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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ベテランがチームを救ったチェルシー、若さが災いしたトッテナム~プレミアリーグ21節ハイライト

前週プレミアリーグ首位に並んだマンチェスター・シティはエヴァートンに追いつかれ、勝ち点3を奪えず。マンチェスター・ユナイテッドはサウサンプトンの堅陣を崩せず、ペッレとタディッチにワンチャンスを活かされ11試合ぶりの敗戦。圧倒的に優勢だったリヴァプールは、サンダーランドから追加点が奪えず0-1の辛勝。上位クラブで完勝したのはストークを3-0で下したアーセナルのみという小波乱のプレミアリーグ21節は、チェルシーとトッテナムもまた、厳しいゲームを強いられました。

12月6日のセント・ジェームズ・パークで、プレミアリーグ首位を快走していたチェルシーの無敗をストップしたニューカッスルは、パーデュー監督が去った混乱はどこへやら、またしても優勝にいちばん近い強豪を苦しめました。集中力が高く、カベラやシソコが縦に鋭い突破を見せていたニューカッスルに、スタンフォード・ブリッジで押されたチェルシー。疲れているチームにありがちなのは、普段なら手数をかけたり我慢したりするプレイが淡白になることです。前半のチェルシーは、昨年強かったチェルシーとは明らかに別の集団でした。

マティッチやテリーが不用意に一発で当たりにいってしまい、あれだけ何度も簡単にかわされるゲームは見たことがありません。19分、カベラがマティッチをかわし、ズマもタックルできずにシュートを許したシーンは、テリーが触ってグフランのフォローを防ぎ何とかCK。32分には、自陣で奪われたボールからカベラにドリブルを許すと、テリーはあっさり抜かれてしまい、左足シュートはチェフがぎりぎりでセーブ。35分にも右サイドをドリブルで上がったシソコにテリーが軽いプレイを見せ、縦に抜けた背番号7がニアを襲うシュートを放つもサイドネット。チェルシー最大のチャンスは、21分のカウンターでしたが、アザールの左右をジエゴ・コスタとウィリアンが走った3対1は、パスを受けたジエゴ・コスタがシュートを選ばず中に折り返し、DFにクリアされます。ニューカッスルに足りなかったのは落ち着いたフィニッシュだけ。チェルシーは、このままいけば、セインツに一発で敗れたマンチェスター・ユナイテッドと同じようにホームで負けてもおかしくありませんでした。

このピンチを救ったのは、イヴァノヴィッチでした。43分、CKを得たチェルシー。蹴りにいったウィリアンにクイックで出せと叫び、ニューカッスル守備陣が戻り切らないリスタートから右サイドをえぐったベテランSBは、ファーサイドでフリーになっていたオスカルに優しいグラウンダー。強く蹴り込めばいいだけだったオスカルの右足で、最高の時間帯にチェルシーはリードを奪います。1-0となったものの、ハーフタイムのモウリーニョ監督は、出来が悪かったフィールドプレイヤーたちに檄を飛ばしたに違いありません。後半が始まると、いつものチェルシー。59分、アザールが縦にふわりとしたボールを送ると、オスカルがヒールで後ろに落とし、そこに入ってきたのはプレミアリーグ得点王です。ニューカッスルのマークが後手にまわれば、駆け引きに長けたジエゴ・コスタのシュートは外れません。2-0となり、アウェイチームは完全に息切れ。どう転ぶかわからなかったゲームを、チェルシーは勝負強さでものにしました。

一方、リードを守れなかったのは、同じく危なっかしいゲームで先制したトッテナムです。ニューカッスルから移ってきたパーデュー監督のクリスタル・パレス相手に、押し気味にゲームを進めていたトッテナムでしたが、カイル・ウォーカーのグラウンダーを合わせたエリクセンのボレーがポスト右に外れたのを合図に、前半のラスト10分はクリスタル・パレスの猛攻を浴びます。マレーとの1対1をGKロリスが足でブロックするビッグセーブがなければ、最初の45分はホームチームリードで終わっていたでしょう。

0-0のまま折り返したトッテナムは、後半開始直後に先制します。シャドリのパスをオフサイドぎりぎりでもらったハリー・ケインが、右に軽く1本持ってクロスに突き刺す豪快なシュート!絶好調の21歳の今季プレミアリーグ8ゴールめが決まったときは、アウェイチームがこのまま勝ち点3を奪うものとばかり思っていました。

しかしトッテナムは、若さゆえにクリスタル・パレスに同点を許します。69分にレドリーを倒してPKを取られたスタンブリの後ろからのスライディングは、周囲に味方のDFが複数いた状況を考えれば不必要なプレイでした。1-1となり、次の1点を狙ってソルダードを投入したポチェッティーノ監督と、ザハに託したパーデュー監督。この勝負は、クリスタル・パレスの新監督の勝利です。80分、左サイドで2人をかわして中に侵入したザハのクロスは、DFに当たって中央にいたパンチュンの足元へ。元セインツのアタッカーは、これを冷静に右隅に蹴り込み、ロリスもお手上げ。前週チェルシーから5点を奪って上り調子だったチームは、プレミアリーグ降格候補に足をとられ、ライバルのアーセナルにかわされて6位に逆戻り。トッテナムは、どうも最終ラインが落ち着きません。

3位のセインツから8位のリヴァプールまで勝ち点差7。18位のハル・シティから10位のニューカッスルまで勝ち点差8。プレミアリーグ3位~4位を巡る争いも残留レースも、多くのチームがひしめきあっています。厳しいゲームを勝利に持っていったチェルシーと、リードしていたゲームをひっくり返されたトッテナム。最終的な着地を左右するのは、イーブンの試合展開を手繰り寄せられるかどうかだと思います。相手の隙を見逃さないベテランと、試合のなかで悪しきところをきっちり修正できる百戦錬磨の指揮官がいるのがチェルシーの強さだと、あらためて思いました。

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“ベテランがチームを救ったチェルシー、若さが災いしたトッテナム~プレミアリーグ21節ハイライト” への2件のフィードバック

  1. モウ より:

    カベラのドリブルはキレてましたね〜
    チェルシーは翻弄されまくりでした(^^;;
    あのドリブルを毎試合のように出来れば、ビッグチームに引き抜かれそうな気がします。

    コスタはさすがでしたけど、2つの決定機のうち、もう1つ決めれたらな〜なんて贅沢ですかね?笑
    今回の試合はマティッチやテリーの軽い守備が目立ってしまいましたね。
    ズマやチェフはよかったです。
    ケーヒルは最近の不調だからかと思いましたが、クルトワは怪我でベンチだったのでしょうか?
    あとアスピの怪我が心配です(>_<)

  2. makoto より:

    モウさん>
    クルトワ、どうしたんでしょうね。アスピリクエタは心配ですね。これからは国内カップ、CLでローテせざるをえなくなってくるので、モウリーニョ監督の腕の見せどころですね。

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