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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Newcastle×Liverpool】トップ下はモーゼスでよかったのか?リヴァプール、痛恨のドロー決着!

いやあ、勝てるゲームでしたね。ロジャース監督は無念でしょう。プレミアリーグ再開のトップバッターだったリヴァプール。ここでしっかり勝ち点3を獲って、ロンドン勢にプレッシャーをかけたいところでしたが…。相手は昨季の大スランプから抜け出した感のあるニューカッスルです。レミー、カバイェが好調な攻撃陣は手ごわいですが、DFラインは安定しているとはいいがたいチーム。ましてや45分間、相手が10人だったことを考えれば、2-2のドローという結果は納得がいきません。2点獲られたことよりも、3点獲れなかったことのほうが悔しい、そんなゲームでした。

両者ともに様子見気味だったゲームが動いたのは、23分のカバイェのスーパーロングシュートからでした。中央やや右、ゴールまで30メートルはあったのではないでしょうか。DFの寄せがないのを見て思い切って打ったシュートは、GKミニョレがいっぱいに伸ばした手の直前でバウンドするという最高の軌道を描いてゴール左隅へ。今季、さまざまなピンチをビッグセーブで切り抜けてきたベルギー代表GKといえども、さすがにこれはノーチャンス。ニューカッスルが先制しますが、崩されての失点ではないので、リヴァプールにはまだ余裕があります。

そして前半40分、この試合最大のターニングポイントが訪れました。縦に抜け出し、GKと1対1に持ち込みかけたスアレスに対して、DFエムビワが後ろから手をかけてしまいます。明らかなファールではありましたが、「ウルグアイの名優」はいつもどおりのオーバーアクションをきっちり決めて倒れ込みます。主審は迷わずPKスポットを指差し、エムビワは一発レッド、退場です。

スティーブン・ジェラードのプレミアリーグ100ゴールめは、危うくGKクルルに触られそうになったPKでした。1-1、10人対11人。好調なFWを抱えるリヴァプールはもう止まらないと思われましたが、MFシソコをDFデュメットに代えたニューカッスルは、ここから必死の抵抗を見せます。

後半に入って、先にリードを奪ったのは何とニューカッスル。57分、左サイドからのFKから、ファーサイドに飛んだ滞空時間の長いクロスは何でもないボールに見えましたが、リヴァプールDF陣はボールもデュメットも追い切れず、先に触らせてしまい2-1。セットプレイさえ気を付ければ問題なかったはずですが…大事な場面で痛恨のミスが出てしまいました。

もう、こうなれば、なりふり構わず攻めるしかありません。63分、サコをルイス・アルベルトに代え、リヴァプールは前線に傾斜をかけます。しかし結果的には、このロジャース采配は空振りに終わり、数的優位を活かしきれずに反撃を1点止まりにしてしまいました。ここで欲しかったのはアタッカーではなく、局面を個人で打開できるスアレスとスタリッジにパスを出せる選手だったのではないでしょうか。たとえば、ジョー・アレン。アイデアに乏しく、中央でドリブルを仕掛けては詰まっていたモーゼスをサイドに配置換えして、アレンとジェラードから配球する形にしていれば、チャンスの絶対数は格段に増えたのではないかと思います。62分の同点ゴールは、左サイドに流れたモーゼスからのパスでスアレスが抜け出し、中に飛び込んだスタリッジがダイビングヘッドで決めたものでした。やはり、モーゼスには左サイドが似合います。

同点になった後、決定機は74分のスアレスの絶妙なボレーシュートだけ。これが惜しくもバーを越えると、無為な時間が過ぎていきます。スターリングを投入し、サイドから攻略する姿勢を鮮明にしたのは82分。これがもう少し早ければ、ニューカッスルの対応も難しくなったはずですが、時間がないとなれば、彼らは引き分け狙いでセーフティにボールを回すという判断をします。結局、交代のカードを1枚余らせたまま、2-2でタイムアップ。うーん、本当にもったいない。勝てた試合、いや、勝たなければいけない試合でした。

コウチーニョが不在で、イアゴ・アスパスまで負傷してしまった今、リヴァプールはしばらくトップ下問題を引きずるかもしれません。本田圭祐はACミランと契約してしまったようですが、もしかしたらリヴァプールから声がかかったかもしれないのに…と思うと残念です。本田をほしいといいながら、いつクビが飛ぶかわからないアレグリ監督より、おそらく長期政権になるであろうロジャース監督に見初められたほうが、いいキャリアを積めそうだと思いませんか?実際にオファーがいくかどうかはともかく、もう少し動向を見てからの判断でもよかったのではないかという思いが残ります。痛恨のミス、疑問の残る采配…リヴァプールはチェルシーにかわされ、プレミアリーグ3位に後退です。

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“【Newcastle×Liverpool】トップ下はモーゼスでよかったのか?リヴァプール、痛恨のドロー決着!” への4件のフィードバック

  1. アッシュッシュ より:

    74分のスアレスのボレーは確かバーに当たってたとおもいます

  2. モーリー より:

    ルーカスとエンリケは試合に出ていなかったのですが何かあったのですか?

  3. makoto より:

    コウチーニョがいても苦しかった中盤ですから、彼の離脱でボールの収まりどころがなくなり、レイナの不在で安易にバックパスという選択もできず、ハイプレス相手ではポゼッションのためのポゼッションすらおぼつかないのが現状、と個人的には思っています。
    ミドルを打てる選手少ないしFKも蹴れるし、中央に根を生やしてパスをさばく或いはタメをつくってくれる、そんな本田なら将来的には不明ですが(ヘンダーソンが良い例)今のリバプールでは重宝されると思います。
    率直に言えば個人的には香川の方が欲しいですが。使わないなら譲って下さい笑
    あとルーカスは確か奥さんの出産に立ち会うためじゃなかったかな。

    —–
    浮気性なリバサポ さん>
    なるほど。納得ですね。本田はACミランと契約したという話ですが、早まらずにリヴァプールをはじめ、プレミアリーグのいくつかのチームと話をすればいいのに、と思ってました。

    香川真司ですが、モイーズ監督が今の方針を貫く限りは、マンチェスター・ユナイテッドでの未来は明るくならないですね。香川は大好きですが、今の姿はしのびないので、もしリヴァプールが喜んでくれるなら出てもいいのでは?と思います。ロジャース監督なら大事に使ってくれるでしょう。

  4. What a pleasure to find someone who thinks through the issues

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