イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Everton×Liverpool】ありがとう、ジェラード!最後のダービーで見せてくれた2本の美しいシュート

0-0、1-1、2-2、3-3。ここ5試合のうち、4試合がドローとなっているプレミアリーグ名物のマージーサイドダービー。派手なゴールの奪い合いもあり、しびれるスコアレスドローもありで、フタを開けてみないとゲームの展開すらわかりません。グディソンパークで行われるエヴァートンのホームゲームが、シーズンの2試合めに行われるのは12シーズンぶりで、プレミアリーグになってからというもの、エヴァートンは2戦めのダービーを勝ったことはないとのこと。ここ9試合リヴァプール相手に勝利なしと、どの数字をとっても旗色が悪いエヴァートンは、12月のマンチェスター・ユナイテッド戦以来1ヵ月半以上負け知らずのライバルから勝ち点3を奪えるのでしょうか。224回めのダービーは、おそらくスティーブン・ジェラード最後の戦いです。

ロジャース監督は、右サイドに隠し玉ジョーダン・アイブを使ってきました。縦に速いボールを走らせ、スターリング、コウチーニョ、そしてアイブのスピードとテクニックを活かそうとするリヴァプール。7分、左から抜け出したスターリングにGKロブレスが中途半端にゴールマウスを離れてしまい、ニアに強いシュートを打たれるものの、ポストの外。10分、プレミアリーグにおけるダービーでのゴール数を11に伸ばしたいジェラードのFKがゴール左隅を襲い、ロブレスがかろうじてセーブ。プレミアリーグ7位と12位の順位差そのままに、レッズが優勢です。

16分という早い時間に、太ももを気にしたルーカス・レイヴァを失ったのは誤算でしたが、その後も圧倒的に攻めるリヴァプール。16分、ペナルティエリアの左コーナーで4人に囲まれたスターリングのシュートがDFに当たり、右サイドに流れると、詰めたのはアイブ。19歳MFのシュートは、GKロブレスがコースを切ってCKに逃れるものの、その10分後、アイブはさらに見せてくれます。右サイドから中に持ち込んだシャープなドリブル。CBの寄せが遅いとみたアイブは、ゴールまで20メートル以上はあったところから思い切りのいいミドルシュート。GKの手の先を超え、「これは入った」とゴール裏のサポーターの腰が浮いた一撃は、無念の左ポスト!

35分、コウチーニョがカーブをかけたシュートは、FAカップのボルトン戦の決勝ゴールを思い出させる素晴らしい弾道でしたが、これも惜しくも決まらず。前半は、シュートが打てなかったエヴァートンをレッズが圧倒。左SBレイトン・ベインズの不在は、レッズが右サイドを制圧できた理由のひとつだったと思います。ベンチにアーロン・レノンとロス・バークリーを温存するロベルト・マルティネス監督は、いつ切り札を投入してくるのでしょうか。

ミララスのFKがポストぎりぎりを襲って動き出した後半も、50分を過ぎるとリヴァプールの怒涛の攻撃。51分、スターリングの左足はGK正面。52分には、左サイドでボールをキープしたコウチーニョが裏を狙ったスターリングに短いスルーパスを通し、スターリングが左足で狙うものの、これはニアを締めたロブレスの勝ち。直後のCKが、この試合最大のハイライトでした。競り合いでこぼれたボールが宙に舞うと、落下点に一番近かったスティーブン・ジェラード、渾身のバイシクル!確実に枠を捉えたシュートは、ネイスミスが頭に当ててクリア。頭を抱えるキャプテン。0-0は、依然として動きません。

ロジャース監督がコウチーニョを下げてスタリッジを投入すると、マルティネス監督はミララスをアーロン・レノン。それぞれの切り札は、厳しいマークに自由にさせてもらえず、ただ時間が過ぎていきます。両者最後の見せ場は、80分過ぎ。スターリングに代わって入ったリッキー・リー・ランバートは、左からのグラウンダーを振り向きざまに右足で狙うも、シュートに勢いがつかずにロブレスがキャッチ。86分、サイドチェンジを受けて右サイドでフリーになったコールマンの強烈なシュートは、GKミニョレがビッグセーブで逃れます。ゲームはこのままタイムアップ。勝てた、勝ちたかったリヴァプール!試合後、より悔しさを押し隠してピッチを歩いていたのは、赤いユニフォームの面々でした。

アイブの起用は効果あり。最終ラインも、前につなぐ意識が強いサコがたびたび持ち過ぎてピンチを招く以外は特に綻びもなく、シュクルテルはルカクを完全に抑えました。終盤は、エムレ・ジャンが馬力を活かして前線に飛び出すほどにゴールを求めたレッズでしたが、23本のシュートは、エヴァートンの必死の守備にゴールラインを超えることはありませんでした。ダービーならではの集中力を発揮した相手に、勝ち切ることの難しさ。「リヴァプールが勝ち点を落とした」という表現がふさわしい一戦でした。

グディソン・パークでジェラードを観ることはもうないと思うと、寂しいですね。前半のFK、後半の絶品バイシクル。試合が終わって4時間が過ぎても、どちらかが決まっていれば…という思いは消えません。16年間、プレミアリーグで34試合、イングランドにおいて最も長く続くダービーを盛り上げていただき、ありがとうございました。今日もまた、素晴らしい試合、素晴らしいキャプテンだったと思います。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“【Everton×Liverpool】ありがとう、ジェラード!最後のダービーで見せてくれた2本の美しいシュート” への3件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    是非ともキャプテンのために勝ちたかった1戦でした。
    しかし相手もそれは同じで、ダレない良いゲームだったと思います。
    ポジティブな点は、クリーンシート達成とアイブの思い切りの良さと、いつもながらジャンの冷静な対応でしょうか。彼は毎試合ごとにポテンシャルが上がってきている感があります。
    やはり連戦の疲れでしょうか、ルーカスの早々の交代はシナリオ外でしたね。
    ジェラードのバイシクルは決まって欲しかったですが、これもまたサッカーですね、、、。
    マージーサイドダービーでジェラードを観ることができなくなるのは本当に寂しいですね。

  2. リバサポ より:

    ジェラード惜しかったんですがね。
    やはりレイヴァの離脱が響きました。アレンでは2センターの一角は厳しかった。アイブは良かったんですが、周りとの連携がイマイチでこの大一番ではマルコでもいいかなと。
    レイヴァが次の試合欠場となると、ジャンをセンターハーフに持ってくるか。アレンを含めた3センターにしないと厳しそうです。

  3. makoto より:

    Mackiさん>
    同感です。アイブ、よかったですね。遠慮なくやってました。

    リバサポさん>
    エムレ・ジャンのポジションを移すかどうかは悩ましいですね。サコよりいいくらいなので。

コメントを残す