偏愛的プレミアリーグ見聞録

【Arsenal×Aston Villa】　チームを救ったスパニッシュ・コネクション！

5分に先制したときは、これは苦労せずに勝つだろうと思いました。選手の動きがよく、リードしたことで落ち着いて戦えるだろう、と。

今季のアーセナルが、なぜ勝ちきれないか。なぜ上位チームに屈してしまうのか。その問いを解くひとつのキーワードが「ミスの連鎖」だと思います。これは、ひとつミスが出ると浮足立ってさらにミスを重ね、リカバーできるはずの小さな失敗を致命的なものにしてしまうということです。昨日のゲームでも、67分の失点はまさにミスの連鎖。コーナーキックを大きくクリアされ、高く上がったボールに対してジェンキンソンのヘッドがうまく当たらず相手ボールとなり…ここまでは失点につながるような状況ではなかったのですが、その直後のドリブルへの対応が曖昧となり、ペナルティエリア手前まで持ち込まれ、結局誰もきちんと当たらずミドルを打たれ、弾かなければいけない平凡なシュートをシュチェスニーが触れず、ゴール。この一連のプレイのなかで、意志を持ってディフェンスした選手がひとりもいないのが問題です。約束事が曖昧、試合中のコミュニケーションが足りない、試合後に反省がしっかりなされていないなどの理由が考えられますが、同じような失敗を繰り返している姿を見ると、プレミアの上位チームやバイエルンに前半から押されて2-0にされてしまう今季の負けパターンにも「そりゃ、やられるよね」と納得してしまいます。

最近、特に気になるのがメルテザッカーのシュートブロックです。ゴール前でシュートを打たれる瞬間、コースを切らずに相手に背中を向けてしまう癖。昨日の前半にも、強いシュートを枠に飛ばされるシーンがありました。これはシュチェスニーの正面に飛び、大きく弾いて事なきを得ましたが、バイエルン戦でトニ・クロースに、DFが切らなければいけないコースに決められた反省を活かせていません。次戦のトッテナム戦は、こういった軽いプレイひとつで数十億～百億の金が吹っ飛ぶ試合です。改善するか、さもなくばコシェルニーにポジションを譲るか、いずれかが必要です。

すみません。勝ち試合とは思えないような苦言だらけのレポートになってますが、いいたいことは「楽勝できる試合をきちんと楽勝しないと、とんでもないことになりかねない」ということです。

守備に不安がある一方で、攻撃については、主力のコンディションがよく、フォーメーションさえ間違えなければどこと当たっても十分戦えるクオリティだと思います。ジルーが完全にフィットし、ウィルシャーは絶好調。そしてカソルラ！この日の2発はいずれも完璧。前半5分、左に開いてウィルシャーからのパスを受け、そのまま中に入ったウィルシャーとジルーに出したパスがブロックされて足元に戻ってきたところをひとり交わして、右隅へ強いシュート。TV解説は「シュートの振りが速い」と絶賛していましたが、凄いのはむしろ、ボールがこぼれてきた瞬間に足を出してきたDFをすっと横に交わした判断の速さでしょう。右足でも左足でも、どこからでもシュートを的確に打てる彼らしいプレイでした。

そして追いつかれた後の85分、決勝ゴールは「スパニッシュ・コネクション＋W」でした。中盤でアルテタがウィルシャーにさばき、ウィルシャーが絶妙の浮き球を裏に走り込んだナチョ・モンレアルへ。1月に入ったスペイン代表左SBが冷静にカソルラへ流すと、彼はここしかないというコースにインサイドで蹴り込み、勝ち越し！ジルーが再三チャンスボールを外したこともあって、結果的に苦しくなってしまった試合に決着をつけた見事なコンビネーションでした。これを勝ち切ったのは大きい！

本日、2位と3位がつぶし合い、月曜日のトッテナムも最近はベイルのFK頼みなので、アウェイでの戦いがどう転ぶかわかりません。上位との対戦がマンチェスター・ユナイテッドしか残っていないアーセナルは、3月3日のトッテナム戦、「シックスポインツ」を制すれば、4位はおろか来季CLストレートインまで見えてきます。混沌としてきたCL出場権争い。アーセナルは、ヴェンゲルは、昨年まで長きにわたって守ってきたポジションを死守することができるでしょうか？最大のライバルと戦うノースロンドンダービー、いよいよ次戦です！（サンティ・カソルラ/写真著作者：Ronnie Macdonald）

—–

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします！

にほんブログ村

サッカーランキング