【Chelsea×Fulham】最悪の出来でも最高の結果!チェルシー、オスカルとミケルで3週間ぶりの勝利
対戦相手のフラムは、スタンフォード・ブリッジと目と鼻の先にあるクレイブン・コテージを本拠地とする、西ロンドンのクラブ。プレミアリーグに定着している中堅クラブのなかでは、ノーウィッチと並んで最も捉えどころのないチームです。ダフやベルバトフ、スコット・パーカーなど、それなりの顔ぶれが揃っているにも関わらず「どんなサッカーをするんですか?」と聞かれると、甚だ困惑します。ウエストハムやストークのように、キャロルやクラウチなどの大型FWを活かした力強いサッカーをするわけでもなく、スウォンジーのようなパスワーク勝負でもなく、ニューカッスルのフレンチコネクションのような特徴もなく…。説明するとすれば、「ベルバトフに預けてタメを作り、そこからダフやカカニクリッチがいるサイドに展開して攻撃する、高校サッカーのお手本のようなチーム」といった感じでしょうか。うーん、やはり地味です。ましてやこの日は、ベルバトフもGKステケレンブルクも不在。CFにはダレン・ベントが入ります。
前半は動きが堅く、チャンスが作れないチェルシー。ベントがフリーでシュートを放つシーンがあり、チェフを慌てさせるなど、フラム優勢でハーフタイムを迎えます。フラムのディフェンスが特に厳しいわけでもなかったのですが、狙いが不明確なまま、漫然と45分を過ごしてしまったという印象。二度あることは三度ある。エヴァートン戦やバーゼル戦の悪夢が脳裏をよぎります。内容的には、先週のほうがよかったぐらいです。
後半、モウリーニョ監督はどんな手を打ってくるのだろうか…とあれこれ想像していると、その答えが出る前に待望の先制点が入ります。52分、中盤でアザールがドリブルを始めると、フラムの選手はついていくものの、プレッシャーをかけません。17番はそのままペナルティエリア手前まで侵入し、左サイドにいたフリーのシュールレにパス。シュールレが縦に持ち込み、角度のないところから打ったシュートはGKストックデールの正面に飛びますが、キャッチするか外にクリアするかが曖昧になり、第2GKはエトーの前にこぼしてしまいます。直後のエトーのシュートも何とか弾いたものの、これがオスカルの前に転がり、二度あることは…とはならず、三度めの正直!オスカルは左足で確実に右隅に蹴り込み、サポーターに向けて軽快なダンス。シュールレの判断はベストとはいえませんでしたが、GKのまずいプレイに助けられ、チェルシーにとってはラッキーなゴールでした。
この後もチェルシーはピリッとせず、効果的な攻撃ができません。モウリーニョ監督は、79分にシュールレをランパードにスイッチし、ゲームをたたみにかかります。1-0で終わるかと思われた84分、チェルシーにCKからダメ押しとなる美しいゴールが生まれます。セットプレイに強いテリーのヘディングでの折り返しを、アクロバティックなボレーで決めたのは、ジョン・オビ・ミケル。3週間ぶりの勝利が決まったときのモウリーニョ監督の心境は「歓喜」ではなく「安堵」だったのではないでしょうか。「チームがよくないときの勝ち点3」が、9ヵ月にわたるプレミアリーグを制するためには、どこかで絶対に必要です。ライバルのトッテナム戦を前に、悪いムードを払しょくするという意味でも貴重な勝利でした。
リヴァプールがつまづき、チェルシーが余裕を失い、キレがないマンチェスター勢が今夜、つぶし合うとなると…ノースロンドン勢がプレミアリーグを引っ張るという、予想外の展開になるかもしれません。サポーターのみなさんには申し訳ありませんが、アーセナルにしてもトッテナムも、一時的にでも首位に立つという姿を想像してなかったものですから…いや、ホントにすみません。(写真著作者/Валерий Дудуш/Walerij Dudusz/Valey Dudush)
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