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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【MAN.UTD×Newcastle】ファーガソン時代にはなかった、終了前に帰り出すサポーターの姿…。

プレミアリーグ連覇に赤信号が灯り、アーセナルについていくならホーム、オールド・トラフォードではもう1敗もできないマンチェスター・ユナイテッド。ファン・ペルシが復帰したと思えば、ルーニーは累積警告で出場停止。香川真司は昨日、呼吸困難を起こし、体調不良でベンチからも外れました。ファン・ペルシとチチャリートの2トップで、ナニとヤヌザイがサイドとなると、いつも以上にサイド偏重、個人技頼みのサッカーになることは間違いありません。対するニューカッスルは、前節スウォンジーに0-3と敗れたものの、トッテナムとチェルシーを連破して4連勝を飾るなど好調です。何しろ、現在の順位はニューカッスル7位、マンチェスター・ユナイテッド9位と彼らのほうが上なのです。警戒すべきだということは、わかっていたのですが…。

マンチェスター・ユナイテッドの滑り出しは悪くありません。9分には右から持ち上がったフィル・ジョーンズがミドルシュート。10分過ぎには右サイドを崩して中に通したグラウンダーからのクレヴァリーのシュートが体を張ったDFのブロックに阻まれるなど、いくつかチャンスを作りますが、彼ららしかったのはここまで。ニューカッスルが中盤のスペースをつぶし、サイドのチェックを厳しくすると、マン・ユナイテッドは攻め手を失って残り80分を無為に過ごすことになります。奪ったボールを確実に前につなげる選手がおらず、サイドの選手に勝負させるだけの大味な攻撃。オールド・トラフォードでは0勝7分け12敗とプレミアリーグ創設以来勝ちがなく、慎重だったニューカッスルが前に出てこなかったからいいようなものの、45分にスルーパスに抜け出したDFドビュッシーが右からフリーで放ったシュートは決定的でした。得点の予感は、黄色と青という「らしくない」ユニフォームを身に纏ったアウェイチームのほうにより感じられます。

後半、最初のチャンスはマン・ユナイテッド。左からのロングクロスを中央右でフリーで受けたチチャリートの一発は、GKクルルが足でブロック。53分には、CKにエヴラが素早く反応し、ニアからクロスのヘッドを右ポストすれすれに放ちます。ポストに当たったボールは、枠の中に入って守っていたMFアニータの手に当たったのですが…。これが主審、ラインズマンの視界に入らず。「ゴールがあるとすれば相手のミスかセットプレー」という状況だったマンチェスター・ユナイテッドとしては、このゲーム最大の好機をものに出来なかった瞬間、勝ち点3の芽がついえたのかもしれません。ニューカッスルの決勝点は、この8分後の出来事でした。

前節に引き続き、右SBのラファエルはサイドに鍵をかけ、左のエヴラが狙われるという状況でしたが、ケチのつき始めは中盤でハイボールを競り合ったエヴラがヘッドをシソコに当てたプレイ。シソコはエヴラを完全に抜き去って右サイドからフリーで攻め上がり、中央に走り込んできていたカバイェに優しいラストパス。フリーのカバイェはこれをダイレクトでシュート。ヴィディッチの足をかすめたボールはゴール左隅に転がります。出し手も受け手も両方フリーにしてしまえば、失点は当然の帰結です。

水曜日のエヴァートンに敗れたときは、失点からタイムアップまで12分しかなかったのですが、この日はまだ30分、残っていました。しかし、そこで起こったことは、前節とあまり変わりません。交代で選手を入れても意図が伝わらないのか周囲の選手がうまく使えず、ろくにシュートも打てないままタイムアップです。見せ場は途中出場のザハのシュートと2度のFKのみ。72分のFKはファン・ペルシのゴールがオフサイド判定。75分のファン・ペルシのゴールに向かうキックは絶妙でしたが、詰めたエヴァンスがあと一歩足りず、触ることはできませんでした。

ホームで連敗など、いつ以来でしょうか。エヴァートン戦よりもさらに厳しい内容で、香川真司、ルーニー、キャリックを欠くとこんなサッカーしかできないのか、と愕然としました。オールド・トラフォードで、残り時間が5分以上あるのにあれだけの人数のサポーターがスタジアムを去るのを初めて目にしました。ファーガソン監督時代は、残り5分からが力の見せどころで、数々の奇跡を起こしてくれていたので、サポーターは帰るわけがありません。この敗戦で、プレミアリーグ連覇はもう、諦めないといけませんね。現実的な目標は「勝ち点8差となるであろう4位」です。来季、ヨーロッパで戦えなくなることだけは避けないといけません。昨季アーセナルが見せた、プレミアリーグ終盤戦の怒涛の追い込みを思い出せば、4位を獲れないことはありません。いずれにしても、モイーズ監督では難しいかもしれませんね。その理由は、また、いずれ。

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“【MAN.UTD×Newcastle】ファーガソン時代にはなかった、終了前に帰り出すサポーターの姿…。” への4件のフィードバック

  1. トーレス下さい。あ、赤い方ね より:

    エブラのヘッダーでハンドPKが与えられなかったことと、ペルシのゴールがオフサイドで取り消されたことが一番印象的でした。ファギーの頃であればどっちかはユナイテッドに有利な判定が出てたように感じます。
    そこでふと、かつて巨人の原監督が低迷期に続いた不運な判定について語っていたのを思い出しました。「不運な判定が続いているのは巨人が弱いからです。強い頃の巨人は判定にも恵まれました。「巨人が負けるわけが無い」という先入観が審判の一瞬のジャッジに影響していたのです。今は違います。」対戦相手も審判も、もうユナイテッドもOTも怖がってない感じですよね。

  2. makoto より:

    トーレス下さい。あ、赤い方ね さん>
    今日、テレビで将棋を観ていて、若手のホープで非常に終盤戦が強い棋士が、手ごわい相手に対してそのミスを突けずに、詰みを逃して負けたシーンを見ました。マンチェスター・ユナイテッドが失ったものは、「敵やレフェリーをビビらせる迫力と風格」なのかもしれません。

  3. 多田李衣菜サポですが より:

    スタメン見たときこれはヤバイと思った
    PJクレバリーはパスで試合を作る選手じゃない
    だから中に楔のパスが入らないからサイドからの攻撃になる
    でもサイドはナニとヤヌザイで二人とも考えを持った連動性がないから個人技頼みの突破んでクロス
    チチャもペルシもボックスで仕事をする選手でルーニーみたいに下がってボールを受けて組み立てるわけじゃないから
    結果孤立
    相手のミスかセットプレーからしか得点のにおいがしない
    私は監督の責任だと思いましたけどね
    連戦がきつくてもギグスにボランチで出場してもらうべきだったかと次の試合はルーニー出れるわけだし
    モイーズ監督は変えたほうがいいんじゃないかと思いました
    監督は移行期にあるとの発言がありましたが1試合を見て言ってるんじゃなくて
    チーム戦術としての土台がない>これです
    サイド攻撃がいくら伝統とはいっても今の時代ただクロスをあげるだけではCBに跳ね返されて得点機にはつながりません
    だから連動した崩しが必要なのにサイドのWGはまったくそんなこと頭にない>監督の指導のせいじゃないですか?
    現代サッカーではサイドから崩す+中攻めが必要になっていますなのに戦術として中から崩す形がまったく試合で見られません
    (ルーニー香川キャリックがいれば別ですが)
    これじゃサイド攻撃対策されて中堅からでも点が取れませんよ
    要するにモイーズ監督は戦術がなく時代に取り残されてるんです
    移行期にあるのではなく単純に古臭い戦術が通用していないだけチームに何ももたらさない監督は解任されて当然かと
    まぁ夏の補強失敗など同情すべきところもありますが
    やってるサッカーに上がり目が見えないのがもっともきつい

    厳しいことをここまで長々と書いて申し訳ない
    これも愛があるからこそ言いたくなるんです
    自分らは信じて応援することしかできないんで
    ユナイテッドが勝者のメンタリティーを取り戻してまた強くより強くなることを祈って。

  4. makoto より:

    多田李衣菜サポですが さん>
    おっしゃるとおりですね。補強失敗も同情の余地はないと思います。うまく前任者を動かすなりで出来たこともいろいろあるでしょうし、もっといえば、今のメンバーでもトッテナムやエヴァートンと同等の結果は出せると思います。

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