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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【MAN.UTD×QPR】とにかくディ・マリア!4バックに戻したマン・ユナイテッドが4-0快勝!

ディ・マリア、マルコス・ロホ、ダニー・ブリント、ラダメル・ファルカオ。移籍市場終盤、ワールドクラスを続々と獲得したファン・ハール監督のマンチェスター・ユナイテッドが、いよいよ新チームの全貌を明らかにします。2分け1敗と出遅れ、プレミアリーグ暫定16位と出遅れた彼らが本拠地オールド・トラフォードに迎えるのは、14位のQPR。プレミアリーグ残留が当面の目標であるレドナップ監督のチームも、リオ・ファーディナンド、スティ-ブン・コーカー、サンドロ、イスラと積極的な補強を敢行しており、顔ぶれを見れば要注意です。とはいえ、ホームのこの試合で勝てないようなら、プレミアリーグ4位以内は絶望的でしょう。

この試合で、まず気になるのは、マンチェスター・ユナイテッドのスタメンとフォーメーション。未だ機能していない3-4-1-2を継続するのか、新しいメンバーを得てモデルチェンジするのか。ファン・ハール監督の出した答えは4バックでした。左右にロホとラファエウ。CBはエヴァンスと若手のブラケット。セントラルをダレイ・ブリントとエレーラが締めて、ディ・マリアとマタが、前線のルーニーとファン・ペルシにチャンスを供給する4-4-2。これによって、ジョニー・エヴァンスとブラケットのCBコンビが落ち着きを取り戻しました。前半、QPRのシュートはわずか1本。敵陣のペナルティエリア手前から始まる高いプレッシングでビルドアップを自由にさせないマンチェスター・ユナイテッドは、大半の時間でボールを支配し続けました。

攻撃面で大きく変わったのは、サイド攻撃の厚みと、バイタルエリアの人数。特に左サイドは、ロホとディ・マリア、ときにはルーニーまで絡み、明らかに厚くなりました。右のラファエウも含め、SBの裏を取る動きも増え、フリーでクロスを入れる形が増えたのも大きな変化。中央にボールを入れる際に、エレーラやマタがバイタルエリアに侵入し、ラストパスの選択肢も確実に増えました。前半の20分過ぎまでは、ディ・マリアのクロスが精度を欠いたこともあって、なかなかシュートが打てなかったものの、24分にディ・マリアが右から上げたクロスが直接入るという幸運な先制点を挙げると、マンチェスター・ユナイテッドはサイドからの攻撃を中心に猛攻を仕掛けます。

攻撃にアクセントを与えるのは、やはりディ・マリア。35分のルーニーとのコンビは完璧でした。左サイドをドリブルで駆け上がったディ・マリアは、近くでフォローしていたルーニーが中へ動き出した瞬間を見逃さず、足元にパスを合わせると、ペナルティエリアの角で受けたルーニーがすかさずシュート。これはDFがカットするものの、ルーニーの前にボールはこぼれ、キャプテンは冷静に後ろから上がってきたエレーラに落とします。フリーでパスを受けたエレーラは、ゴール左隅に地を這うようなミドルを決めて2-0。ゲームは完全なるマンチェスター・ユナイテッドペースです。

43分には、マタとエレーラがテンポのいいパス回しで中央を崩し、エレーラのラストパスをもらったルーニーが、わずかに空いていたニアをピンポイントで射抜いて3-0。GKデ・ヘアがペナルティエリアの外でボールをロストし、ホイレットが無人のゴールに放ったシュートをエヴァンスが戻ってぎりぎりでクリアした31分のピンチ以外にQPRの付け入る隙はなく、ここまで勝利がなかったホームチームが前半で勝負を決めてしまいました。

後半のトピックスは、前半同様に輝き続けたディ・マリアの絶妙なパスと、ラダメル・ファルカオのプレミアリーグ初登場です。57分にゴール中央でどフリーのマタが決めた4点めは、左からシュート性のクロスを中に通したディ・マリアのお手柄。背番号7は、その後もCBの裏に走り込んだファン・ペルシにアウトサイドで見事な浮き球を通すなど、82分にヤヌザイと交代するまで持てる技を存分に披露しました。バレンシアと一緒にラダメル・ファルカオがピッチに入ったのは67分。連携がまだまだ足りず、いいパスをもらうシーンはほとんどありませんでしたが、84分にダレイ・ブリントの強烈なミドルシュートをGKグリーンが弾くと、すかさず詰めてシュートを放ったプレイは、さすがストライカー。ファルカオとファン・ペルシにゴールはなかったものの、バレンシア、ヤヌザイらがサイドの主導権を握り、最後までゴール前を脅かし続けたマンチェスター・ユナイテッドが4-0という会心のゲームでプレミアリーグ初勝利を手に入れました。

いやー、久しぶりにすっきりしました。昨季のマンチェスター・ユナイテッドは、たとえ勝っても「このスタイルの延長線上に欧州で勝てるサッカーはない」という限界感があり、なかなか素直に喜べませんでした。しかし、今日見せてもらったファン・ハールサッカーは、まだまだ粗削りではありますが、連携のクオリティさえ上がればマンチェスターダービーや来季以降の欧州で勝つことも可能でしょう。MVPを選ぶとすればディ・マリアですが、攻守のバランスを取って適切なポジション取りをしていたダレイ・ブリントも負けず劣らずよかったと思います。逆に、苦言を呈したいのは、中盤でボールを奪われたとき、マークすべき選手を追わずにフリーでシュートを打たせたエレーラですね。プレミアリーグ開幕戦で、スウォンジーのMFキ・ソンヨンに同じ形でゴールを奪われたばかりなので、チームとして失敗を繰り返すことなく、きちんと修正していただければと思います。

移籍市場最終日にDFを獲得しなかったので、4バック回帰はあるんじゃないかとみておりました。3バックとなると明らかにCBが足りませんが、今日のシステムなら人数的には充分です。しばらくは、4バックをベースに3と4を併用していくのではないかと思われますが、やはりやり慣れた4バックのほうが安心して観ていられます。

上位と対決してみないことには、このサッカーで勝ち続けられるのかどうかはわかりませんが、チャンピオンズリーグの出場権獲得に向けて視界が開けたのは確かです。ここから4戦は、骨のある相手はエヴァートンだけなので、5連勝といきたいところ。これが実現すれば、10月末に当たるプレミアリーグ優勝候補筆頭チームに対して、「待ってろ、チェルシー!」と大見得を切っても笑われないでしょう。来週対戦するレスターは、アーセナルやエヴァートンと引き分け、チェルシー相手に互角の殴り合いに持ち込んだ手強いチーム。油断はできませんが、ハイプレスと連携にさらに磨きをかけていただいて、2戦連続の圧勝を期待したいと思います。

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“【MAN.UTD×QPR】とにかくディ・マリア!4バックに戻したマン・ユナイテッドが4-0快勝!” への1件のコメント

  1. リバサポ より:

    今季、ユナイテッドが優勝できるパターンとしては下位チーム相手には豪華な攻撃陣で殴り勝ちつつ、上位相手には5バック気味に後ろを固め、ロッベンロールをディマリアにまかせ、攻守分断をもちこ

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