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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【MAN.UTD×MAN.CITY】狙いの有無と精度の差。マンチェスター・ユナイテッド、ダービーもホームで惨敗!

「ダービーは特別」と口ではいいながらも、つい数年前までは、大して盛り上がるゲームでもなかったマンチェスターダービー。このカードを「プレミアリーグ優勝争いの引き立て役」という立場で観ることになる日がくるとは思いませんでした。最大のライバルとなったマンチェスター・シティに本拠地オールド・トラフォードで負けるわけにはいきませんが、開始直後にナスリのシュートのこぼれをあっさりジェコに決められる、最悪のスタートになってしまいました。

香川真司はベンチスタート。ルーニー、マタ、ウェルベックを中心に攻め、中盤にフェライニ、キャリック、クレヴァリーを並べるフォーメーションをとったマンチェスター・ユナイテッド。ヤヤ・トゥレとダヴィド・シルヴァを自由にさせないという意図はわかるものの、プレミアリーグで2試合連続で同じメンバーで戦ったことがないモイーズ監督は、相変わらずメンバーとフォーメーションをいじりまくりです。先制された後の8分、ラファエウが自陣でスリップして無謀なパスを真ん中に出し、カウンターを喰らってあわや追加点というシーンを創られるなど、しばらくはマンチェスター・ユナイテッドの守備が落ち着きません。

マンチェスター・シティも、間延びしたホームチームの中盤につき合うように攻撃に迫力を欠き、ダヴィド・シルヴァが所在なさげにドリブルで持つシーンが目立ちます。18分のジェコのシュートはGKデ・ヘアがセーブ。マンチェスター・ユナイテッドも24分、右から上げたキャリックのクロスの落としをフェライニがボレーで狙いますが、これはGKハートの正面。39分、ラファエウのクロスをマタが右足でシュートするも、これは枠を捉えず、前半は0-1で終了。開始当初はボールを支配していたマン・シティはサイドで優位に立つもののシュートにつながらず、マンチェスター・ユナイテッドは手数はあってもタッチライン際からの大きなクロスしか打ち手がなく、両者とも点が奪える気配がありません。

早く追いつきたいモイーズ監督は後半開始からクレヴァリーを下げ、香川真司を投入。しかし、攻勢に出たのはマン・シティ。中盤のラインを前に出し、マンチェスター・ユナイテッドに自由にビルドアップさせません。51分にはCKからコンパニがつないでフェルナンジーニョが惜しいヘッド。50分を過ぎて反撃に転じたマンチェスター・ユナイテッドは、53分にルーニーがニアにグラウンダーのクロスを通すもGKハートがキャッチ。すると直後の55分、危険だったCKからジェコが完璧な右足ボレー!一進一退の展開にケリをつける見事な一発。マンチェスター・ユナイテッドは絶望的な状況に追い込まれます。

66分、バレンシアin、フェライニout。マン・シティもヘスス・ナバスを下げてハビ・ガルシアを投入し、中盤の底にフタをします。69分、ルーニーがドリブルで攻め上がって左に展開し、ウェルベックがシュートを放つもハートが難なくキャッチ。71分には右からのクロスにニアでフリーになったウェルベックがヒールで狙うもこれもハートがブロック。ようやく創った後半初めてのチャンスを活かすことができず、残り時間が着実に減っていきます。

75分、モイーズ監督最後の一枚は、チチャリート。唯一前線で危険な存在となっていたウェルベックを外して勝負をかけますが、後半戦で一度も成功していないオプションをここで使っても、成果は見込めないでしょう。80分のルーニーのFKもハートがパンチで逃れ、84分の香川真司の右クロスも通らず。攻めあぐんだマンチェスター・ユナイテッドを待っていたのは、残酷な3点めでした。右からのパスを受けて、DFを軽く外してクロスのシュートを決めたのは、ヤヤ・トゥレ。プレミアリーグ昨季王者は、リヴァプール戦に続いて屈辱のホーム0-3。現在の3強に1勝もできないまま、プレミアリーグが始まって以来最悪のシーズンを終えることになります。

優勝に向かって一歩前進したマンチェスター・シティと、1点も奪えなかったマンチェスター・ユナイテッドの最大の差は「狙いをもってプレイしているか」だったのではないか思います。結局、中盤の中心はルーニーで、フィニッシャーもルーニー。パサーを揃えながらどこを狙うのかが不明確で、第三の動きや前線への飛び出しが少ない攻撃。CKでニアを狙われてピンチを迎えながら、直後に同じところに入れられて失点するDFライン。攻め方、守り方とも考えられているマンチェスター・シティが、いつまでも戦略をはっきりさせられず、個人の感覚を集めただけのチームに勝ったのは当然でしょう。香川真司もマタもピッチをたださまよっていただけで、後半は何もできませんでした。

正直にいえば、今回は以前の勢いがないマンチェスター・シティには、充分勝つチャンスはあると思っていたのですが…。同時刻開催のゲームで、チェルシーショックを引きずったアーセナルが、終了直前の失点という最悪の形で引き分けました。土曜日のアーセナルとのアウェイ戦にマンチェスター・シティが勝ってプレミアリーグ上位対決を2連勝とすれば、優勝の可能性は一気に上がります。アーセナルは意地を見せられるのか、それとも…?

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“【MAN.UTD×MAN.CITY】狙いの有無と精度の差。マンチェスター・ユナイテッド、ダービーもホームで惨敗!” への3件のフィードバック

  1. makoto より:

    更新お疲れさまです

    書いてある通りでどこをどう攻めたいのか狙いが分かりませんでしたね

    わざわざスタメンを弄らずに頭からクレバリーの代わりにバレンシアらサイドアタッカーを入れてマタトップ下、フェライニいつもの位置で良かったんじゃないですかね?
    それからルーニーをボランチに置くこと自体はありだと思いますが点が欲しいときに一番点取る選手をゴールから遠ざけるのはどうなんでしょう

    ユナイテッドサポーターの方は今季は辛いと思いますが今は過渡期なので我慢の時期ですね(^^;

    —–
    チェルシーさん>
    ひとりふたりはいじったとしても、
    比較的よかった前節のメンバーになぜしなかったのか、わかりません…。

  2. Uボマー より:

    香川は相変わらず周囲と連携が取れていないように見えました。マタもそうですけれど。何もさせてもらえずに幽霊みたいに彷徨っていました。
    シティもあまり良い調子じゃないように感じましたが、地力の差を見せつけられた感じでした。監督だけじゃなくて個々の選手のレベルにも差がありましたね。
    個人的には前節で動きの良かったフレッチャーをなぜ使わないんだろうなと思いました。むしろ前半フレッチャーで開始して、疲れてきたところをクレヴァリーでも良かったと思うんですがね。

  3. makoto より:

    Uボマーさん>
    おっしゃるとおりですね。必要以上にいじって、いい状態を止めてしまうのは、モイーズが今季、何度も犯してきた大きな過ちだと思います。ローテーションは、軸がしっかりしているチームがやれば、選手を休ませる効果やチーム内に競争が生まれる等のメリットがありますが、ふわっとしているチームがやると、混乱が生じてクオリティも徹底度も上がりませんよね。クレヴァリーを入れた理由がわかりません。

    マンチェスター・シティはあまりよくなかったので、あのチームに負けちゃいけませんよね…。相手がレベル高すぎ、ではなく、こちらに問題がありすぎたという認識です。

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