【Arsenal×MAN.UTD】 アーセナル、痛恨!サニャの軽率で逃げていった勝ち点3
とはいえ前半はこれで終わるだろう、と思いながら観ていると、42分にアーセナルのゲームプランを台無しにする出来事が起こります。犯人は、サニャ。マンチェスター・ユナイテッドのプレッシャーを受け、苦しまぎれにメルテザッカーに戻そうとした彼のキックは明らかなミス。弱々しく転がったボールをファン・ペルシにさらわれます。これだけでも結構なボーンヘッドですが、信じられないのはその後のプレイ。ドリブルで左サイドを進み、ペナルティエリアに侵入したファン・ペルシに対して、何と背後からスライディング!このエリアで絶対にしてはいけないリスキーなプレイは、足がボールに触れることなく、相手のエースを転倒させただけでした。レフェリーは迷いなく、PKを指示。当然、イエローカード。ファン・ペルシはこれを簡単に決め、1-1の同点でハーフタイムです。前半だけで4枚のイエローカードを受けるなど、アーセナルの攻勢に余裕を失っていたマンチェスター・ユナイテッドは、これで完全に息を吹き返してしまいました。
そして、後半。ホームチームの攻撃を落ち着いてはね返すマン・ユナイテッドに対して、なかなかゴール前までボールを運べないガナーズ。ロシツキ、ポドルスキ、ラムジーを代え、ウィルシャー、チェンバレン、ジェルビーニョを入れたヴェンゲル監督でしたが、ロシツキOUTは早すぎたかもしれません。パスや中盤の組み立てもさることながら、60分までに3本のシュートを放つなど、いちばんゴールへの意識が高かったのが背番号7でした。交代で入ったドリブル好きな選手たちは縦を急ぎ、狭いエリアでのパス交換を頻繁に繰り返すので、マン・ユナイテッドは守りやすくなり、かえってゴールが遠くなった感があります。アーセナルの決定機は83分のカソルラのミドルシュートと、CK後の混戦で放ったコシルニーのダイレクトボレーのみ。前者は横のボールに滅法強いGKデ・ヘアにブロックされ、後者はわずかにゴール上。逆に88分、ルーニーのロングパスからギグスが左で完全にフリーとなり、切り返しから右足であわやというシュートを打たれて逆転負けするところでした。
結局、ゲームは1-1のドロー。サニャのベテランらしからぬプレイは大きな代償を払うことになるかもしれません。勝ち点を1しか積めなかったアーセナルは、スウォンジーに快勝したチェルシーに3位を奪われました。チェルシーのほうが1試合消化が少ないにも関わらず、勝ち点で上をいかれているので逆転するのは厳しい状況です。ここは来週チェルシーと当たるチームに叩いてもらうしかありません。そう、マンチェスター・ユナイテッド。プレミアリーグ優勝祝賀パーティーで深夜まで騒いだ疲れが完全に抜ける来週は、今日よりもパフォーマンスが上がるのではないでしょうか!?
それにしても、勝っていたゲームを振り出しに戻したばかりでなく、よりによってファン・ペルシにエミレーツでのゴールを許したサニャは、当分サポーターの恨みを買い続けるでしょう。冷静さを失って起こす一瞬の過ちというのは怖いものです。プレミアリーグの選手のみなさん、後ろからのファールと相手選手の腕を噛む行為だけはやらないようにしましょう。失うものが大き過ぎます。
(写真著作者/Ronnie Macdonald)
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腕を噛んだ件を、関係のないこのような記事にまで出すのは、リバプールファンからすると気分悪かったです。
いつもこまめに更新していて面白いブログなだけに本当に残念です。
コメントありがとうございます。まず最初に、いただいたコメントは、本気で私の記事を読んでいただいていたがゆえの真摯なお言葉だと受け止めます。基本的には、私の記事を読んで不快になる人がいないほうがいい、と考えておりますので、気分を害されたのであればお詫びしたいと思います。申し訳ありませんでした。
ただしこの件について、私はこうも考えております。「サニャにしろ、スアレスにしろ、一瞬の激情と、その結果としてのPK、勝ち点減、出場停止などで、チームやサポーターを失望させたという意味では一緒である」と。スアレスの件はつい先日あった事件で、みなさんの記憶に新しいこともあり、上記の意味で共通項があるので並べて書かせていただきました。揶揄する意図はなく、そこにあるのはただ「失望」です。アーセナルにとってはCL出場権獲得を左右する勝ち点2のプラスマイナスであり、リヴァプールは、厳しいながらもEL出場権獲得の目が残っていたのですから。各クラブのサポーターの気持ちを想えばこそ、個人的な感情でチームの未来に傷をつけるようなことをしないでほしい、と声を大にしていいたいです。
また、マンチェスター・ユナイテッドサポーターとしていえば、カントナ、ベッカム、リオの件で、今回のスアレスよりも遥かに大きな罰と罵倒を受けたことがありました。ベッカムについては、イングランド代表での出来事をリーグに戻ってそこまでいわれるのか、という憤りと違和感があったので別ですが、カントナとリオの件は他チームのファンから何をいわれてもしょうがないな、と思っていました。彼らの過ちは重すぎましたから。特にリオについてはドーピング疑惑だったので「チームを出るどころか、選手生命が終わっても仕方がない」というくらい覚悟しました。
こんなとき、サポーターとしてできることは「戻ってきていいプレイを見せて、悪評を跳ね返してくれ」と願うことと、戻ってきたときに温かく迎え、変わらず応援することだけです。私はリヴァプールサポーターではありませんが、今、スアレスに思っているのは、「これでチームを去るような情けない人間であってほしくない。ファンの失望を喜びに変えるために、今まで以上に輝いてほしい。プレミアリーグを出ていくなよ!」ということです。
以上ですが、いいたいことは、「気分を害さないでください」ということではありません。「私も、応援していた選手の過ちを他チームのファンにいろいろいわれたことがあるので、お気持ちを察することができます」ということと、「バカにしたり揶揄したりするつもりはなく、むしろしっかり反省して再びいいプレイを見せてほしい、と思いながら書いている」ということです。
カントナの件はショックでしたね。「エリック・ザ・キング」の熱狂的なファンでしたから。あのとき、サー・アレックス・ファーガソンが我慢して彼の復帰を待ち、サポートしている姿に感銘を受けて、リオ・ファーディナンドのときには冷静でいられました。「プレミア大好き!」さんはが今、スアレスの復活を願っている気持ちほどではないと思いますが、私もまた、スアレスという天才がこれを越えて、世界のトッププレイヤーのひとりとしてプレミアリーグを熱狂に導いてくれることを祈っています。以上、長くなりましたが。