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【QPR×MAN.UTD】ファン・ハール監督の采配が大当たり!やっときた、ジェームズ・ウィルソン!

プレミアリーグで過去、11勝2分け。直近5試合はすべて2点差以上の5連勝と、マンチェスター・ユナイテッドにとってQPRはお得意様です。トッテナム、ストーク、セインツと続いたプレミアリーグで、3戦1ゴールと攻撃が不振のファン・ハール軍団ですが、今日は爆発を期待していいのではないでしょうか。ディ・マリア、ブリント、ロホ、バレンシアがスタメンに揃い、トップにファルカオが復帰。キャリックとルーニーが前後でコンダクターとなるフォーメーションに、ゴールラッシュへの期待が高まります。しかし…。

試合開始から、自陣でのボールロストが多いマンチェスター・ユナイテッド。フィル・ジョーンズやマタがイージーなパスミスを繰り返し、QPRに余計なチャンスを献上します。攻撃は選手間の距離が遠く、ディ・マリアやキャリックがパスの出しどころを失い、やむなくミドルシュートといった単発の攻撃に終わりがち。よかったのは、ファルカオのポジション取りぐらいでした。12分、マタからのプラスのクロスにオフサイドラインぎりぎりから抜け出し、左足シュートをGKグリーンにぶつけたシーンは惜しかった!プレミアリーグで思うようにゴールが決められず、余裕がないファルカオは、この後も「動きはいいのにフィニッシュで失敗」というシーンが目立ちました。

19分、マン・ユナイテッドにまたもやミス。3バックの左に入ったロホがザモラにボールを奪われ、走り込んできた12月のプレミアリーグMVP、チャーリー・オースティンに鋭いシュートを許しますが、これはGKデ・ヘアが横っ飛びでセーブ。30分にも、縦パスをワントラップした後、思い切りよく右足を振り抜いたオースティンのミドルに、デ・ヘアが左に飛んで弾くシーンがありました。ようやくパスがつながりだしたところで前半を終えたマンチェスター・ユナイテッドは、シュート4本。セインツ戦同様に攻めあぐむ攻撃陣を、ファン・ハール監督は放置しませんでした。後半頭から、マタに代えてフェライニ。一時は戦力外の烙印を押されていたベルギー代表MFは、入って間もなく期待に応えて大きな仕事をやってのけます。

55分、フェライニのパスを受けたディ・マリアの右からのクロスに、ファーサイドでフリーになったファルカオがヘッドで合わせますが、決定的な一撃はGKグリーンがセーブ。その直後でした。58分、ルーニーのスルーパスに右サイドを抜けたバレンシアがダイレクトで中央に折り返すと、ワントラップしたフェライニが強烈なシュートをゴール左に突き刺します。ファン・ハール采配が的中したマンチェスター・ユナイテッド、ようやく0-1。ゴールの直前にジョニー・エヴァンスを下げてジェームズ・ウィルソンを投入したファン・ハール監督の狙いは、運動量のあるディ・マリアを中盤で機能させてキャリックが後ろをケア、前線の2人のスピードを活かしての速攻でしょう。

73分、QPRに決定機。中盤で2人の選手が交錯した隙をついて、自陣からバルガスがドリブルで持ち込んだシーンは、ラストパスが合わずにシュートに持ち込めません。残り15分からジェームズ・ウィルソンとファルカオが再三仕掛けたカウンターは、ファン・ハール監督の狙い通り。76分にジェームズ・ウィルソンが右から出した決定的なグラウンダーは、ファルカオの手前でCBコーカーが触ってコースが変わり、ボールは背番号9の股間を抜けます。直後に同じ形で19歳が浮かせたクロスは、ダイビングしたファルカオの頭の先を抜け、やはりチャンスを活かせません。90分、QPR最後のチャンス。ジョーイ・バートンのクロスのこぼれ球にチャーリー・オースティンが抜け出したシュートは、デ・ヘアが足でブロック。ホームチームは絶好機をまたもGKに阻まれ、同点に追いつくことができませんでした。

わずかなタイミングのズレでゴールが奪えなかったマンチェスター・ユナイテッドが、ついに2点めを奪ったのは4分の追加タイムが残り30秒を切ってからでした。やっときた、ジェームズ・ウィルソン!ディ・マリア、ファルカオと3対2の形を創った19歳は、右を走ってディ・マリアのパスを受けると、DFをかわして強烈な左足シュート。GKグリーンが弾いたボールをすかさずフォローしたジェームズ・ウィルソンは、GKと1対1は外さず、待望の今季プレミアリーグ初ゴールをゲットしました。結果、0-2。マンチェスター・ユナイテッドは最後の最後で「お約束の2点差」に持ち込み、苦しい試合を勝ち点3でフィニッシュしました。

前日の会見で、「ファルカオは自分の価値を示す必要がある」と、プレミアリーグへの順応に苦しむストライカーに厳しい言葉を投げかけていたファン・ハール監督は、ファルカオの活躍を誰よりも期待していることを采配で表現しました。「決定機をことごとく外した」と批判するメディアもあるかもしれませんが、私はむしろ、さすがワールドクラス!と拍手したくなるポジション取りの質の高さを評価したいと思います。ルーニーやマタ、ディ・マリアが、裏に抜け出そうとするファルカオにもっともっと球を集めてくれるようになれば、すぐにでもゴールは生まれるでしょう。ビンのなかのケチャップは、確実に出口に向かって動いています。大丈夫だラダメル・ファルカオ、次戦はぜひゴールを!

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“【QPR×MAN.UTD】ファン・ハール監督の采配が大当たり!やっときた、ジェームズ・ウィルソン!” への2件のフィードバック

  1. ASAP より:

    スターティングイレブンはさすがManchester United!という布陣でしたが、
    ベンチメンバーに目を移してみるとFerdinand、Kranjcar、Taarabt、Zárate。
    一方はMcNair、Januzaj、Wilsonと、ややもすると、OPRの方が豪華なのでは?
    と思いながら見ていたのですが(ズバリ選手層の問題ですね)、
    いやはやJames Wilsonに謝らないといけません!(笑)

    Falcaoに関しては、自分も明るい兆しを感じていました。

    前半途中に(たしか?)Mataのクロスからピンポイントで合わせた
    らしいプレイがありましたよね。コンディションさえ崩さなければ
    遅かれ早かれゴールを生んでくれそうです。
    ただ彼の場合はコストパフォーマンスの問題がどうしても残ってしまいますが…

    さらにうがった見方を加えると、成績が落ち着いてくるにしたがい
    Rooneyが「CFヤラせてー!」病を発症してしまうのでは?
    という点が、目下の隠された懸念でしょうか(笑)

  2. makoto より:

    ASAPさん>
    やっと決めてくれました、ジェームズ・ウィルソン。まっすぐ育てば、凄いストライカーになるのではないかと期待しています。ファルカオ、DFを一瞬かわす動きや、裏に入る動きはいいんですよね。あとは周囲がここ!というタイミングに気付けば、ですね。ルーニーはキャプテンになったので、大丈夫じゃないですかね?

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