イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Arsenal×West Ham】ポドルスキ、得意の左で2発ゲット。アーセナルは1ヵ月ぶりの勝ち点3!

3月以降のプレミアリーグで1勝2分け3敗。直近4試合は勝利なし。昨季はこの時期に勝ち続けて4位だったトッテナムをかわしたアーセナルが、ここまでの不振に陥るなど、誰が想像したでしょうか。ケガ人続出、とりわけラムジー、エジルの離脱が痛かったのは間違いありませんが、リタイアしている選手が多かったのは、内容が悪くても勝ちきれるチームだった昨秋の強いアーセナルも一緒です。主力選手のさらなるコンディション低下、不振になったときに立て直そうとするリーダーシップの不在、優勝争いからの脱落やプレミアリーグ上位対決大敗のショックなど、さまざまな要因が重なっているのでしょう。

このコンディションのなか、「FWキャロルにひたすらロングボール」というアーセナルが苦手のパワーサッカーを仕掛けてくるウエストハムと戦うのはきついでしょう。この日のガナーズにはコシールニーが復帰。ヴェルマーレンが左SBに入り、1月に獲得したMFシェルストレームがプレミアリーグ初スタメンです。

試合が始まり、しばらくはロシツキ、カソルラを中心にゲームを優位に進めていたアーセナルでしたが、10分を過ぎるとウエストハムの左サイド、ダウニングやノーブルのアタックから、ターゲットのキャロルめがけて執拗に繰り出されるクロスに苦しむようになります。2月のプレミアリーグ4試合を全勝し、降格ゾーンから脱出。先週のリヴァプール戦でもPK以外のゴールを許さなかったウエストハムは、プレイに迷いがありません

昨季までのストークのような単純なパワーサッカーを苦手とするアーセナル。ここまで、ゴール前ではうまく守れているものの、クロスの供給源をもっと抑えにいかないと、いずれはキャロルのヘッドの餌食になるでしょう。19分、CKからヘッドで競ったキャロルがそのままルーズボールを追いかけ、左サイドから戻したグラウンダーをMFディアムがシュート。これは枠の上に外れますが、手数で勝っているのはアウェイチームのほうです。

29分、アーセナルに久しぶりのチャンス。敵陣でのインターセプトからカソルラがフリーとなり、DFの裏に走るジルーにすかさずスルーパス。2人のDFを背に、目の前にはGKアドリアンだけとなったジルーでしたが、落ち着いて強く打てば入るチャンスに、左足アウトのチップキックをセーブされます。直後にロシツキが中央から飛び出し、こちらも1対1寸前だったものの、トラップがうまくいかずDFがブロック。ようやくつかんだチャンスを活かせず、0-0は変わりません。五分五分の状況を先に打開したのは、何とウエストハムでした。38分、ゴールキックから右サイドに展開し、縦パスからフリーになったのはイタリア代表MFノチェリーノ。角度のないところからのシュートはアーセナルDF陣にブロックされますが、こぼれ球を中にプッシュすると、そこにいたのはMFジャーヴィス。ヘッドがゴールラインを破り、エミレーツでアウェイチームが先制です。

前半をこのまま終わりたかったハマーズでしたが、43分、最終ラインに痛いミスが出ます。右のコーナーフラッグ前から無造作に蹴ったクリアが、フリーのカソルラにわたってしまいました。背番号19はトラップ一発で前線に張り付いていたポドルスキへ。左からクロスに放つ強いシュートは、ドイツ代表MFの得意技です。やはりボールは右のサイドネットへ。アーセナル、1-1同点!

いい時間に追いついたものの、後半に入ってもビルドアップの段階でミスパスが多いアーセナルは、ゲームを支配できません。以前のアルテタは、ハーフライン付近で余裕を失って無理なパスを出すようなMFではありませんでしたが、今季のプレミアリーグではカウンターを喰らう元凶となるプレイが目立ちます。中盤でボールを奪ったウエストハムは、縦パス1本から再三ミドルを放ち、GKシュチェスニーを脅かします。アーセナルは、今夜も勝ち点を失うのでしょうか。

しかし、押されていたガナーズは53分、ようやくいい形を創ります。サイドチェンジからポドルスキ、ヴェルマーレンとつないで速いグラウンダーを中に入れると、DFがかろうじてクリア。最初のCKはウエストハムDFに阻まれますが、2本めのCKを後ろに戻したところから勝ち越しゴールが生まれました。最終ラインからの長いクロスはヴェルマーレン。落下点でふわっと絶妙の左足トラップ、DFをいなしてキープしたボールを右足一閃、GKの股間を抜いたのはオリヴィエ・ジルー!2-1としたアーセナルは落ち着きを取り戻し、ここにきて完全に主導権を握ります。

61分のポドルスキの見事なFKはGKアドリアンがセーブ。63分、ロシツキからのパスを右サイドで受け、カットインから狙ったカソルラの左足ミドルは惜しくも枠を捉えきれません。追加点がほしいアーセナル。獲るなら一気に、この時間帯でしょう。ここからしばらくは互角の展開が続きましたが、決着がついたのはラムジーが入った5分後の77分でした。左サイドに流れたジルーのクロスをラムジーが左に落とすと、そこにいたのはポドルスキ。またもや彼の大好きなペナルティエリア内やや左、シュートは強烈!GKアドリアンはまったく触れず、3-1となって、アーセナルの1ヵ月ぶりの勝ち点3が確実なものとなりました。

この日最大のハイライトは、前半終了直前のカソルラのパスとポドルスキの一発でしょう。劣勢の時間を最小限にとどめ、イーブンの状態で後半を迎えられたのが大きかったと思います。ガナーズが、やっとひと区切りをつけました。残り試合は、ハル・シティ、ニューカッスル、WBA、ノリッジ。そして最後にFAカップ決勝です。すべてを勝利で飾り、5月17日のウェンブリーで歓喜を爆発させることができれば…アーセナルの2013-14シーズンは、プレミアリーグ4位と久しぶりのタイトル獲得という「悪くないシーズン」で終われるはずです。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“【Arsenal×West Ham】ポドルスキ、得意の左で2発ゲット。アーセナルは1ヵ月ぶりの勝ち点3!” への8件のフィードバック

  1. グナ男 より:

    こんにちは。
    アーセナルの一点目はカゾルラからポドルスキではなかったですか?

  2. makoto より:

    グナ男さん>
    「右サイドからやや中寄りにクリア→ロシツキがトラップ、すぐにポドルスキへ→左足でクロスにシュート」という認識でしたが、私の見間違いですかね?

  3. makoto より:

    グナ男さん>
    確認しましたが、カソルラでした。ありがとうございます。訂正させていただきました。

  4. グナ男 より:

    いつもブロク楽しく読ませてもらっております。 ありがとうございます!
    これからも楽しみにしてます!よろしくお願いします(^o^)

  5. れれ より:

    僕も毎日もこのブログを毎日訪れてます。
    最初はにわかファンでしたが、ここのブログで知識を得たりして戦術面とかでもサッカーを観れるようになりました。本当にありがとうございます!!
    余計かもしれませんが、管理人さんはネビル兄とギャラガーの解説番組知ってますか?ほんとに面白いので是非見て下さい!当たり前に見てたらごめんなさい…

  6. makoto より:

    れれさん>
    こちらこそ、ありがとうございます。ネビル&キャラガーの番組は、評判がいいみたいですね。「マンデーナイト・フットボール」でしたっけ。彼らのコメントはときどき、チェックしているのですが、番組は見てませんでした。れれさんのコメントをいただいて、見てみようかなという気になりました。動画が手っ取り早そうですが、とりいそぎ、どうやって見るか確認してみます。

  7. れれ より:

    興味持ってもらえて良かったです!
    【4月16日-2本追加】サッカーがもっと面白くなる!名解説まとめ【ネビル・ギャラガー中心】

    このサイトにまとめられてありますよ。ニコニコ動画なんですけど…

  8. れれ より:

    最新テクノロジーを使って、DFとFWのオフサイドラインでの駆け引きを顔の向きを見たりして確認したり、あるゴールをキーパーからの視点で見てノーチャンスかどうか確認したりほんとに面白いです!
    日本にもこんな番組あったらJリーグももっと盛り上がると思うんですけどね…難しいかぁ

コメントを残す