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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Fulham×Liverpool】お騒がせリヴァプール!得点も失点も自作自演で、大盛り上がりの決勝PK!

オウンゴール、クリアミス、芸術的スルーパス、絶品ミドル、劇的な決勝PK。ゴールシーンを演出したのは、すべてアウェイのリヴァプール。フラムは何もせずに2点をもらい、何もしなかったから3点を奪われ敗れました。先週のプレミアリーグでアーセナルを完膚なきまでに叩きのめした今季最強の集団と、同じメンツとは思えないドタバタぶりでしたが、ここは勝ち点3が重要です。リヴァプールは、これで首位と勝ち点4差。チャンピオンズリーグ出場権獲得のプレミアリーグ4位どころか、頂上の景色まで明確にみえてきました。

試合開始からフラムが積極的だったのは確かですが、それにしても8分の先制点は衝撃でした。左サイドを突破したリチャードソンのクロスは、誰に打たせるという意図がない平凡なボール。CBコロ・トゥレが大きくクリアして終わり…と思いきや、直前でイレギュラーして跳ねたボールに足を振り抜くと、これが斜め後ろに飛び、GKミニョレの左手を超える信じられないオウンゴール!最近ミス続きで「やっちまった顔」が板につき始めたコロ・トゥレの目が泳ぎます。

先制したフラムは及び腰になり、この後はリヴァプールがゲームを支配。まさかここから80分、得意のベタ引きか…と思わずドン引きしかけましたが、さすがにそれはもたないということはわかっているようで、味方ボールになるとラインを上げにかかります。しかし、彼らはやってはいけないことをやってしまいました。リヴァプール相手にGKとDFラインの間に広大なスペースを空けたまま、中盤でボールを奪われてはいけません。

41分、パスカットからのルーズボールを、超一級品のスルーパス一発で絶好機に変えたのは、もちろんこの人、スティーブン・ジェラード。アウトにかけたピンポイントのロングパスは、プレミアリーグ広しといえども、ジェラードにしかできない名人芸でしょう。これで一瞬にして3人のDFが無力化。悠々ゴール前まで持ち込んだスタリッジが、シュートを外すわけがありません。ペナルティエリア内に右から侵入し、左足インサイドで丁寧に打ったシュートは左ポストを叩き、ゴールイン。スタリッジは得意のクネクネパフォーマンスでサポーターに同点をアピールします。前半は1-1。いい時間に追いついたリヴァプールが、プレミアリーグ最弱のDFラインを相手に勝ち点を失うとは思えません。

ところが後半に入った62分、今度はコロ・トゥレの相方、CBシュクルテルがやってしまいます。右サイドからファーに伸びるクロスに足を伸ばしたまではいいのですが、ただつま先に引っかけただけの狙いなきキックは、ゴール前3メートルに走り込んだどフリーのリチャードソンの真ん前に落ちるプレゼントになります。これをGKミニョレがセーブできるはずもなく、フラムが再度勝ち越し。残り時間は30分を切っています。

しかし、ここからが今季のリヴァプールの強いところ。何としても勝ち点3がほしいアウェイチームは、スアレス、コウチーニョを中心に反撃。失点から10分でゲームを振り出しに戻しました。フラナガン、スタリッジとつないだボールを受けて右サイドから中央に持ち出し、左足ミドルを決めたのはコウチーニョです。やっと彼らしいゴールが出ましたね。これで2-2、残り時間は18分です。

こうなると、やはり出ちゃいますね、伝家の宝刀、得意のベタ引き。フラムはハイティンハ、バーンを中心に、ゴール前に立てこもります。この日のリヴァプールがよかったのは、点がほしいときに縦を急いで不正確なパスを出しまくる悪いクセが出なかったこと。シュクルテルまで敵陣に乗り込み粘り強くパスをまわし、スターリングに変わって入った初登場ティシェイラらが時折、ミドルシュートで威嚇します。

この努力が実ったのが90分でした。シュクルテルを起点にパスがつながり、ペナルティエリア左に侵入したスタリッジにボールが渡ると、サシャ・リーターがスライディングタックル。彼のプレイは、試合終了直前にこの位置で許されるプレイではありませんでした。足を引っかけられたスタリッジは倒れ、レフェリーは迷わずPKスポットを指差します。もちろん、キッカーはジェラード。いつもどおり、背番号8がこれを左に強く蹴り込み、91分になって初めての勝ち越し。リヴァプール自作自演のシーソーゲームは、ラストシーンをベテランがきれいに締めて、ようやく幕を下ろすことと相成りました。…いや、エミレーツも大変でしたが、こっちはこっちで疲れました。

守備でミスはあったものの、攻撃面でリヴァプールのよさが十全に出た、いい試合ではあったと思います。とはいえさすがにハラハラさせられたので、最後にアッガーの復帰をみたときにはほっとしましたね。ひとつ気になるのは、最近のスアレスが周囲を使う大人のプレイに徹していることです。この試合でも、ポスト直撃のいいシュートはあったのですが、以前に比べればシュート本数も減っており、「彼がもっと前線で暴れたほうがやっかいなのに」と思ったりします。

プレミアリーグは視界よし、のリヴァプール。週末は、FAカップでアーセナルと激突しますが、エミレーツでもあのカミソリのようなラストパスの雨を降らせることができるでしょうか。この試合もまた、楽しみですね!

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“【Fulham×Liverpool】お騒がせリヴァプール!得点も失点も自作自演で、大盛り上がりの決勝PK!” への4件のフィードバック

  1. リバサポ より:

    フラムは、前半得点後、ドン引きとまでは行かないまでも、ベナルティーエリア内にどんだけ人がいるんだってくらい守ってましたよ(笑)
    リバプールは、ボトム10の相手にも前プレかけられるチームなので、結構珍しい対戦相手でした。

  2. コウチ より:

    おっしゃるとおり、縦縦にいかずよく我慢してボールを回せましたね。
    前節の勝利が精神的に良い方に作用したのか、ビックマッチ後のアウェイの苦い経験をようやく活かせたのかは不明ですが。
    まあなんにせよ、フラムが勝つためには引くよりもプレスでした。

    もちろんロジャースの考えがまずありきだとは思いますが、スタリッジはセンター寄りの選手で中盤に下りてタメをつくることができても単独の仕掛けやコンビネーションによる崩しラストパスやサイドチェンジ等々スアレスと比べてできることが限られてしまうのでバランス考えて「俺がやるしかないなあ」という感じかと、もちろん理由は一つではないでしょうしこれも推測に過ぎませんが。
    ではなぜこの推測をピックアップしたかというと、彼の犠牲心はなんだが良い予感がしない」ので苦笑 

    テキシェイラは入団したときから期待したので嬉しいです、スタリッジのPKに繋がるパスも彼からでしたね。

    —–
    絶叫ジェットコースターシーソーゲームって感じでした(笑)
    朝から散々叫ばさせてもらいましたよw
    コロ兄さんはゆっくり休んで下さい あなたを挟んでシュクとシソコがパス回ししてるのを見て辛くなりました
    スターリッジは本当にすごいですね 今年のベストCFだと思います スアレスがサポートに徹するおかげだとは思いますが彼にもっと自己中になってほしいなんて気持ちも(笑)
    こういう試合で勝てるのは上位に値するチームだと感じました 首位も狙えるぞ 頑張れレッズ!

  3. makoto より:

    リバサポさん>
    先日のマンチェスター・ユナイテッド戦に比べれば、引き方はかなりマシでした。あれはひどかった…。

  4. makoto より:

    浮気性なリバサポさん コウチさん>
    確かに、スタリッジを活かすべくスアレスがやや後ろから、という構図かもしれません。スアレスも一緒になって前に出張るより、今のほうがバランスがいい、という可能性もありませね。

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