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【Saints×MAN.UTD】結局デ・ヘアとファン・ペルシ!マン・ユナイテッド、幸運の5連勝

やはり強豪クラブの壁は厚いのか。マンチェスター・シティに完敗し、アーセナルには終了直前に決勝点を奪われたサウサンプトン。一時は「プレミアリーグ2位独走」モードでしたが、ここ3試合で勝ち点1という足踏みでマンチェスター・シティにかわされ、今日のゲームで負ければマンチェスター・ユナイテッドとウェストハムにまで抜かれます。本拠地セント・メアリーズで行われるマンチェスター・ユナイテッドとの直接対決。シュナイデルランとアルデルヴァイレルトを欠いたクーマン監督は、代役として吉田麻也とスティーブン・デイビスを指名しました。スタメンは、現在4連勝中でルーニーが戻ってきたアウェイチームが優勢にみえますが、セインツはチャンピオンズリーグ出場圏内に踏みとどまることができるのでしょうか。

ディ・マリア、フィル・ジョーンズ、ラファエウ、ルーク・ショーらが不在で、ファルカオはベンチ。ジョニー・エヴァンスが復帰したにも関わらず、DF陣の層の薄さを気にしたのか戦術なのか、ファン・ハール監督は3バックで試合に臨みます。セインツのきびきびした動きが目立つ立ち上がりでしたが、12分にマンチェスター・ユナイテッドがあっさり先制。クラインをかわしたルーニーのドリブルはフォンテがフォローしてGKに戻そうとしますが、弱いバックパスを狙っていたのはファン・ペルシ。左サイドでレフティにフリーで持たれては、GKフォースターにできることはありません。足元を抜くテクニカルなシュートに、吉田麻也も追いつけず0-1。痛恨のビハインドを背負ったセインツは、左サイドのマネを中心に逆襲に転じます。

18分、マンチェスター・ユナイテッドに怖れていたことが起こりました。スモーリング、足を痛めてリタイア。ファン・ハール監督の3バックがこれを懸念した作戦だとしたら、残念ながら采配は的中です。プレミアリーグ開幕当初、3バックでは不安なプレイが多かったジョニー・エヴァンスは、セインツの猛攻を食い止めることができるでしょうか。フェライニ、キャリックのセントラルMFがビルドアップすら満足にできないマンチェスター・ユナイテッドは、24分にマクネアが自陣でボールを奪われ、マネのドリブルで中央を簡単に攻略されます。周囲にいる選手を使われれば同点というピンチは、持ち過ぎたマネを3人がかりでつぶしてセーフ。攻めるセインツ、フラフラのマン・ユナイテッドという構図は変わりません。

30分、今度はフェライニが自陣でパスミス。タディッチのドリブル、シェーン・ロングのクロスと、いいようにつながれたマンチェスター・ユナイテッドは、タディッチのシュートのこぼれ球をグラツィアーノ・ペッレに豪快に決められ、リードは20分しか持ちませんでした。同点となっても、セインツの勢いは止まりません。34分にシェーン・ロングがフリーのシュートを打ち上げてくれたのはラッキーでした。38分、我慢の限界か、ファン・ハール監督2枚めのカード。ミス連発のマクネアをエレーラ。キャリックがCBの真ん中です。これで穴だらけの最終ラインは落ち着くのか。中盤のイージーなミスを何とかしないと、フェライニやファン・ペルシにロングボールを蹴り込むだけの、悪いときのウェストハムのようなサッカーは変わらないでしょう。

イーブンで始まった後半、いきなり吉田麻也がゴール右でDFをかわすビッグチャンス。シュートが一瞬遅れて勝ち越しゴールとはならなかったものの、前半同様のセインツペースです。51分、キャリックの楔のパスをインターセプトしたセインツは、タディッチのクロスに右でフリーになったシェーン・ロングがドンピシャのヘッド!毎回恒例のデ・ヘアのセーブで難を逃れたマン・ユナイテッドは、マタが消え、引きすぎた中盤から長いボールを前線にぶつけるしかない状態では、あと2~3発はデ・ヘアのお世話にならないといけません。58分のボールロストはロホ。決まったかにみえたペッレの左足シュートが浮くと、クーマン監督は天を仰ぎます。

60分過ぎからようやく丁寧にボールをつなげるようになったマンチェスター・ユナイテッドは、70分、いかにも彼ららしい勝ち越しゴールを奪います。左サイドからのFKはルーニー、ファーサイドにピタリと落ちたボールを、ジャンプ一番、左足の軽いタッチでゴールに落としたのはファン・ペルシ!セインツは、やられるならこれしかないというセットプレーを防ぐことができませんでした。

再びビハインドを背負ったホームチームの反撃は76分。左からのペッレの強烈なシュートは、デ・ヘア2度めのビッグセーブで外にはじき出されます。CKからのボールをもらった84分のクラインのシュートは、わずかにゴールの右。マンチェスター・ユナイテッドは、ボールを奪ってもルーニーしかカウンターにいかない、のらりくらり状態です。追加タイムは4分。いちばん危険だったタディッチを代えてしまったセインツには、放り込みとラフプレーしかありませんでした。

セインツの15本に対して、シュートはわずか3本。マンチェスター・ユナイテッドは、幸運に彩られた5連勝で、シーズン前にファン・ハール監督が公言したプレミアリーグ3位以内に初めてタッチしました。エースストライカーの決定力とワールドクラスのGKにしか観るべきものがない試合でしたが、これはもう、結果オーライ。ファン・ハール監督のエレーラ投入という「止血処理」は、早い判断だったことも含めて、よかったのではないかと思います。また負けた、セインツ。昨季のプレミアリーグ上位クラブにすべて敗れている彼らの「上位」の定義には、どうやら7位も入っていたようです。

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“【Saints×MAN.UTD】結局デ・ヘアとファン・ペルシ!マン・ユナイテッド、幸運の5連勝” への4件のフィードバック

  1. a より:

    更新お疲れさまです。
    ペルシの決定力が戻ってきてますね。
    やはり、ハル戦での豪快なミドルで自信を取り戻したのでしょうか。
    「ファルカオ? おいおい、俺で十分だろ」っていうくらいのゴールラッシュを期待したいですね。

  2. makoto より:

    aさん>
    彼とデ・ヘアだけは素晴らしかったです。2本ともよく決めてくれました。

  3. Uボマー より:

    セインツは選手層の薄さがここにきて露呈したという感じです。ファンハールが「ユナイテッドとサウサンプトンは違う」、みたいなことを話してましたがその通りになりました。空気を読まずに本当のことを言うから嫌われているんでしょうけれども、言っていることは間違ってないんですよね。

    上位進出はまさしく選手のおかげ。でもその選手を起用できているか、というのが監督の重要な仕事の一つである以上、これまでの結果は評価に値すると思います。問題はこの綱渡り状態をどこまで続けていけるのかということですが…。

  4. Joe より:

    幸運で5連勝はできないと思います。シーズン序盤のDFラインのバタバタが影響なのか、デ・ヘアは完全に覚醒しましたね。

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