【Saints×Tottenham】8試合連続失点、6試合勝利なしの泥沼セインツ。吉田麻也の奮起に期待!
さて、この日のトッテナムは、アデバヨルとソルダードの2トップ。センターMFには、デンベレとエリクセンが入ります。サウサンプトンはトップにリッキー・リー・ランバート。CBはデヤン・ロブレンとホーイフェルトのコンビです。ロブレンと相性がいいフォンテが控えにまわったにもかかわらず、吉田麻也が出られないというのは悔しいですね。秋口にはプレミアリーグ最少失点を誇った守備も今は昔。この試合の前まで、7試合連続失点という状態で、ポチェッティーノ監督の試行錯誤が続きます。チームの順位下降と裏腹に、吉田麻也にとってはチャンスなのですが、試合でアピールできず、悶々とする日々を打開できません。
このゲームを再浮上のきっかけにしたい両チームでしたが、先制したのはセインツ。13分、ララナが左から中央に持ち込み、ゴール左隅にミドルシュート。決して強いボールではありませんでしたが、シュートはタイミングとコースがよければ入ります。ホームのサウサンプトンが労せず先に点を奪ったことで、トッテナムがどう逆襲するのかに興味が集まります。
トッテナムの2トップは、「コロンブスの卵」かもしれません。元々FWの頭数が少なく、ワントップ仕様にチームを作っているアーセナルやマンチェスター・シティと違って、トッテナムはデフォー、アデバヨル、ソルダード、ラメラとトップに入れる選手が4人います。ヴィラス・ボアス政権下では、どうも評価が低かったアデバヨルがうまく機能して、ターゲットが複数になれば、マークが分散して却ってソルダードが生きるかもしれません。25分の同点ゴールは、トップ2人で攻めきってしまったカウンターでした。アデバヨルから左サイドを走るソルダードにパスが入り、ソルダードが右足でプラスのクロスを送ると、中央に走り込んだアデバヨルが右足でアクロバティックなボレー!セインツは、マーカーが2人いながら、クロスもカットできず、アデバヨルのシュートに対してブロックもできませんでした。まだ、同点ではありながらも、セインツの守備には暗雲が垂れ込めています。
後半に入り、ゲームはめまぐるしく動きます。54分には、左サイドを破ったトッテナムが、グラウンダーのクロスでホーイフェルトのオウンゴールを誘って勝ち越し。59分、今度はセインツが右サイドを崩し、GKロリスの飛び出しを誘って最後はリッキー・リー・ランバートが無人のゴールに流し込んで同点。59分、決勝点となった3点めを奪ったのはトッテナム。スローインから強引に中に持ち込んだアデバヨルが、カットされてこぼれたボールを左足でゴール左に蹴り込み、2-3。セインツは、ガストン・ラミレス、ギャラガーをつぎ込んで反撃に出ますが、効果的な攻めができずにゲームは膠着。ソルダードにチャンスがあったトッテナムも、決めきれずに2-3のままでタイムアップ。キャピタルワンカップでウエストハムに逆転負けしたショックを振り払ったトッテナムが、暫定順位で上にいかれていたマンチェスター・ユナイテッドをかわし、7位にポジションを上げました。
あらためて見ると、トッテナムはやりたいサッカーとそこにいるメンツにズレが生じていたように思います。前の選手が比較的厚く、サイドにレノン、シグルズソン、タウンゼント、シャドリがいるので、マンチェスター・ユナイテッドのように徹底的にサイドを崩し、2トップに合わせるというサッカーにスイッチしたほうがよさそうです。ワントップの場合は、セカンドストライカーもしくはゲームメーカーとなる、トップ下の選手が重要になりますが、ルーニー、香川真司、オスカル、マタ、ロシツキ、エジル、ダヴィド・シルヴァ、ヤヤ・トゥレなど、錚々たる顔ぶれが複数揃う他クラブと比べると、発展途上のホルトビー、ラメラ、エリクセンではいかにも脆弱です。基本は2トップとして、劣勢に立ってどうしても点がほしいときに後ろを削ってホルトビー投入、というオプションを効かせるようにしたほうが、合理的でしょう。
セインツは厳しいですね。センターMFのヴィクター・ワンヤマがリタイアした穴が埋まっておらず、明らかに攻守のバランスを欠いています。年末年始は、アウェイのカーディフ、エヴァートン、ホームに戻ってもチェルシーとさらに難敵が続くので、このままずるずると12~13位まで落ちてしまう可能性もあります。一度落ちると、ウインターブレイクのないプレミアリーグは容赦ありません。現状、これといった打開策もありませんが、デヤン・ロブレンとフォンテは固定して、毎試合コロコロ変わる不安定な状態だけは回避したほうがいいと思います。あ、日本人としてはもちろん「ロブレンと吉田麻也で固定」のほうがいいのですが…麻也さん、いけますか?
最近、サッカー関連の掲示板などを見ると「吉田麻也は当たりが激しいプレミアリーグには不向き」などという声も増えているようですが、私はそうは思いません。ダヴィド・ルイスやコシールニー、ママドゥ・サコなど、ハードマークよりもボールカットのタイミングや読みのよさ、攻撃への関与度の高さで勝負しているDFはプレミアリーグにも多く、通り一遍に「プレミアリーグ=イングランド=ハードマーク」と決めつけるものでもありません。まずは「昨季のプレミアリーグで見せたプレイレベルに戻ってください」ということかと思います。ピンチは、変化のチャンスです。今こそ、吉田麻也のスタメンカムバックに期待します。
おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!
コメントを残す