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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Cardiff×MAN.CITY】 来た、番狂わせ!カーディフ必死の快勝&マンチェスター・シティ、必然の敗退

試合開始から、 マンチェスター・シティに緊張感、まったくなし。ウェールズでのゲームだったので、スタジアムは昇格したばかりの我がクラブの大健闘を称える歓声に包まれていましたが、これがエティハド・スタジアムなら、15分もしないうちに「金返せ!」のブーイングの大合唱だったでしょう。最終的に、カーディフが3-2とマンチェスター・シティを下すという、極上のジャイアントキリングを演出するわけですが、この決着は「起こるべくして起こった」としか言いようのない、上位クラブのおごりと怠慢によってもたらされたものだと思います。

カーディフの守備陣は、プレミアリーグのなかで最もラインを後ろに下げているのではないでしょうか。ペナルティエリア付近まで、MFが全員下がるのは当たり前。ゴール前に7~8人いることすらあります。もうひとつ特徴的なのが、不用意に当たりにいかないこと。あくまでもコースを切ることを徹底し、ボールを取りにいかないので、ミスから相手をフリーにさせることがあまりありません。マンチェスター・シティの敗因のひとつは、相手が出てこないのをいいことに、漫然とパスをつなぎ、DFの前からシュートを打ち続けたことにあります。緩急の差がないためプレイが予測しやすく、カーディフDF陣にしっかり対応されてしまい、左右からのクロスボールで決定的なチャンスが作れたのは試合終了間際のネグレドのヘッド1回のみでした。

そして敗因のふたつめは、「カーディフのCF、フレイザー・キャンベルを自由にさせ過ぎた」こと。前半、圧倒的にボールを支配していたにも関わらず、キャンベルにGKと1対1のシーンを2回も作られたのは、レギュラーCBのコンパニとナスタシッチをケガで欠いたために、代わりに入ったレスコットとハビ・ガルシアのスピードのなさとヨミの悪さが原因です。後半に入っても急造CBコンビの対応の悪さは改善せず。相手が手をこまねいているのにボールを獲りにいかず、結局右サイドを完全に割られた同点ゴールや、2度のCKからの失点は、CBの責任ゼロというわけにはいかないでしょう。CKについては、GKハートが頭を越されたお粗末なプレイや、サバレタのマークにも問題がありましたが、たった8分の間にキャンベルに2回、同じやられ方をしてしまったのは、DF全体の連携に問題があったからです。

それにしても、ケガ人続出のDFはともかく攻撃陣の淡白さはどうしたというのでしょうか。後半開始まもなく、ジェコの素晴らしいミドルシュートで先制したときは、カーディフの選手たちのモチベーションの低下と疲労は明らかで、ここで畳みかければ快勝フィニッシュもあったでしょう。ところがこの日のマン・シティのアタッカー陣には、プレミアリーグ開幕戦でみられたサバレタの鬼気迫るサイドからの斬り込みも、ヤヤ・トゥレの突進も、アグエロのドリブル突破もありませんでした。いつもどおりプレイしていたのはダヴィド・シルヴァのみ。交代で入ったナスリもミルナーもただパスをつないでいるだけ。「普通にやってればそのうち獲れる」と、昇格チームを見下していたとしか思えません。地力はあるので、上位クラブ同士の戦いではその強さを発揮するのでしょうが、下位には今後も取りこぼしそうですね。気の緩みやさぼり癖は、一朝一夕には治らないものです。

ストークやアストン・ヴィラ相手に先制点を守るべく、臆病なまでに慎重に対応して勝ちきったリヴァプールと比べると、なおのことマンチェスター・シティのムラが目立ちます。少なくとも、統率力があり視野が広いDFをひとり補強しないと、シーズンを乗り切れないでしょう。クラブのクイックな対応と、ペジェグリーニ監督の手綱さばきが問われます。それにしても、カーディフはあっぱれ。これぞ、ジャイアントキリング。

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