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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Tottenham×MAN.CITY】 一瞬のスキから自滅したマンチェスター・シティ

2006年ワールドカップドイツ大会の日本VSオーストラリア戦を思い出させる、あっという間の逆転劇。スコアも同じ3-1。あの日、調子がよかったGK川口能活が、普段なら出ていかないボールをパンチしようとして失点し、そこから崩れていったように、後半30分までゲームを支配していたマンチェスター・シティは、一瞬の油断をベイルに衝かれて崩壊しました。

CL出場権を得るために、絶対に勝利が必要なトッテナムの勢いをそいだのは前半5分のテベスのスルーパス。サイドでボールをキープしながら、縦へ走ったミルナーに絶妙のタイミングと柔らかさで軽く流すと、ミルナーはゴールライン上をドリブルで持ち込み、中で待つナスリに完璧なセンタリング。ナスリがこれをインサイドに当てると、ゴールライン上でクリアしようとするカイル・ウォーカーをあざ笑うかのように左のサイドネットが揺れ、マンチェスター・シティがあっさり先制します。前半は、完全にマン・シティのペース。トッテナムは、デンベレのスルーパスからカイル・ウォーカーが抜け出してGKハートと1対1になった一発をCKに逃れられると、後はノーチャンス。ヤヤ・トゥレを中心に寄せが速いマン・シティの中盤に圧倒され、ボールポゼッションの高さを活かせず、逆にカウンターの脅威にさらされます。

トッテナムはレノンが欠場し、ベイルはケガ明けで本調子ではなく、デフォーがベンチスタート。マン・シティはダヴィド・シルバが欠場し、アグエロもベンチ。両チームとも苦しいやりくりを強いられていますが、守備陣の調子がいいマン・シティに対して攻撃の主軸に迫力を欠くトッテナムが攻めあぐむという展開で、後半途中まではこう着状態。後で振り返れば、2点めを積極的に獲りにいかず、セーフティに時計の針を進ませようとしたマン・シティの戦術がドラマを生むきっかけとなってしまったのですが…。

60分を過ぎると、ヴィラス・ボアス監督が動きます。シグルスソンをホルトビー、パーカーをハドルストーン。このふたりの投入から、前線やサイドにパスが出るようになり、得点の匂いが漂ってくるようになります。そして71分にはアデバヨルをあきらめ、デフォーのワントップ。その直後でした。右サイドでべイルがフリーでボールを持ったのは。

このとき、完全にマン・シティのディフェンス陣の足が止まりました。左ききのべイルは、蹴りやすい位置に切り返してから入れてくると思ったのでしょう。しかし、本当はどこかでわかっていたはずです。ベイルの左足アウトのキックの怖さを。まさに、油断。一瞬の心のスキ。べイルが速い足の振りから中に強いグラウンダーを通すと、ゴール前にいたマン・シティのDF3人は誰も足が出せず、コンパニは裏にいたデンプシーを完全に見失っていました。デンプシー、必死のスライディングシュート、ついに同点!

この一発で、ホームチームは自信を取り戻し、アウェイチームの守備が崩壊します。こんなに混乱したコンパニを初めて観ました。同点ゴールから4分後、左サイドでロングパスを受けたデフォーに簡単に切り返され、何もできないまま右隅にミドルを決められ逆転。さらにその3分後にはハドルストーンのスルーパスに、右から抜け出してきたのは何とベイル。彼をフリーにすれば、いくらGKハートが1対1に強くても止められません。コースをブロックしようとする飛び出しをじっくり見られ、チップキックで上を抜かれたらなすすべなし。7年前、夏の日差しのなか、ケーヒルとアロイージに8分で息の音を止められた日本のように、7分で3発喰らったマンチェスター・シティにこれを跳ね返す力は残っていませんでした。終わってみれば、トッテナムの快勝です。

結局は、モチベーションの差だったように思います。まだ優勝は決まっていないとはいえ、マンチェスター・ユナイテッドが残り試合を2勝3敗でも追いつけなくなるマンチェスター・シティには、この試合を絶対に勝つという気概は持てなかったのでしょう。対して、トッテナムは必死でした。ヴィラス・ボアス監督が送り出した3人の交代選手は全員、そのミッションを完璧に果たしました。最近、謝ってばかりですが、トッテナムサポーターのみなさんにも「マンチェスター・シティには勝てない」などといったことをお詫びしないといけませんね。あらためて、サッカーはメンタルのスポーツであり、たったひと蹴りで世界が変わってしまうことがある、ということを思い知ったゲームでした。

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