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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Arsenal×Cardiff】残り10分、0-0から攻めて攻めて攻めて…勝ちきれるのが、今季のアーセナル!

一難去ってまた一難、といいますか、なかなかうまくいかないものです。ポドルスキと宮市亮が復帰し、チェンバレンにメドが立ったと思いきや、エジルが肩、ラムジーが太もも、ジルーが足首。シュートを枠に入れるのがうまい順番にいなくなれば、80分を過ぎてシュート22本、枠内わずか3本、ホームで0-0などということが起こっても何の不思議もありません。また、この3人は中央の狭いスペースを使うのがうまいプレイヤーでもあり、誰かひとりでもいれば、マンチェスター・ユナイテッドもびっくりのサイド偏重にはならなかったのではないかと思います。プレミアリーグ後半戦、アーセナル楽勝のはずだったカーディフとのゲームは、ラスト5分まで0-0というきわどいゲームとなりました。

カーディフは昨年末の12月26日、ボクシングデイにホームでのサウサンプトン戦を0-3で落としたのを受け、マーキィ・マッケイ監督を解任。プレミアリーグ15位と降格ゾーンすれすれではあったものの、マンチェスター・シティに勝ち、マンチェスター・ユナイテッドと引き分けに持ち込むなど、上位勢に善戦しており決して悪くありませんでした。問題は、タン会長とマッケイ監督の確執です。チームカラーを青から赤に変え、ブルーバーズの愛称で親しまれていたクラブをレッドドラゴンにしてしまい、サポーターから憎まれているやっかいな会長にうとまれ、補強したいと発言したことがトリガーとなってあっさりクビ。ホームで勝てず、ゴタゴタが収まらないチームに、首位を走るガナーズが苦戦するはずはないと確信していたのですが…。

前半から、アーセナル苦戦の兆候はありました。この日のラインナップは、トップにポドルスキ、ウォルコットとカソルラ、ウィルシャーが並び、フラミニとアルテタがその後ろを固めます。DFラインでは左SBギブスも欠場で、モンレアルがスタメン。問題は3点で「中央でシンプルなプレイをする選手がいない」「ミドルシュートが少ないので、カーディフDFが前に出てこない」「シュートが不正確」。サニャの好調なクロスが入っても、いつもいるはずのジルーはそこにおらず、ポドルスキはゴール前深くまで入ってきません。

時折、ウィルシャーとカソルラは中を使いますが、彼らはドリブルで入ってくるのでDFを集めてしまい、渋滞のなかで攻撃が行き詰ってしまいます。前半のチャンスは、13分に左からのクロスをスライディングしたウォルコットの一発と、グラウンダーをペナルティエリア外で受けたカソルラ、ウィルシャーの力んだ左足のみ。カーディフにはカウンターからのジョードン・マッチの突破しか術はなく、先制される危険もない代わりに、シュートが入る可能性もありません。

後半になると、左サイドをウィルシャーが突破して、ゴール前にきわどいセンタリングが入るシーンが増えましたが、中の選手が薄くシュートは打てず。大きなピンチはなかったものの、52分にモンレアルが自らのクリアを腕に当てたシーンは、ファールを取られずラッキーでした。この展開で先制されれば、アーセナルは勝ち点3を獲れなかったかもしれません。63分には左の角度のないところからウィルシャーが放ったシュートがポスト。66分、68分にはメルテザッカーが2度にわたってフリーで決定的なヘディングシュートを打ちますが、いずれもボールはゴール左に切れていきます。特段難しくないシュートを外すごとに、アーセナルの焦りが募ります。これを勝てなければ、間違いなくプレミアリーグ首位の座を明け渡すことになります。

残り20分で0-0という展開にしびれを切らしたヴェンゲル監督は、ポドルスキとフラミニを諦め、ベントナー、ロシツキを投入。前に重心をかけ、先制点を狙いますが、相変わらずシュートは枠にいきません。ベントナーの出来は最悪で、中にいてほしいときにサイドにいるわ、縦が空いているのに突破する姿勢をみせずにグズグズ足元でボールをこねるわで、まったく機能していません。正直、このときは「ヴェンゲル監督の必死の采配も空振りに終わったか…」と、ドロー決着を予想していました。人一倍勝利に貪欲なロシツキかアルテタあたりが、狂気のミドルでも決めない限りは何も起こらないだろう、と。

しかし88分、SBのふたりが重かった扉をついにこじ開けました。波状攻撃から左に出たボールをモンレアルが逆サイドにクロス。これに反応したサニャがニアサイドに強烈なヘッド!GKがマーシャルが何とかこれを弾くと、そこに飛び込んできたのは…あれ?ベントナー!

よく「足が折れてでも勝ちたい」などといったりしますが、ベントナーはこのゴールを決めると同時に、足をひねったのか、ヴェルマーレンとチェンジ。いや、いい仕事をしました。結果的に、ヴェンゲル采配大成功です!これで憑き物が落ちたかのようにアーセナルは自由になり、92分にはロシツキが中にいたウィルシャーに高速パスを通し、ウィルシャーの短いスルーパスに抜けたウォルコットがループを決め、2-0。昨季までのアーセナルならドローで終わってた展開のゲームをきっちり勝ち切り、何とかプレミアリーグ首位を守りました。

それにしても、今季のガナーズは勝負強いですね。サニャ、コシールニー、メルテザッカー、ウォルコットは自信にあふれていて、昨季よりもミスが減り、プレイの精度が上がっています。3月のプレミアリーグ上位との連戦までに、どれだけ勝ち点を積めるかが勝負ですね。エジルに大事がなければいいのですが…。

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