジ、スアレスはいずれもパスを受けるとまずはドリブル。そして、角度のないポジションからでも強引にシュート。攻撃が単調で、サイドで持たれてもきわどいクロスはまず上がってこないので、ますますウエストハムの守りは真ん中に寄っていきます。それでもリヴァプールは半ば意地になって突破を図りますが、選択肢が少なく、個人技かコウチーニョとスアレスが見せたようなシンプルなワンツーのみ。ただしこれも、ウエストハムのディフェンスが薄いサイドでのやりとりなので、抜けてもいい位置からシュートが打てません。

攻撃が完全に空回りしていれば、やり方を変えることを考えたでしょう。しかし、時折個人技からいいシュートが打ててしまい、ウエストハムGKヤースケライネンのファインプレーでぎりぎりゴールには至らず、などというシーンがあるから逆にタチが悪い。前のドリブラー3人だけでなく、グレン・ジョンソンやホセ・エンリケまでゴーイング・マイ・ウェイの仲間入りです。周囲を使うという意識があるのはジェラードだけ。前半途中から入ったスタリッジも試合を通じて機能せず、結果、無得点。終盤、シュートをゴールライン上でクリアさせられるきわどいシーンもあり、あわや黒星というゲームでした。試合後、ブレンダン・ロジャース監督は、「スタリッジのゴールはオフサイドではない」などとコメントしておりましたが、さすがに負け惜しみに聞こえますね。ダウニングが前半で退かなければならなかったのは痛かったと思いますが、前節、アストンヴィラ戦で鮮やかな采配を見せたロジャースさん、この試合はこれ以上、策はなかったのでしょうか。

いいときと悪いときがはっきりしているリヴァプール。今季は、好調と呼べる時期がなく、不安定さを拭い去れないシーズンでした。連動性のないサッカーを省みず、己を過信したツケは大きかったですね。これで、来季ヨーロッパで戦うという希望は完全に断たれたでしょう。80年代からのサッカーファンとしては、リヴァプールには欧州の常連であってほしいのですが…。

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