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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Arsenal×Stoke】 アーセナル、難敵ストークに苦しみながら貴重な勝ち点3!

毎年、10位前後をうろうろしたまま、最後はきっちりプレミアリーグに残留する。高望みはしない。ホームで負けず、アウェイでは勝てない。ハイボールをゴール前に上げてそのこぼれを狙うか、スローインからの超ロングスローをヘッドで競るか、そんな単調な攻撃を、しかし執拗に徹底的にやってくる。ストークとは、ざっとそんなチームです。24試合終了時点の勝ち点が30、を計ったように3年続けているそうで、エピソードがいちいちあっぱれです。

有名選手は、クラウチとショットン、そしてマイケル・オーウェンくらいでしょうか。クラウチは言わずとしれたイングランド代表。201cmの長身から繰り出すヘディングが武器ですが、長身選手にありがちな不器用さはなく、足元もしっかりしたFWです。DFのショットンは、ディフェンダーとしての力よりも、この1月にチームを去ったデラップ師匠の後を継いだ伝統芸「ロケットロングスローイン」で有名です。スローインなのに、コーナーキック並みの球がゴール前に飛んでくるのです。手で投げているので、落下点も狙いどおり。これを2メートルの男がシュートしてくるのですから、たまったものではありません。そしてオーウェン。スピードに翳りが出て、思うように点が挙げられなくなってどのくらい経つでしょうか。クラウチとタイプの違う彼が機能するとおもしろいのですが。

アーセナルは、ストークが苦手なんですよね。例えるなら、テクニカルなボクサーがクリンチを嫌がっているというか、組むと強い大関が張り手しか武器がない平幕に電車道で突き出されるというか、そんな趣です。ボールは持たせてもらえるものの、ゴール前に入れてもらえず、逆にセットプレーやスローイン一発でやられる。8月のストークホームの一戦も、あっさりスコアレスで引き分けてしまいました。

苦手チームをどう崩すか。ホームのアーセナルは、相手のペースになる前に先制点がほしいので、立ち上がりから積極的に攻めます。ウォルコットが惚れ惚れするスピードで右サイドを突破するシーンが再三あり、ウィルシャー、チェンバレンもドリブルで仕掛けますが、ゴール前が厚く、開始からしばらくはミドルレンジからしかショートが打てません。ストークは、「後ろではどうぞ自由にやってください。でもゴール前には入らせませんよ」という守り方。クラウチひとり残して、9人で守ってきます。それでも今日のアーセナルは調子がよさそうです。ジルーのポストプレーよし、ディアビも積極的にサイドに出て攻撃に絡みます。チェンバレン、ウォルコットの飛出しも効果的で、走り込んだ選手にちゃんとパスが出るので、数多くチャンスが作れています。25分を過ぎたころからゴールエリア付近での攻防が増え、コーナーキックのこぼれを至近距離から打ったチェンバレン、コシールニーのヘッド、ウィルシャーのパスから抜けたチェンバレンのコントロールシュートと、入ってもおかしくないシュートが3本。いずれもGKベコヴィッチに阻まれましたが、ゴールは時間の問題、という流れでハーフタイムを迎えました。


アルテタが戻ってきて、好調ポドルスキが決めました(写真はイメージです。著作者:Ronnie Macdonald)

後半開始直後、ウィルシャーがドリブルで仕掛け、サイドからのパスをジルーが狙うという惜しい攻撃が何回かありましたが、やはり決まりません。そうこうしているうちに、さらにストークのディフェンスが下がります。勝っているわけじゃないのにそこまで引くか…。勝ち点1でOK、という高望みしないストークならではの戦い方です。アーセナルはたまらず、休ませていたカソルラとポドルスキを送り込みますが、これが功を奏しました。77分、右サイドでウォルコットが倒されて得たフリーキックを、ポドルスキがグラウンダーの強シュート。これがDFに当たってコースが変わり、やっと1-0!

勝ち越されると、とたんにMFが前でプレッシャーをかけてくるストーク。1分前とは別のチームです。いや、わかりやすい。そして前の選手を3人まとめて交代、マイケル・オーウェン登場。これもわかりやすい。DFはボールを奪うと前線にロングフィード。ああ、わかりやすすぎる。これはさすがにアーセナルの想定内。オーウェンはアルテタとど突き合いをして諌められただけで何もできず終わり、アーセナル、勝利。いや、疲れましたね。

難敵はやはり難敵。苦しみましたが、今は勝ち点3という結果が大事。と、いっている間にエヴァートンが引き分け、チェルシーは負けましたね。アーセナルに追い風です。

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