【Arsenal×liverpool】スタリッジ&スアレス不発!勝負を分けたのは攻撃の連動性とヨミの速さ
対するリヴァプールは、スアレスとスタリッジのコンビが絶好調。このふたりは、今や欧州全体でも5本の指に余裕で入るワールドクラスの2トップでしょう。そして今夜は、おそらく中盤にコウチーニョが戻ってきます。ケアレスミスがあって、最近失点が多いDF陣ではありますが、コロ・トゥレ、サコ、シュクルテルでまわす3バックの最終ラインにも落ち着きと自信が見られるようになってきました。アウェイとはいえ、今夜もアーセナルに簡単に攻略されたりはしないはずです。
注目の一戦は、キックオフからアーセナルペース。開始早々、カソルラとのコンビネーションで右から抜けたロシツキがフリーでシュート。角度のないところからの難しい一発でしたが、ミニョレはCKに逃れるのが精一杯。アーセナルはどの選手もかなり気合いが入っており、エミレーツを埋め尽くしたグーナーも、いつもにも増して高いテンションでチームの背中を押し続けます。
対するリヴァプールは、復帰したコウチーニョはベンチスタート。グレン・ジョンソン、ホセ・エンリケを欠き、サイドの攻防で劣勢を強いられ、スアレスとスタリッジが孤立するシーンが目立ちます。ヘンダーソンが何とか攻撃に厚みを加えようと攻め上がりますが、この日のアーセナルは出足が早く、なかなかフリーで前を向く機会を創れません。
19分、アーセナルの先制点は、サイドMFの裏を突くという3バック攻略のお手本のような攻撃から生まれました。中盤でボールを受けたアルテタが、縦パスでサニャを走らせると、サニャはジルーの裏に走り込んだカソルラにクロスを合わせます。カソルラのヘディングは右ポストを直撃し、ゴールならずと思われた直後、この跳ね返りをフォローしたのはカソルラ自身でした。リヴァプールDFが棒立ちになるなか、右足の強烈なボレーをクロスに決め、1-0!先週まで明らかに体が重く、本調子には程遠いと思われたスペイン代表MFは、ロシツキ、エジルとのトライアングルがうまくまわったこの日はキレキレでした。
リヴァプールはサイドで競り負け、中央のジェラードやルーカスのポジションが深く、攻撃に厚みがないため、スタリッジとスアレスの個人技に依存する形でしかチャンスを創れません。この日のアーセナルは出足もヨミもよく、後方からのパスはアルテタやコシールニーがことごとくインターセプトします。スタリッジのドリブルシュートもシュチェスニーを脅かすに至らず、コシールニーが出るかFWにつくか一瞬躊躇した場面も、スアレスへのスルーパスが遅れたためにオフサイドをとられてしまいます。前半は1-0で終了。この展開なら、後半はあの男が登場するでしょう。
46分、いよいよ戻ってきました。シソコに代わって久しぶりのピッチを踏みしめたコウチーニョ。後半開始からしばらくは、完全なるリヴァプールのペース。左右からのクロスで揺さぶり、ペナルティエリア右で一瞬フリーになったヘンダーソンのシュートはわずかにクロスバーの上。50分過ぎまではアーセナルは我慢を強いられますが、ギブスやロシツキ、ラムジーがマイボールを落ち着いてキープしてチェンジオブペースを図ると、やがて再びアーセナルがボールを支配し始めます。
後半は、リヴァプールCBコロ・トゥレがネックとなってしまいました。不用意なバックパスをジルーにさらわれ、ミニョレとの1対1からあわや2点めというループシュートを放たれた後、59分には追加点の戦犯となってしまいます。エジルのパスが中央やや右に上がっていたラムジーに通ったとき、彼がシュートを打つタイミングを計るために時間をかけたにも関わらず、コロ・トゥレは足元に詰められず、ほぼフリーのミドルシュートをミニョレの手が届かないゴール左に叩き込まれてしまいます。この日のアーセナル相手に、2点差は致命傷です。この後、コウチーニョがセンターから左右にパスを出しわけ、右からのスアレスのシュートがポストをかすめ、左から何度もシュチェスニーの飛び出しを誘うなど惜しい攻撃を仕掛けますが、アーセナルは冷静でした。とりわけシュチェスニーのクロスへの対応は素晴らしかったですね。先制ゴールを決めたカソルラ、中盤をコントロールしたロシツキ、アルテタとともに、彼もまた、勝利に大きく貢献したひとりだと思います。
いやいや、首位決戦らしい非常におもしろいゲームでした。リヴァプールの2トップは、やはり怖いです。アーセナル守備陣のポジション取りがよく、パスコースが限定されていたなかで、コウチーニョも奮闘したと思います。残念だったのは、ジェラードが目立たなかったことですね。以前の彼なら、こういう試合こそ、リスクをとってでも前線に強引に押し上げ、ミドルシュートやサイドチェンジ、FWとのコンビネーションで攻撃のバリエーションを産み出していたでしょう。
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この試合を見てからぜんぜん興奮が収まりません!
パススピード、流動性、ゲームの運びかたなど今シーズンベストだったんじゃないですかね!makotoさんがどのように書くのかなと楽しみにしていました。存分に褒めてくれてありがとうございます(^^)
スタリッジスアレスを前線に残していたので後ろから組み立てられず前に運ぶしかなかったのでスタミナが心配になったんですがもー落ち着かせる気もなかったようですね笑
この勢いでいってほしいですねほんと。アウェイで70000人を静かにさせたら気持ちいいですもんね。悪いですけどユナイテッドにはぱぱっと勝たせてもらいます笑
リバポにとっては結果以上に厳しい内容でした。ここまで先制された試合を全て落としているリバポでしたが、この中盤では当然なのだと改めて気付かされましたね。一度持ってかれた流れに反発するだけの馬力が中盤にないんです。せっかくのSASも、単発の奇襲では対処も容易です。
ただ解決策は補強以外ないように見えるので、当面はこれでいくしかないですね。シティやチェルシーにはケチョンケチョンにされるかもしれませんが、とにかく格下をキッチリ叩いて4位5位で年越ししたいものです。
ウィルシェアさん>
同感です。アーセナルが、というだけでなく、両チームがベストを尽くしたという意味でも、シュートシーンの素晴らしさをとっても、今季のプレミアリーグではベストゲームだったのではないかと思いました。あらためて、アルテタはいい選手ですね。スアレスやスタリッジのプレイエリアをサイドに限定させ、中央で危険な形を作らせなかったのは彼の力が大きいと思います。
今の状況だと、まともにぶつかったらマンチェスター・ユナイテッド劣勢ですが、リヴァプールよりもサイドでは戦えそうなので、底力と勝負強さに期待します。
トーレス下さい。あ、赤い方ね さん>
リヴァプールの弱みは中盤の真ん中からの展開力ですね。キャリック、ラミレス、ヤヤ・トゥレ、アルテタ&ラムジー、パウリーニョらと比べると、今のジェラードとルーカスは、相手が前に出てチェックをかけてきたときのさばき方や前線への展開が弱いように感じます。
アレンはダメなんですかね。今の戦力のなかで、工夫のしようがあるとすれば彼だと思いますが…。
パウリーニョもラムジーもパスを出してからグァーっと攻め上がりますし、デンベレやヤヤはゴリブルで自ら運べます。でもジェラードとルーカスにはボールを運ぶ術がパスしかないんですよね。
それでもじっくり後方から押し上げていけば、人数をかけた攻めができるはずなんです。が、ジェラードの頭にはなぜか速効しかなく、WBの上がりすら待たずSASに放り込みます。これがよく分からないんですよね笑。どこまでがロジャースの指示なのかもさっぱり分かりません。
アレンはどうやらかなり序列が低いようなのでどうですかね。敗戦後のロジャースのコメントは「非常に良かった」でしたから、1月まで大きな変更はない気がします。
辞典の例文に載せてもかまわないくらい差がありました。
相手の対策やメンタルコントロールといった面でも差を縮めるどころか逆に広げてしまったような感があります。
もうそうなるとファンとしては「せめて意地は見せてくれ」と言うしかありません。
個人的にはそれを一番見せてくれたのがスアレスで、彼の気持ちを考えると切ないです。
コウチーニョ復帰と手厳しい現実を知ったのを契機にもう一度ねじを巻き直してほしいです。
SAS頼みはこの試合で終わり。トップ6以外では機能しちゃいそうですが、それでも駄目、終わり。
ジェラードに関しては、ピルロの復活はミラン最終年で半年間ベンチで休んでいたからだあの年齢の選手はまとまった休みが必要なんだよ、と語る選手もいましたが彼も効果的に使う時期が来たのかなと思います。
……なんてみんな分かってはいますが。WC後には少し変わるかもしれませんね。
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トーレス下さい。あ、赤い方ね さん>
浮気性なリバサポさん>
ルーカスは決して悪くはないと思うのですが、ジェラードとルーカスのいずれかに、ミドルシュートなりFWを追い抜いていくなりの脅威がないと、守るほうは「FWさえ抑えればOK」となってしまいますね。ジェラードに関しては、ロジャース監督にいくなと言われている様子はなさそうなので、彼自身の運動量が減ってしまっている、ということのように思えます。
アレンが難しいとなると、今後は、コウチーニョにエンジンがかかってくることに期待しつつ、ヘンダーソンやモーゼスがどれだけゴール前に入ってこられるか、ですね。個人的には、課題はありつつもトッテナムよりも未来は明るいのではないか、と思ってます。よくなるほうに期待しましょう。