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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Aston Villa×MAN.UTD】個人技でねじ込んだ3発!首位争いにぎりぎり残ったマンチェスター・ユナイテッド

ここ2試合無得点。久しくホームで負けていなかったニューカッスル、エヴァートンに連敗。プレミアリーグでは4試合勝利なし。5試合でたったの5得点。出そうと思えばどんどんネガティブな数字や記録が出てくるマンチェスター・ユナイテッド。今週は、首位アーセナルを除いて、プレミアリーグ上位クラブは今のところすべて勝利を収めています。もう負けるわけにはいかないのですが、今夜の相手はやっかいです。

アウェイの開幕戦でアーセナルから3点を奪って勝ち、次戦、スタンフォード・ブリッジでは無敵のチェルシー戦もあわや勝利という善戦。第6節ではマンチェスター・シティも破り、12月頭には吉田麻也が出場した好調セインツから3点を奪ってアウェイ戦を制しています。プレミアリーグ11位のアストン・ヴィラは、脆さはあるものの、うっかり直撃すると猛威を奮う台風のような存在です。開幕当初、脅威だったベンテケ、アグボンラホル、ヴァイマンの3トップは最近翳りがみえ、コザクを試すなど試行錯誤が続いていますが、CBのミスが目立つマンチェスター・ユナイテッドは気をつかないとあっけなく足元をすくわれるでしょう。

前半開始直後から、アストン・ヴィラが一方的な攻勢を見せます。アントニオ・ルナのシュートに始まり、4分には左に流れたベンテケから中央のアルブライトンにパスが通り、シュートは横のボールに強いGKデ・ヘアが体を伸ばしてキャッチ。9分にもアルブライトンは、デ・ヘアを脅かすミドルを放ちます。マンチェスター・ユナイテッドは、前節までの苦戦の記憶が拭いされないのか、慎重すぎて出足がよくありません。唯一元気なラファエウが球際で体を張るものの、いつ点が入ってもおかしくない時間が続きます。

こういう嫌なムードを変える、最高のクスリはやはりゴールです。劣勢だったマンチェスター・ユナイテッドはバレンシアのドリブルで右サイドを制圧しはじめ、15分に先行します。右からスピードで縦に抜け出したバレンシアのクロスは、中にDFが3人残っていたにも関わらず、誰もマークについていなかった中央のヤヌザイにぴったり。ヤヌザイのヘッドは左ポストを叩きますが、跳ね返ったボールをそのままウェルベックがダイレクトで叩き込み、1-0。このゴールで、コンディション自体は悪くなかったマンチェスター・ユナイテッドに勢いがつきます。

先制から3分後、センターサークル脇でクレヴァリーがボールを奪い、すかさず前に出すと、ウェルベックが右でフリーになっていたバレンシアにはたき、自身は中に走ります。タイミングを見計らってバレンシアが戻した絶妙のグラウンダーをウェルベックがダイレクトで決め、あっという間の0-2。ペースをつかんだマンチェスター・ユナイテッドは、バレンシアとウェルベックがキレキレです。この後も、27分にバレンシアの優しいグラウンダーを受けたルーニーのシュートがわずかに左ポストを外れ、34分、またもやバレンシアがウェルベックに決定的なスルーパスを出すも、ルーニーのキックと同じ弾道を辿ってゴールならず。前半だけで4点入っていてもおかしくないくらい、マンチェスター・ユナイテッドのワンサイドゲームのまま、試合は後半に入ります。

後半開始直後はシラーやアグボンラホルが積極的にロングクロスに飛び込みますが、デ・ヘアに冷静に対処されると、52分にはまたもミスパスを拾ったマンチェスター・ユナイテッドのゴール。ルーニーからの、これしかない!といいたくなるような絶妙の弱さのスルーパスに抜け出したのは、トム・クレヴァリー。ボールを受けた瞬間、ノーマークで、GKグザンの動きを見ながらニアサイドぎりぎりにダメ押しゴールです!いくら守備が脆いといっても、0-3はセーフティーリードでしょう。そしてこの後、残り20分になって、この日最大のトピックスというべきシーンが訪れたのです。

勝利が確定的になった70分、ギグスがお役御免。交代を告げる電光ボードに映し出された番号は24。そう、潰瘍性大腸炎で長期離脱を強いられたダレン・フレッチャーは、昨季一度も顔を見せられなかったプレミアリーグに2年越しの復帰です。これは、うれしかったですね。プレイがいいとか悪いとかを越えて、そこにフレッチャーがいるのがうれしかったです。後半は小競り合いが多く、デ・ヘアとウェルベックが要らないイエローカードを受けたりしていましたが、最後はこれといった決定機もなく、0-3のままタイムアップ。危ないシーンも多々ありましたが、マンチェスター・ユナイテッドは何とか5試合ぶりの勝利を手に入れることができました。

Jスポーツ実況の金子さんが、「勝利は最高の良薬」と連発してましたが、今日のサッカーではそこまで楽観的になれないですね。アストン・ヴィラの左サイドがあまりにも悪かったため、ウェルベックとバレンシア、ルーニー、ヤヌザイがここを完全に崩して、個人技でゴールをこじ開けただけです。このサッカーは、プレミアリーグ上位チームには通用しないでしょう。今日のところは、久しぶりの勝利に小さく乾杯しますが、ウエストハム、ハル・シティ、ノーウィッチと続く年内のラスト3試合を勝利で終えるのが第一関門。そのうえで、元旦に行われるトッテナム戦に快勝したら、そこで大いなる拍手を送ることとしましょう…いや、しかし、よかった。負けなくて、よかった。

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