【MAN.UTD×Hull City】ありがとう、ヴィダ&ギグス監督。レジェンド最後のホームゲームは3-1完勝!
プレミアリーグでは15位ながらも、FAカップファイナリストのハル・シティは、決勝の相手であるアーセナルのチャンピオンズリーグ出場権獲得が決まったため、5月17日の結果に関わらず、来季のヨーロッパリーグ出場が決まっています。欧州へのチケットを持っていないマンチェスター・ユナイテッドと、EL出場決定のハル・シティの対戦という状況自体が、今季のプレミアリーグの混乱ぶりを物語っています。
試合開始から、積極的に攻めるマンチェスター・ユナイテッド。ローレンス、ウィルソン、ヤヌザイら若い選手ともにスタメン出場した香川真司は、7分と9分に中央からミドルシュートを放つなど、今季プレミアリーグ初ゴールをゲットすべくコースをこじあけようとします。15分にはローレンスがペナルティエリア手前でパスを受け、フェイントを入れると強烈なミドル。直後のCKでフィゲロアとフィル・ジョーンズが接触し、フィル・ジョーンズは肩を痛めてリタイアです。代わって入ったヴィディッチの姿をオールド・トラフォードで観るのも、これが最後。この日のピッチには、黄金時代の終焉と新しい時代の始まりが同居しています。
この日の香川真司は、キャリックとのコンビでセンターMF。フェライニが前でプレイし、左右にヤヌザイとローレンスという布陣です。ボールポゼッションの時間は長かったものの、効果的な崩しがなかったマンチェスター・ユナイテッドの先制ゴールが決まったのは30分。ヤヌザイの仕掛けで得た右サイドのFKを、ファーサイドにいたフェライニがヘッドで落とすと、そこにいたのはジェームズ・ウィルソン。強烈な左足ボレーに、今季プレミアリーグ初出場のGKヤクポヴィッチは何もできません。1点を追う形となったハル・シティは、32分にビュットナーの不用意なバックパスを奪ってゴールに迫りますが、フィニッシュはゴール前をケアしていたヴィディッチがクリア。アウェイチームはトップのシェーン・ロングにいいボールが入らず、シュートチャンスが創れません。最後の15分は両者ともシュートがなく、中位クラブ同士の消化試合のような淡白なゲーム。マンチェスター・ユナイテッドには、わずかながらヨーロッパリーグ出場権獲得のチャンスが残っているのですが、それを感じさせるような迫力は、若手主体の急造チームからは伺えませんでした。
前半は、1-0。フェライニと左SBのビュットナーの出来が悪すぎ、マンチェスター・ユナイテッドに中盤での創造性はありません。サポーターとしては、最後のホームゲームこそ、今季のさまざまなトラブルを払拭するようなすっきりする試合が観たいのですが…。
後半開始早々、ローレンスが中央をドリブルで突進。後ろから引っ張られてFKを得ると、シュートは壁にぶつけたものの、バレンシア、ヤヌザイとつないで、最後はジェームズ・ウィルソンがループ気味の右足ボレー。50分、キャリックのパスを中央でもらったヤヌザイが強烈なミドルを放つも、GKヤグボヴィッチがセーブ。59分にはヤヌザイと香川真司のパス交換からファーサイドへのクロスをヴィディッチがヘッドで狙うなど、マンチェスター・ユナイテッドが一方的に攻め立てます。
そしてついに、ハル・シティの最終ラインが崩れたのは、61分のカウンターからでした。ヤヌザイが左サイドを突破。ラストパスにフリーで走り込んだフェライニのシュートはGKに当たりますが、フォローに入って押し込んだのはまたもジェームズ・ウィルソン!ルーニーやファン・ペルシの不在を忘れさせる若手の2発で、マンチェスター・ユナイテッドがリードを2点に広げます。しかし、ハル・シティも直後に反撃。中盤でひとりかわして右隅を狙ったフライアットのミドルは、この日初めてのまともなシュート。ところがこれがGKデ・ヘアの手の先をすり抜け、見事に決まって2-1。再び1点差となって、ピッチの脇に目を移すと、おお、ギグス監督がウォーミングアップしています!
64分にジェームズ・ウィルソンはお役御免。ファン・ペルシがピッチに入ると、その瞬間は5分後に訪れました。ローレンスout、ギグズ監督in。この日いちばんの大歓声を受け、クラブのレジェンドは、72分に香川真司とのパス交換からさっそく左足シュート。これはDFにブロックされますが、オールド・トラフォードのサポーターはハイテンションです。78分には、ハル・シティMFメイラーに中央からシュートを打たれてGKデ・ヘアがセーブするピンチがありましたが、その直後、ギグス監督が左サイドからドリブル突破。きわどいラストパスをニアにフィードするも、DFにクリアされて3点めはなりません。
残り10分を過ぎても、マンチェスター・ユナイテッドは完全に攻撃モード。守り勝つより、ダメ押しゴールで決着をつける方針のようです。必死の攻撃が実を結んだのは、87分でした。ここまで2度の右足シュートを枠内に打てなかったファン・ペルシが、監督直々のラストパスを中央で受け、1度はDFに当てながらも「4発めの右足」で左隅にゲット!ようやく、これで決まりです。終了直前のギグス監督のFKはGKに弾かれ、プレミアリーグ24年連続ゴールはならず。結局、3-1でタイムアップ。後半、いい時のサッカーを取り戻したマンチェスター・ユナイテッドは、見せるべきものをすべて披露し、ホーム最終戦をいい形で締めました。
ハードなディフェンスを求められるシーンが少なかったこともあり、香川真司のセンターMFは及第点。一方で、フェライニのトップ下は厳しかったですね。結果的には「2点に絡んだ」ことになりましたが、周りを動かすプレイはほとんどなし。彼のポジションからいいボールが出せていれば、もっと早い時間にゲームは決まっていたでしょう。
試合が終わると、ギグス監督がマイクを持ち、サポーターに向けてスピーチ。9年めとなる今季でクラブを離れるヴィディッチに謝意を述べ、不甲斐ない成績に終わった今季を謝っていました。背番号11の目には、涙。自らの去就についてのコメントはありませんでしたが、胸に去来したのはどんな思いだったのでしょうか。おそらくギグス監督は、次戦をもってスパイクを脱ぐでしょう。ネマニャ・ヴィディッチともども、ここまでクラブを支えてくれたレジェンドに、あらためて感謝したいと思います。
ヴィダ、ギグシー、素晴らしいサッカーをありがとう。
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