【Swansea×Saints】 負けないサウサンプトン。守備の進化で残留に近づく
吉田麻也のゴールライン上のクリアもあり、最近珍しくなった押されっぱなしのゲームで、スウォンジー相手にサウサンプトンはしぶとく勝ち点1をゲット。これで勝ち点39。今の調子を加味してみれば、残留は間違いないでしょう。3月2日にホームでQPRに足をすくわれてから、1ヵ月半負けなしの3勝3分け。強さの秘密は、ポチェッティーノ監督が推進するポゼッションサッカーの浸透と、守備の進化です。
先の記事で、「アーセナルのCBコンビはメルテザッカーとコシルニーの相性がいい」と書きましたが、セインツでいえば、吉田麻也とホーイフェルトの組み合わせがいちばん安定します。シーズン当初は、キャプテンシーのあるフォンテがレギュラーでしたが、彼がケガをしてホーイフェルトがその穴を埋めると、吉田とのコンビネーションが徐々にできあがり、負けなくなったここ6試合のうち直近5試合をこのふたりで守っています。マンマークに強いホーイフェルトがFWを抑え、ヨミがよくカバーリングに長けた吉田麻也が全体のバランスをとるあたりは、アーセナルのふたりと同じ役割分担です。フォンテはさしずめヴェルマーレンといったところでしょうか。彼と吉田のコンビが悪いわけではありませんが、QPR戦で吉田&フォンテで負け、ノーウィッチ戦は吉田が右SB、ホーイフェルト&フォンテでスコアレスドロー、快勝したリヴァプール戦が吉田&ホーイフェルト。いくつかの組み合わせを試した結果、ポチェッティーノ監督は安定度の高いCBコンビを固定しました。
元々攻撃力はあり、トップ7の次に得点数が多いチーム。ここに、リヴァプールとの対戦でも50%近いボールポゼッションが稼げるパスワークと安定した守備が加われば、当然、手ごわいチームになります。1月にナイジェル・アトキンス監督が電撃解任されたときは、「あんなにいい監督をなぜ!」とびっくりしましたし、あのサー・アレックス・ファーガソン監督ですら「アンフェア」とコメントしたぐらいで相当物議を醸しましたが、こうなってみるとコルテーゼ会長は正しい選択をした、といわざるをえませんね。
とはいえ、元祖ボールポゼッションのスウォンジーを圧倒するまでには至らず、まだまだ発展途上ではあります。来季に向けて、たとえばピルロやシャビ・アロンソタイプのパスワークに優れた中盤の底を補強できれば、ヨーロッパリーグ進出も視界に入ってきます。スウォンジーやサウサンプトンが成功すれば、プレミアリーグ全体のサッカーが変わり、近年遅れをとっているスペインやドイツのトップクラブと互角に対抗できるチームが現われるでしょう。スペイン人、ポチェッティーノ監督が起こす「プレミアリーグ革命」に期待しながら、セインツのゲームを観ていきたいと思っています。
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