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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Hull City×MAN.CITY】またも10人になったマンチェスター・シティ…救世主はダヴィド・シルヴァ!

プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、キャピタルワンカップ、FAカップ。つい先日まで、すべての大会で勝ち抜いていたために、プレミアリーグ首位のチェルシーより3試合消化が少ないマンチェスター・シティですが、これからはミッドウィークに未消化試合を詰め込まれることになり、タフな戦いが続きます。この日の対戦相手であるハル・シティは、アウェイでサンダーランド、カーディフに勝利しながら、ホームでセインツ、ニューカッスルに完敗。とりわけ前節のニューカッスル戦は4点を奪われての敗戦で、少なからずDFラインには不安を抱えています。

今節もアグエロが不在。1月末のトッテナムを大勝した後は、快勝といえるのはキャピタルワンカップ決勝のみ。マンチェスター・シティは、1ヵ月半にわたってプレミアリーグとチャンピオンズリーグで2点以上奪ったことがありません。この日はプレミアリーグ13位のハル・シティ相手に、ゴールラッシュの味を思い出すことができるでしょうか。試合は開始早々からハル・シティペース。1分にさっそく左サイドでFKを奪ってゴール前での競り合いに持ち込むと、6分にはイェラヴィッチが左から完全に抜け出し、GKと1対1になるチャンス。微妙なジャッジながらこれはオフサイドとなるも、マンチェスター・シティはしばらくの間、イェラヴィッチを捕まえきれません。すると9分、守備が落ち着かないアウェイチームを痛恨のトラブルが襲います。

バックパスを受けたコンパニがパスの出しどころを失い、絡んできたイェラヴィッチにボールを奪われると、コンパニはイェラヴィッチのユニフォームを後ろから引っ張り、さらに右手で押し倒すというプロフェッショナルファールを犯します。レフェリーの判定は、納得のレッドカード。マン・シティは残り80分という長い時間を、守備の要を失ったまま、10人で戦わないといけません。ペジェグリーニ監督は急遽、中盤にいたハビ・ガルシアを最終ラインに寄せますが、チャンピオンズリーグやFAカップでスピードのなさを露呈したデミチェリスとの急造コンビで、最後まで耐えきることができるのでしょうか?

このピンチを救ったのはダヴィド・シルヴァでした。13分、ヤヤ・トゥレのパスを受けて放った左足ミドルは、カーブがかかってゴール左隅ぎりぎりに飛び込むビューティフルゴール!マンチェスター・シティは、リードを得たことで落ち着きを取り戻しました。ハル・シティの攻撃は単調で、イェラヴィッチを前線に走らせるか、アーリークロスをゴール前に放り込むしかありません。ハイクロスをクリアした後、ラインを上げるマン・シティDF陣の前に、シェーン・ロングやイェラヴィッチはオフサイドを連発。42分のリヴァモアのミドルシュートまで、追いつくチャンスをほとんど創れませんでした。マンチェスター・シティも、35分に右SBサバレタがポストにぶち当てたシュート以外にスタンドを沸かせるシーンはなし。前半のシュート数はハル・シティ6本、マン・シティがわずか2本。枠内シュートはダヴィド・シルヴァの一発のみという静かな試合です。

後半に入り、49分に前半沈黙していたハル・シティFWシェーン・ロングがシュートを放ち、51分、FKからグラウンダーのクロスをイェラヴィッチがニアに入って右足で合わせますが、このシュートも惜しくもGKジョー・ハートの正面。ここから30分、ゲームは完全に膠着します。ハル・シティの攻撃は単調で、左右からハイクロスを上げるのみ。そのほとんどのシーンで、マンチェスター・シティのラインコントロールにFWが置き去りにされ、3~4人まとめてオフサイドにかかるシーンを繰り返します。

10人で戦う相手のCBがドリブルに対する対応がうまくないことを考えれば、シュート力のあるハドルストーンやリヴァモアがイェラヴィッチとシェーン・ロングという自慢の2トップに絡み、中央突破やミドルシュートで崩すなどの工夫で攻略できたのではないでしょうか。一方のマンチェスター・シティも、いいときはサイドMFやSBが中に絞り込んでゴール前に危険なグラウンダーを通してくるのですが、この日は完全にアウェイ仕様。前後左右に間延びした中盤でただボールを持って右往左往するだけで、追加点の匂いがまったくありません。70分を過ぎると、ペジェグリーニ監督はヤヤ・トゥレをレスコットに代え、0-1のままで店じまいモード。80分過ぎにナスリをヘスス・ナバスにスイッチしたのも、点を獲りにいこうというより、運動量の落ちた選手をフレッシュな選手に代えて逃げ切ろうという意図でしょう。

残り5分となり、やっとゲームが動き出します。勝ち点1を奪おうと前がかりになったホームのハル・シティに対して、カウンターで対抗するマンチェスター・シティが再三にわたって決定的なシーンを創出。85分、ジェコが裏へ飛び出しGKマクレガーと1対1になりますが、ここはマクレガーのビッグセーブで2点めはならず。1回は耐えたハル・シティでしたが、4分後のダヴィド・シルヴァの絶品スルーパスに抵抗する術はありませんでした。またもやGKの前に単身で現われたのはジェコ。ネグレドから完全にポジションを奪った感のある点取り屋を、2回もフリーにしてはいけません。ジェコは左足で落ち着いてゴールを陥れ、0-2。ハル・シティは80分間、ひとり多い状態で戦える絶好のチャンスを活かせず、出来がよくなかったプレミアリーグ優勝候補筆頭チームの前に屈しました。

マンチェスター・シティは、チャンピオンズリーグとFAカップの敗戦を引きずっているようですが、こういう苦しい試合で勝ち点3を獲れたのはよかったですね。月末のマンチェスター・ダービーとアーセナル戦の前に、来週はフラムと戦えるので、ここで大量点を奪って強豪決戦に向けて弾みをつけたいところです。しかしまあ、バルセロナ戦のデミチェリス、サバレタに続いてこの日はコンパニと、DFのレッドカードの多いこと。いい加減、この辺で締めとかないと、そのうち致命的な敗戦につながりますよ、ホントに。(トム・ハドルストーン 写真著作者/Underbelly 50)

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