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【Arsenal×Leicester】大丈夫?アレクシス&ラムジー。最下位の速攻に苦しみ、アーセナルは辛勝!

ピンチだらけの2-1、辛勝。8月末に敵地でドローに終わったレスターは、プレミアリーグ最下位とはいえ油断できないチームなのはわかっていたものの、アレクシス・サンチェス、ロシツキ、エジル、カソルラが中盤に揃ったアーセナルが、これほど苦労するとは思いませんでした。足を気にしながらジルーと代わったアレクシス・サンチェスと、途中出場でピッチに入ってから10分も経たずにフラミニにポジションを譲ったラムジーのケガは大丈夫でしょうか。エティハドに乗り込んでマンチェスター・シティを完封した、チャンピオンシップ(2部相当)3位の難敵ミドルスブラと戦うFAカップ5回戦を前に、アーセナルは勝ち点3と引き換えに痛い負傷者を出す試合となりました。

開始2分、中盤を仕切るカンビアッソのパスが右サイドに出ると、右のマフレズがモンレアルをかわしてクロス。これがコシールニーの足に当たってゴール前を横切り、ガナーズはヒヤリとさせられます。アーセナルは7分、カソルラとのパス交換からアレクシス・サンチェスが左を突破してシュート。DFが中央を固めていても、狭いスペースを使って切り崩せるアレクシスの存在はやはり重要です。レスターも12分に反撃。カンビアッソのロングパスに走り込んだマフレズが、左サイドの角度のないところからシュートを放つも、ボールは逆サイドに抜けていきます。

15分、エジルの最初の仕事は右サイドから。カソルラのパスを受けた背番号11は、DFラインの裏に飛び出したウォルコットに素晴らしいスルーパス。シュートはGKに当たってしまい、先制はならなかったものの、ドイツ代表の司令塔らしいプレイにエミレーツの期待感が高まります。この後、しばらくの間はレスターの前線からのチェイスに苦しんだアーセナルは、26分にまたもエジル。アレクシス・サンチェスとのワンツーでペナルティエリア内に入って打った、GKのタイミングを外すトゥキックはセンスを感じさせるプレイ。このCKを、ニアにいたコシールニーの足元にピタリと合わせたのもエジルでした。右隅にきれいに転がった一撃に、GKシュウォーツァーはノーチャンス。ホームのガナーズが早い時間にリードを奪います。

33分、カソルラの縦1本に抜け出したアレクシス・サンチェスが、ボールをコントロールしきれずにゴールラインを割ると、ピッチの外でうずくまって左ひざを押さえています。ケガは完治していないのでしょうか。病み上がりの彼に、過大な期待は禁物です。しかし、今日のアーセナルにはこの男がいました。41分、ベジェリンが敵陣で素晴らしいインターセプト。このこぼれ球を拾ったコクランがカソルラにつなぎ、ボールはさらに左へ。強烈なミドルを放ったのは、3度めのエジルでした。これをシュウォーツァーがかろうじて弾くと、こぼれ球にいち早く追いついたウォルコットが、左サイドネットに突き刺さる完璧なシュートを決めて2-0。最初の45分は、「エジルのアーセナル」でした。

前半は枠内シュートがなかったレスターも、クラマリッチとのワンツーからマフレズが惜しいシュートを放つシーンがあり、次のゴールを奪えればまだわかりません。後半、アーセナルが3点めを決めれば、ガブリエウ・パウリスタを観られるのではないかと期待していると、61分のゴールはレスターでした。右サイドでフリーになったクラマリッチのシュートはオスピナが弾いたものの、直後のCKでカンビアッソのシュート、マフレズのクロスと畳み込まれたアーセナルは、左に流れたこぼれ球をクラマリッチにダイレクトで叩き込まれます。レスターの要注意人物は、やはりこの3人でした。年明けに加入してから、プレミアリーグで初ゴールをマークしたクラマリッチは、いいボールが来なくても個人技で打開できるFW。ボールを支配できないレスターが、岡崎慎司を獲らずに彼を呼び寄せたのは正解でしょう。

中盤でまわすだけになったアーセナルには、66分のカソルラの左足ミドル以外にチャンスはなく、時折縦にシンプルに攻めてくるレスターの速攻に手を焼きます。68分、痛んだアレクシス・サンチェスがジルーとチェンジ。直後にカンビアッソのきわどいクロスがゴール前を襲い、オスピナが必死のパンチで逃れます。70分、またも3人。カンビアッソ、クラマリッチとつながった右サイドでパスを受けたマフレズが、中に持ち込んでコントロールショットを放つも、ボールは左ポストの外に逸れていきます。

73分にウォルコットに代わって入ったラムジーは、中盤を締める役割を全うできずに、9分後にピッチに座り込んで交代を要求。歩いてベンチに戻りましたが、筋肉でしょうか。クラマリッチがオスピナと1対1となり、ループシュートを放ったときには同点を覚悟しましたが、シュートは思ったように浮かずにオスピナがキャッチ。後半はレスターの狙い通りの展開でしたが、アーセナルは前半の貯金で逃げ切り。何とか勝ち点3をものにしました。

後半、攻めあぐんだ時間帯に、ゴール前で決定的なプレイができるカソルラかエジルをFWの近くに置くなどの工夫があれば、3点めは狙えたのではないかと思いました。勝ちはしたものの、アストン・ヴィラ戦やマンチェスター・シティ戦のような明確な意図が感じられなかったアーセナル。次戦のプレミアリーグ、パーデュー監督のクリスタル・パレスは年明け絶好調。引いてこられたときの打開策がないと、ドワイト・ゲイル、パンチュン、ザハに裏をやられる可能性大です。(エステバン・カンビアッソ 写真著作者/Майоров Владимир)

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“【Arsenal×Leicester】大丈夫?アレクシス&ラムジー。最下位の速攻に苦しみ、アーセナルは辛勝!” への2件のフィードバック

  1. サッカー小僧! より:

    更新お疲れ様です。

    おっしゃるとおり、レスターのほうが内容が良かった試合でしたね。
    アーセナルとしては、勝ち点3を獲得できて御の字、という試合でしたが、
    しかし、レスターを舐めるわけではないですが、最下位相手にホームで、なんとか
    勝ち点3…、たしかにこの前の書き込みで、内容悪くても勝ち点を拾っていかないと…、
    みたいなことを書きましたが、レスター相手にそういう勝ち点の取り方をしていかざる
    得ないこと自体が、アーセナルの状況がよろしくいないことを認めざるを得ないですね。

    この試合で言えば、サンチェスとウォルコットの位置を変えるべきだった、と思います。
    サンチェスはサイドのほうが活きますし、守備への貢献度も高い。ウォルコットでは、
    SBへの負担が大きくなるので…、実際、SBの裏へのパスを狙われているように感じました。
    数少ない好材料は、エジルが好調なぐらいでしょうか、ミドルを積極的に打つように
    なったのは、いい傾向だと思います。
    まぁ、嘆いても仕方ないので、ここから調子を上げていってくれることを願いますね。

    それにしても、カンビアッソはやっぱりいい選手ですね、フラミニ契約更新しないのなら、
    彼をとるべきです、精度の高いロングレンジのパスを出せるのは、すごく魅力的です。

  2. makoto より:

    更新ご苦労様です。

    エジルの調子が上がって来たことと勝ったことだけが収穫ですね。サンチェスもラムゼイも
    今月は戻ってこれないかもしれませんね。結果論ですがベンゲルがたまに犯す大きな過ちの
    一つですね。ラムゼイはともかく前半に誰が見ても明らかに問題を抱えていたサンチェスを
    後半も出場させたことはベンゲルの大失策です。代わりの選手はいましたからね。

    今季のラムゼイはプレーの質が悪いだけでなく怪我が多い選手ですね。一年前は彼の離脱を
    心から嘆いていましたが今は・・・アーセナルが今後もカウンターを大きな武器にするなら
    シンプルにプレーが出来ずミスが多いラムゼイは徐々にその居場所を失っていくでしょう。

    週末の試合はローテーションが必要です。コクラン・ベジェリン・エジル・モンレアルには
    休養を与えてサンチェスも仮に怪我が軽症でも絶対に出場させるべきではないでしょうね。
    パウリスタのデビューやグナブリーにも期待しています。

    —–
    サッカー小僧!さん tomoさん>
    ラムジーとウォルコットの調子がなかなか上がりませんね。ラムジーが以前のフォームを思い出してくれれば、アーセナルは相当強くなるのではないかと期待しているのですが…。

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