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【Saints×MAN.UTD】最後のテストも、虚しくドロー。香川真司は今季ノーゴールで終了!

シーズン前には登録メンバーに名前もなかったような若手を起用。新しいフォーメーションをいくつか試し、香川真司をセンターMFにコンバート。ギグス監督就任後、プレミアリーグ最後の4試合は、何が何でも勝ってヨーロッパリーグ出場権を獲りにいくというより、無冠覚悟で未来を模索しているようにみえたマンチェスター・ユナイテッド。経営陣と代理監督がそのミッションを握っているなら、モイーズ監督続投ではできないことなので、最終盤に監督交代した意図は理解できます。1年も経たないうちに監督を代えた不細工な状況を擁護しようとは思いませんが、早く来季の体制づくりに着手するために必要だったというのであれば、この夏のトランスファーマーケットでは後手を踏まずに補強を進めていただければと思います。

補強といえば、このシーズンオフのサウサンプトンは、大変な草刈り場になるでしょう。求心力が高かったニコラ・コルテーゼ会長が冬にクラブを去り、その影響でポチェッティーノ監督も退くといわれているセインツは、以前のように「チャンピオンズリーグ出場権を獲れるプレミアリーグ4位を一緒にめざそう」などといって選手を残留させることはできないはずです。既にララナはリヴァプール移籍の希望をチームに伝えたと報道されており、ルーク・ショーにはマンチェスター・ユナイテッドがオファー。チームの攻撃を支えるジェイ・ロドリゲスやリッキー・リー・ランバートが残る見通しもありません。おそらく今日が、「強いセインツ」を観られる最後の機会。試合開始から攻めているのは、予想通りホームのセインツです。

マンチェスター・ユナイテッドのフォーメーションは、4-3-3のようにヤヌザイとウェルベックが高めに張り出した形。3トップは、ウィングがサイドを完全に制圧するか、プレッシングで貢献するかどちらかがないと、MFだけではカバーしにくいサイドのスペースを使われて、クロス攻撃を許すことになります。セインツは、ララナやコーク、ルーク・ショーを中心に、執拗に両サイドをこじ開けてきます。マンチェスター・ユナイテッドの両ウインガー、ヤヌザイとウェルベックはフォローがなく孤立し、運動量が多いとはいえない香川、マタ、フレッチャーから、効果的なパスが出されるシーンはありません。

20分過ぎまで、何度となくサイドからのクロスやポストプレーからのシュートを浴びていたマンチェスター・ユナイテッドは、27分、ついにセインツに先制ゴールを許します。ロングボールの競り合いでこぼれたボールを奪われ、2対2のシーンを作られると、スティ-ブン・デービスのスルーパスでリオ・ファーディナンドが置き去りにされ、リッキー・リー・ランバートが完全にフリー。GKデ・ヘアの動きの逆をついたランバートが右足シュートを叩き込みます。

1-0となった後も、圧倒的なホームチームのペース。ゴール前にただ人数をかけるマンチェスター・ユナイテッドの守備は、プレミアリーグ降格を怖れる下位クラブのようです。それでも34分のスモーリング、36分のマタと、前線の選手がチャレンジしたこぼれ球を拾ってミドルシュートを放ちますが、右からのシュートはいずれもゴール左に外れ、追いつくことはできません。前半は1-0、シュート半数は12対3。トップのファン・ペルシは沈黙し、チャンスを創るパスも前線に飛び出す動きもなかった香川真司は、45分でキャリックに交代です。日本代表のポイントゲッターのプレミアリーグ2年めは、18試合ノーゴールという悲しい数字で幕を閉じる結果となりました。

キャリックが入った後半から、やっとマンチェスター・ユナイテッドがボールを支配し始めます。51分の右からのヤヌザイのクロスは、マタがトラップしきれずアウトしますが、53分、ついに同点。中央でつかんだFKのチャンスに、GKボルツが一歩も動けない見事なシュートを決めたのはファン・マタでした。ここまでゲームをコントロールできなかったスペイン人MFが、得意のプレースキックでチームを敗戦の危機から救いました。

前半に比べれば、格段によくなったマンチェスター・ユナイテッド。とはいえ、ヤヌザイらのドリブル突破と単調なクロス頼みの攻撃は、68分に不調のファン・ペルシをチチャリートに代えても変わりません。1-1になった後、唯一の決定機は86分。キャリックが縦に入れた絶妙のロングパスにウェルベックが反応し、DFを引きずりながらの左足シュート。これが左に外れると、その後は両者ともにチャンスを創れず、ドローのまま今季のプレミアリーグ終了の笛が鳴り響きました。

試行錯誤のモイーズ監督と、暗中模索のギグス監督。マンチェスター・ユナイテッドは、結局、今季何通りのスタメンを試したのでしょうか。最後のテストも、プレミアリーグ王者の頃のサッカーには程遠く、8位相手にドロー決着。トッテナムがアストン・ヴィラに3-0で快勝したため、来季は海を渡ることなく、イングランドのみで戦うことが決まりました。

今季はポストファギーの新しいスタイルが見出せず、主軸のケガも重なり、本当にいいところのない1年でした。来季は、何とかプレミアリーグ4位に入って早期にチャンピオンズリーグ出場権を取り戻してもらえればと思います。…ああ、1年前までは「優勝するかしないか」を語っていたのですが、もはや遠い昔のことのようです。マンチェスター・ユナイテッドサポーターのみなさん、おつかれさまでした。来季も厳しいシーズンになりそうですが、焦らず腐らず、粛々と応援しましょうね。

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“【Saints×MAN.UTD】最後のテストも、虚しくドロー。香川真司は今季ノーゴールで終了!” への2件のフィードバック

  1. ほのか より:

    タイトルの終了!はやめてくれ
    事実だが悲しくなるから・・・
    香川サポとしては今季はつらいことがありすぎた
    まさに「荒波」のシーズンだったね

    まぁ、監督もまだ決まってないのでどうなるかわかりませんが
    新?監督が戦力として考えてくれれば残って活躍できるよう頑張って欲しい
    と考えてますが・・・ どうなるか現状不透明ですよね
    ともあれ香川の来シーズンの活躍を期待したいです
    ゴール・アシストの結果を残して
    ユナイテッドを立て直すことにレギュラーとして貢献できれば重畳です

  2. makoto より:

    ほのかさん>
    ファン・ハールだと、ポジションがなさそうですね…。現有戦力を当てると、サイドにヤヌザイとウェルベック、トップにファン・ペルシ、トップ下ルーニー、2センターとなりそうです。突破力のある選手をサイドに置きたがる方なので、補強選手によっては香川真司もマタも微妙です。香川真司には、ぜひ残ってもらって、欧州を勝ってほしいのですが。

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