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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Aston Villa×MAN.CITY】まさかあそこで打つとは…ピンチを救ったヤヤ・トゥレ、衝撃のミドル!

リヴァプール、チェルシー、アーセナルとの直近3連戦を含む6試合で3勝1分け2敗という成績は、昨季プレミアリーグで降格すれすれで苦闘したアストン・ヴィラのポール・ランバート監督にしてみれば上々でしょう。対するマンチェスター・シティは、2013-14では鬼のような活躍を見せてくれたヤヤ・トゥレが振るわず、会心の勝利といえるゲームはリヴァプール戦しかありません。ホームで戦えるアストン・ヴィラにとっては、付け入るスキありとみていいでしょう。マンチェスター・シティの守備陣は、好調のデルフ、ヴァイマンに要注意です。

試合は完全なるマンチェスター・シティのペース。開始直前のトラブルでアグボンラホルを欠いたアストン・ヴィラは、ヴァイマンを抑えられると攻撃の糸口をつかめず、コラロフ、サバレタ、ミルナーが左右を制圧するアウェイチームの攻めに自陣に釘付けにされました。10分にはアグエロのシュートのリバウンドを思い切りよく叩いたコラロフのミドルが左ポストの外に当たり、28分にはコラロフのクロスをタイミングよく合わせたアグエロのヘッドが右ポストをかすめます。前半のアストン・ヴィラのチャンスは、24分のリチャードソンのミドルシュートのみ。44分、左に開いたジェコから絶好調ミルナーにパスが渡ると、左足のシュートはわずかにずれてサイドネット。45分、CKのクリアから立て直したダヴィド・シルヴァが左サイドをえぐり、中央でマークをかわしたジェコがピンポイントクロスに合わせた完璧なヘッドは、DFが足に当ててCKに逃れます。マンチェスター・シティに足りないのはシュートの精度だけでした。

前半を0-0で終えたセカンドハーフは、開始早々から攻め合いです。ミルナーのラストパスから、左を抜け出しGKと1対1になったアグエロは、ゴール右隅を狙いますがシュートはポストを直撃。ここからカウンターに持ち込んだアストン・ヴィラは、ヴァイマンがおとりとなって空いた左サイドをリチャードソンが突き抜け、スルーパスでGKハートと1対1。この試合最大のチャンスに、シュートのタイミングでバランスを崩したリチャードソンのミスキックはハートの正面。ピンチを切り抜けたマン・シティは、48分にもゴール正面からダイレクトで放ったダヴィド・シルヴァのシュートが左ポストのすぐ脇を抜けていきます。

56分、フェルナンジーニョが負傷リタイアでランパード登場。56分にはヤヤ・トゥレとランパードを上がりやすくするべく、ジェコをフェルナンドにスイッチ。ペジェグリーニ監督は、アストン・ヴィラの守備を揺さぶりにいくものの、枠に飛ぶシュートはことごとくGKグザンの正面。時計は80分をまわり、ホームチームの選手たちの頭に勝ち点1がちらつき始めます。61分に、アキレス腱断裂の重傷からカムバックしたベンテケが入ったアストン・ヴィラですが、何としてもカウンターでゴールを奪おうという強い意志は感じられません。

82分、左サイドからの短いパスを受けたのはヤヤ・トゥレ。最近、調子の悪さがプレミアリーグ担当記者のなかで話題となっていた42番は、この試合でも出来は今ひとつ。彼が左からドリブルを始めたときには、シュートを打つ気配もなく、MFデルフは強いチャージを仕掛けません。ヤヤ・トゥレは左からまっすぐペナルティエリア手前まで侵入すると、誰も予想していなかった左足インサイドのコントロールショット。そこにコースがあったのか!という絶妙な一撃は、グザンのダイビングも及ばず、左ポストの内側からゴールに吸い込まれます。マンチェスター・シティ、ついに先制!

プレッシャーから解放された昨季プレミアリーグ王者は、87分、右でボールをキープしたミルナーが中央で一瞬空いたアグエロにラストパス。アグエロは右に持ち込み、センデロスのチェックをかわして、ニアサイドにまっすぐダメ押しゴールを叩き込みます。0-2、勝負あり。「デルフやセンデロスのマークが緩かった」「GKグザンがニアを空けすぎた」などと、アストン・ヴィラの足りなさを指摘することもできますが、この日の2発はヤヤ・トゥレとアグエロの判断と正確なキックをリスペクトするべきでしょう。マンチェスター・シティは、苦しみながらも、リヴァプールから勝ち点3を挙げたやっかいなチームとのアウェイゲームをものにしました。

しかし、ミルナー、凄いですね。豊富な運動量、ナスリにはない縦への鋭さ、アグエロやジェコが空いた瞬間にすかさずパスを当てる球離れのよさ、守備への貢献。この調子が続けば、復帰したナスリは、ヘスス・ナバスと残りひとつのレギュラーポジションを争うことになるでしょう。左のコラロフ、アグエロとともに、最後まで粘り強くゴールを狙い続けたミルナーの執念が、2点を奪っての勝利という形に結実したのだと思います。ヤヤ・トゥレも結果を出し、相変わらず守備は鉄壁。マンチェスター・シティが波に乗る予感。本日のゲームでアーセナルがチェルシーに敗れ、セインツがトッテナムにやられると、プレミアリーグの舞台は一気に2強のマッチレース模様へと装いを変えてしまいます。ヴェンゲル監督、今日はぜひ、チェルシーを止めてください。せめて年が明けるまでは、どこが優勝するかわからない混戦プレミアリーグを楽しみたいので…。

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