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【MAN.CITY×Arsenal】アーセナル撃沈!ベストメンバーVSターンオーバーが生んだ予想外の大差

プレミアリーグでは7戦7勝と無類の強さを誇るホームのマンチェスター・シティ。アウェイ7戦5勝と、ナンバーワンの勝率・勝ち点数を誇る首位アーセナルとは「ほこ・たて」の関係でしたが、やはりマンチェスター・シティは強かった!トッテナム戦に続き、プレミアリーグ最少失点のガナーズからも6ゴールです。ホームだからというより、アグエロ、ヤヤ・トゥレ、ダヴィド・シルヴァ、コンパニの「四天王」が揃ったから、というほうが適切でしょう。この日の彼らは、コンパニとダヴィド・シルヴァを欠いてあっさり負けた1ヵ月前のサンダーランド戦とは別のチームでした。

前半開始からマンチェスター・シティのプレッシャーがきつく、センターサークル付近でボールを奪うと、スピードのあるパスワークでアーセナルを翻弄します。10分にアーセナルがエジルのFKとCKから波状攻撃をかけますが、ゴールが奪えず再度、マンチェスター・シティがボールを支配すると、13分のCKからアグエロが先制します。右CKをデミチェリスがヘッドで流し、ファーにいたアグエロがボレーで決めた1点は、デミチェリスがボールを触る瞬間、マークについていたコシールニーの後ろにまわってフリーになったアグエロの駆け引きの勝利でした。

アーセナルは、ミッドウィークのナポリ戦からターンオーバーで、ギブスに代えてモンレアル、ロシツキとアルテタをウィルシャーとラムジーにスイッチしましたが、この起用がマンチェスター・シティに終始リードされる火種になってしまいました。問題は、左サイドの守備です。ウィルシャーが中へ入り過ぎてサイドの数的不利を招いたうえに、サバレタやネグレドに対してハードなマンマークをしないSBモンレアルが、フリーでのクロスの集中砲火を浴びる元凶となります。31分にヤヤ・トゥレの不用意なボールキープを奪い、左サイドのエジルからウォルコットへつないで同点とするものの、35分には右からのクロスでGKシュチェスニーと1対1になったネグレドが、あわやという左足シュート。さらに39分、またもや右のサバレタから危険なグラウンダーを入れられ、今度はネグレドに勝ち越しゴールを決められてしまいます。

2-1となった3分後、この試合の流れを左右する最大の事件が起こります。失点わずか11というガナーズの鉄壁な守備を支えていた、コシールニーの負傷退場。代わりにヴェルマーレンが入りますが、アーセナルはマンチェスター・シティの怒涛の攻撃を受けきれるのか。後半を前にして、首位のアウェイチームに暗雲が垂れ込めます。

結局、後半はマンチェスター・シティのゴールショーとなったわけですが、彼らの攻撃が素晴らしかったというより、アーセナルの集中力が切れたといったほうが適切でしょう。50分、自陣でエジルとフラミニが連携ミス。流れたパスを拾ったフェルナンジーニョがミドルを放ち、プレミアリーグ加入後初のゴールをゲットします。63分に、ラムジーの浮き球パスをウォルコットがペナルティエリア左で受け、右足でゴール右隅にコントロールショットを突き刺して1点差としますが、その3分後にはダヴィド・シルヴァが4点めを決め、勝利を決定的にしました。このゴールも、後半開始間もなく負傷退場したアグエロに代わって入った右サイドMFのヘスス・ナバスをフリーにしたのが致命傷。グラウンダーのラストパスが入ったとき、コシールニーに読みのよさで劣るヴェルマーレンはパスコースをカバーできず、メルテザッカーはダヴィド・シルヴァのクレバーな左足アウトをブロックしきれませんでした。

4-2となってから、ヴェンゲル監督はフラミニをニャブリ、ジルーをベントナーに代えましたが、これは勝負を半ばあきらめ、リングにタオルを投げて疲れたボクサーの体を守るような用兵です。勝ちにいくならロシツキやカソルラを出し、ジルーを下げたりはしなかったでしょう。88分のフェルナンジーニョのこの日2点めとなるミドルと、94分にメルテザッカーが決めたヘディングシュート、96分のヤヤ・トゥレのPKはおまけのようなもの。6-3、マンチェスター・シティの完勝です。残り20分からアーセナルの中盤は緊張の糸が切れており、ナスリ、ミルナー、ヘスス・ナバスはやり放題でした。

ガナーズの6失点の内訳は、「左サイドを崩されて2点」「自陣でのミスから3点」「CKでモンレアルがことごとくデミチェリスに先に触られて1点」でした。大量失点はショックではありますが、敗因が明確なので、さほど尾を引くことなく次戦以降は修正できるでしょう。攻撃面では、3回の微妙なオフサイド判定やサバレタのハンド見逃しなどレフェリングに見放され、それでもウォルコットの復調もあって3点奪ったことを考えれば、悪くはなかったと思います。来週のプレミアリーグでは、エミレーツにチェルシーを迎えますが、今のチェルシーの攻撃力ならクリーンシートでの勝利も充分可能です。大事なことは、しっかり気持ちを切り替えてチェルシーに勝つことと、ホームでマン・シティにきっちり借りを返すことでしょう。

それにしても、バイエルン・ミュンヘンを0-2からひっくり返したマンチェスター・シティの攻撃力は凄まじいですね。今、いちばん戦々恐々としているのは、年末エティハド・スタジアムに出向くリヴァプールでしょう。上位同士のビッグマッチが続くプレミアリーグは、年内混戦必至です。

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“【MAN.CITY×Arsenal】アーセナル撃沈!ベストメンバーVSターンオーバーが生んだ予想外の大差” への4件のフィードバック

  1. 通りすがり より:

    マンチェスターシティの攻撃力は怖いです
    ただ今は内弁慶なので他のチームにチャンスがあります
    アウェイも点を取りだしたら怖いですが…
    アーセナルの魅力的なパスサッカーを期待しただけに残念に思います

    どちらもケガ人が長期離脱でないと良いですね

  2. 闇に飲まれよ より:

    シティの攻撃力はパナい
    アーセナルは後半集中力切れてなんだかなー
    途中まで競った試合でおもしろかったんだけどな
    敗戦したアーセナルは首位をまもってるけど
    大量得点も大量失点もしないでなんだかんだで勝ち点を積み上げている
    チェルシーが優勝候補筆頭だと思います
    モウナチオがイイネ・

    話は変わりますがCL決勝トーナメント組み合わせが月曜にあります
    2位通過のシティアーセナルと当たらないか戦々恐々としているとこが結構いるでしょうねー
    ちなみに私はシティ×レアル、アーセナル×バルサ、ドル×シティ、アーセナル×アトレティコが見たいですww
    もちろん管理人さんは全プレミアチームに勝ちあがってほしいんですよね。

  3. チェルシー より:

    通りすがりさん 闇に飲まれよさん>
    マンチェスター・シティは凄かったですね。四天王に加えてネグレドが加入し、さらに今季ナスリがフィットしたのが大きいと思います。とはいえ私も、優勝予想はいちばん穴がないチェルシーです。アグエロは、大事をとったのだと思われますが、アーセナルはコシールニーのケガが気になりますね。これが長引くと、一気にプレミアリーグ制覇が厳しくなります。

    CLは、もちろんプレミアリーグ勢全突破を期待しています!2位通過のアーセナルとマンチェスター・シティは、1回戦さえくぐり抜ければ、1位通過と条件は変わらなくなるので、ぜひ勝ち上がってほしいです。個人的には、アーセナルがレアル・マドリードに「エジルくれてありがとう」とばかりに勝ってくれて、マンチェスター・シティには、「ブンデスリーガよりプレミアリーグが強いでしょ」とドルトムントを沈黙させてもらえればうれしいですね。

    —–
    エティハドでそんな点とれるならアウェイでも取れよって話ですねw

    まあ内弁慶に周りは助かってるわけですが

    シティの恐ろしい攻撃陣の凄さは改めて認識しましたが、守備はちょっと連動性に欠けて緩い場面が多々ありましたね

    前線がプレスにいっても後ろが連動してなかったのでワンタッチで剥がされて簡単に間受けされてましたし

    とりあえずエティハドで打ち合えばこうなるということですね(^^;

  4. makoto より:

    チェルシーさん>
    マンチェスター・シティは、ドイツのチームのような連動性の高い守備はできないですね。アーセナルは、リスクの高いパスで勝負賭けにいってやられた感があります。明らかにデミチェリスがネックでラインコントロールができてない状態なので、自分たちのサッカーを通すより、リスクヘッジ最優先にして戦略的に攻撃を仕掛けていけば、活路は見いだせたのではないかと思います。

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