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【Arsenal×Tottenham】ケガ人続出のアーセナルはやむなしの勝ち点1、トッテナムは納得のドロー!

トッテナムはしてやったり、アーセナルにとっては無念の一戦となりました。プレミアリーグ第6節、ノースロンドンダービーは1-1のドロー。試合は予想通り、アーセナルがボールを支配し、トッテナムはエリクセン、ラメラ、シャドリ、アデバヨルで速攻を狙う作戦でしたが、アーセナルはウィルシャーとラムジーを並べた4-1-4-1がまたも空振り。ラムジーがケガをしたため、後半エジルを中央に移しましたが、やはりエジルとカソルラが中で絡むほうが攻撃に迫力があります。文字通りの「ケガの功名」で、1試合のなかで新システムの是非に明快な結果が出た格好となりました。

13分、アーセナル最初のチャンスは、縦に抜けたウェルベックのシュート。20分にもウェルベックが遠めから狙いますが、シュートはGKロリスの正面です。トッテナムが時折みせるカウンターは、オフサイドを取られてシュートまではいけないことが多かったのですが、副審の旗さえかいくぐれれば、先に点を獲るのはこちらかもしれません。25分、右サイドの崩しから中でボールを受けたウィルシャーが、強烈なミドルシュートを放つものの、これもまたロリスの正面。フィニッシュになかなかつなげられないガナーズを、この後ケガ人続出という悲劇が襲います。27分、アルテタがふくらはぎ。44分、ラムジーがハムストリング。アルテタの代わりにはフラミニが入り、ラムジーはカソルラとスイッチしますが、これらの交代のプラスマイナスも微妙なところでした。

トッテナムのスタメンでびっくりしたのは、キャピタルワンカップで使った若いライアン・メイソンをダービーという大舞台に抜擢したことでした。メイソンは期待に応え、カウンターのチャンスに何度もゴール前に顔を出します。28分には左を抜け出すも、クロスをマイナスに出せずにシュチェスニーがキャッチ。38分には、メイソンがエリクセンに出した縦パスから、エリクセンが抜け出しCKをゲット。トッテナムの速攻は時間を追うごとに冴えをみせ、アデバヨルやシャドリが裏をとってゴール前でフリーになりますが、シュートのタイミングと精度が足りず、あと一歩で先制できません。前半は0-0で終わりますが、4-1-4-1が不発のアーセナルと、速攻がうまくはまっているトッテナム。このまま改善がなければ、ガナーズの勝ち点3は厳しそうです。

しかし後半、エジルとカソルラを「やむなく」センターに据えたアーセナルは、攻撃のバリエーションが増え、明らかによくなります。50分、ウィルシャーのスルーパスからエジルが右を抜けてシュートを放ったシーンは1点モノ。ロリスのブロックで先制はなりませんでしたが、この攻撃を続けていければ勝ち点3を奪えるのではないかという期待が高まりました。それだけに、55分のフラミニのエラーが悔やまれます。球離れが遅いフラミニが自陣でエリクセンにボールを奪われ、ラメラのラストパスが右を走るシャドリにピタリと合い、シャドリはシュチェスニーの足元を抜くクロスのシュートでフィニッシュ。トッテナムにとっては、ゲームプラン通りの先制点です。ここからは、1点を追いかけるアーセナルの猛攻が実るか、ホームチームが前がかりになった裏を突くトッテナムのカウンターが決まるかの勝負です。

58分、FKからのメルテザッカーの一撃は、ロリスがゴールライン手前でセーブ。65分にエジルから途中出場のアレクシス・サンチェスにつながったボールは、アレクシスがミスして最後はギブスがCKを獲得。左サイドはエジル、アレクシス、ギブスがショートパスを交換して崩し、右はこの日非常によかったカラム・チャンバースが、クロスや思い切りのいいシュートでダニー・ローズを完全に制圧します。70分のチャンバースのロングシュートはバーすれすれで外れますが、ついに74分、ガナーズは同点に追いつきます。ラメラのクリアをアレクシス・サンチェスが拾うと、すかさずカソルラに落とし、背番号19が左足で入れたラストパスにウェルベックが空振り。しかし、ストライカーのすぐ後ろには、チェンバレンが構えていました。至近距離からのチェンバレンの豪快な右足が左のサイドネットに刺さり、1-1。こうなると、残りの時間の興味は「アーセナルは勝ち越せるのか」にシフトします。

この後もホームのガナーズが攻め続けたものの、結局2度めのゴールはならず。カードがもう1枚使えれば、後半消えがちだったウェルベックをロシツキにスイッチして、アレクシス・サンチェスを中に入れてもおもしろかったと思います。アルテタ、ラムジーに加えてウィルシャーも足をひねって退くなど、アクシデント続出だったことを考えれば、勝ち点1はやむなしでしょう。トッテナムのほうは、納得のドロー。GKロリス、カブール、フェルトンゲンは、1点を失ったもののよくがんばったと思います。

ヴェンゲル監督は、この試合を見てもラムジーとウィルシャーの4-1-4-1にこだわるのでしょうか。ラムジーのケガの具合にもよりますが、もしかするとこの試合が、エジルとカソルラ中心のサッカーへの転機となるかもしれません。エジルが前にいたため、この日のカソルラは、ペナルティエリアに出張って突破を図るシーンは少なかったものの、中盤で攻守のバランスをとり、うまく球を散らしていました。強力なセントラルMFを補強しなかった以上、これからのガナーズは、1~2点失うのは覚悟で、エジルとアレクシス・サンチェス、カソルラという欧州有数の攻撃陣で3点を奪うサッカーに徹したほうがいいのではないかと思いました。来週はいよいよチェルシー。昨季プレミアリーグに続き、またもケガ人だらけという状況を抱えたヴェンゲル監督の手綱さばきに注目です。

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“【Arsenal×Tottenham】ケガ人続出のアーセナルはやむなしの勝ち点1、トッテナムは納得のドロー!” への3件のフィードバック

  1. サッカー小僧! より:

    更新ご苦労様です。

    昨日の試合は、もはや完全に自滅、相変わらずストレスの溜まる試合となりました。
    失点がアホらしすぎたこともそうですが、それ以上に、またもやラムジー
    ウィルシャー中央のエジルをサイドに置く布陣に、口あんぐりです。
    案の定、うまくいかず、怪我の功名、といいますか、ラムジーがいなくなって
    中央エジル、サイドカソルラになってからの方が、よくなりました。
    システム4-1ー4ー1も変えて欲しいですが、それが無理ならせめて、エジルを
    中央で起用して欲しいですね、でも監督は良くも悪くも頑固ですから・・・。

    また、チェルシーに虐殺されてから、慌ててシステム、メンバーの変更を組む羽目に
    なるのか・・・、そうなる前に、決断を下して欲しいものです。

  2. londres nord より:

    こんにちは。
    つまらない試合で、まさかの寝落ちでした。
    今季ラムジー、ウィルシャー、エジル同時先発で勝った試合はないですね。4141のシステムも?ですが、チーム内の健全な競争がないと、選手のモチベーションが上がりませんよ。

  3. makoto より:

    システムへの不満はありますし、後半のが明らかに良かったですねー
    しかし、今回はカブールが相当良かったですね。。ほとんどのピンチに顔を出して防がれた印象です
    アーセナルはチャンバースとギブスの両サイドバックは悪くなかったです!
    ウィルシャーは要所で良いプレイもありましたが、無謀なドリブルからのロストは相変わらず。
    このトッテナムと引き分けるようでは今季も4位争いが精一杯といったところでしょうか。

    —–
    サッカー小僧!さん>
    チェルシーにやられるなら、せめてエジルやカソルラで攻撃してやられたいですよね。どう考えても、そのほうが勝つ可能性は高いと思います。

    londres nordさん>
    何で、エジル真ん中+ウェルベックという機能した布陣を変えてしまったんでしょうね。勝てるゲームだったと思います。

    リッキーさん>
    チャンバースがすごくよかったです。駆け引きのセンスを感じました。前半からエジル中央でいきたいゲームでした。

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