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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Fulham×MAN.CITY】互いに守備力不足で大乱戦!攻め倒したマンチェスター・シテイがほっと一息

プレミアリーグ上位のなかでも、やはりマンチェスター・シティがいちばんぜいたくなチームですね。チェルシーのイヴァノヴィッチ、マンチェスター・ユナイテッドのフィル・ジョーンズ、アーセナルのサニャ、リヴァプールのコロ・トゥレのように、複数ポジションをこなせる選手が決定的に不足しており、ハビ・ガルシアを除いてほぼ全員「ひとり1ポジション」です。こうなると、ケガ人のバックアップをしようと思うと他クラブより人数が必要になり、主力を欠くと、とたんに全体のバランスがおかしくなります。サバレタ、マイカ・リチャーズが相次いでリタイアし、右SBがいなくなったことで後ろが大混乱となったマンチェスター・シティを見ていると、夏の補強の大事さを思わずにはいられません。前はあれだけ効果的に新メンバーを獲得したのに、DF強化を放置してデミチェリスしか獲らなかったがために、今季のプレミアリーグでどれだけ勝ち点を落としてきたのか、と。

さて、対フラム戦です。鬼門のアウェイでマン・シティは勝ち点3を奪えるのかに注目して観ましたが、クレイブン・コテージでの一戦は、さながらDFのミス合戦でした。プレミアリーグ19位に沈むフラムの低迷の要因は、穴だらけのDFライン。あれだけFWに対してのマークが甘いチームが相手ならば、ネグレドとジェコを並べた2トップという選択は、仮にアグエロのケガがなかったとしても効果的です。14分、左に流れたジェコのセンターへの落としを、走り込んだダヴィド・シルヴァが左足で合わせますが、これは惜しくもバーを直撃。この後も、何度かサイドからのグラウンダーをジェコがフリーで受けてシュートを打つシーンがあり、フラムのCBがFWのふたりを捕まえきれていないのは明白です。23分には、ダヴィド・シルヴァをペナルティエリアすぐ外で倒し、FKを職人ヤヤ・トゥレに見事に決められ、43分の右サイドからのFKのシーンでは、なぜかファーサイドにいたデミチェリスが完全にノーマーク。ダヴィド・シルヴァのキックをヘッドで簡単に折り返され、コンパニがこれを押し込んで0-2。前半で、勝負はついたかに見えました

ところが、このまま試合を畳めないのが、今のマンチェスター・シティにおける守備力の限界です。後半開始直後の50分、キーラン・リチャードソンに決められた1点に、彼らの問題が凝縮されていました。フラム陣内のペナルティエリア付近でダヴィド・シルヴァがドリブルをカットされると、フラムはMFターラブトが左サイドをドリブルで疾走し、カウンター発動。対応した「急造右SB」のクリシーは、ターラブトに「常識はずれの一発スライディング」をかまし、簡単に抜かれてしまいます。これを見たCBのデミチェリスとコンパニは、フォローしようと右サイドに寄りますが、当たるのか時間を稼ぐのかが不明確で簡単にグラウンダーを中に通され、どフリーのリチャードソンが軽くタッチしてゴール。彼がフリーだったのは、ヤヤ・トゥレがさぼり、相手が走っているのを見ていながらも戻らなかったためです。これは、ひどい。常々、彼のフォローで汗をかかされているフェルナンジーニョは、もっと怒ってもいいと思います。

さらにこの後、69分にやってしまったコンパニのありえないキックミスからのオウンゴールは、魔が差したとしかいえませんが、最初の失点でフラムに勢いをつけてしまったことと無縁ではないように思います。残り20分で、圧倒的に押していたマンチェスター・シティはついに追いつかれ、今まで何度も苦い思いをしてきた「圧倒的にゲームを支配しながら負けたアウェイ戦」の残像が頭をよぎります。

しかし、マンチェスター・シティにとってラッキーだったのは、相手が守れないにも程があるフラムだったこと。78分には、ダヴィド・シルヴァのスルーパスから途中出場のヘスス・ナバスが抜け出し、右からGKの足元を抜く勝ち越しゴール。このシーンは、スルーパスを通されたDFのポジション取りも問題ですが、シュートに触ることすらできなかったGKステケレンブルクも今ひとつです。これで再度テンションが落ちたフラムは、83分、右サイドにいたネグレドから見事な左足アウトのグラウンダーを逆サイドまで通され、これまた途中出場のミルナーにプッシュされて2-4。最後の2点は、ミスだらけのマンチェスター・シティのスキをつけず、逆に自らルームキーを渡してしまって部屋をいいように荒らされたフラムの自滅でしょう。この日のマンチェスター・シティのDF陣なら、ベルバトフがいれば、「もしかして」という展開があったかもしれません。ドリブルで相手を振り回せるカカニクリッチは、なぜ使われなかったのでしょうか。

とはいえ、プレミアリーグ最多得点クラブの「相手のミスにつけ入る攻撃と決定力の高さ」は、さすがではあります。ペジェグリーニ監督の選手交代がピタリとはまったマンチェスター・シティが、何とか乱戦をモノにしました。

…こんな試合を見せられたら、来週のプレミアリーグ上位対決、マンチェスター・シティVSリヴァプールはリヴァプールが圧勝すると思ってしまいますが、「ホームで上位クラブ相手」だと別のチームのようにクオリティが上がるのが、マン・シティの底力です。いや、それでも、クリシーやデミチェリスには、コウチーニョとヘンダーソンは止められないでしょう。注目の一戦は「リヴァプールの破壊力が勝つ」と予想します。今から、木曜日の夜が楽しみです!

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“【Fulham×MAN.CITY】互いに守備力不足で大乱戦!攻め倒したマンチェスター・シテイがほっと一息” への2件のフィードバック

  1. チェルシー より:

    更新お疲れさまです

    クリシーの守備の軽さは相変わらず酷いですね(笑)

    ヤヤももういい年齢なのに慢心でプレーがおろそかになる場面をまだよく見ますし、シティはそういうとこさえなくせば首位にいてもおかしくないチームなんですけどね(^^;

    僕はシティ×リヴァプールは打ち合いになってシティが勝利するんじゃないかと予想してます

    なによりも明日早朝はビッグロンドンダービーですね(^^)

  2. makoto より:

    チェルシーさん>
    ペジェグリーニ監督は、怒らない人なんですかね。彼らがアウェイでよく負けるのは、メンタルの問題のような気がしてなりません。今のマン・シティなら、アウェイとはいえリヴァプールが勝ってもおかしくないと思います。

    いよいよプレミアリーグ首位対決です。負けられないのは、ホームでもあり最近調子が落ちているアーセナルのほうでしょう。楽しみですね。

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