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【MAN.UTD×Burnley】最悪な前半、ディ・マリアの後半!マン・ユナイテッドはドタバタの怪勝!

ブリタニアでマンチェスター・シティと対戦するストークが何かやってくれるような気がして、どちらをメインで観るかを悩んだのですが、「サポーターが、応援しているクラブをライブで観なくてどうする」と正道に立ち戻り、他会場をつけっ放しにしつつもマンチェスター・ユナイテッドです。プレミアリーグ25節は、17位のバーンリーを迎えたオールドトラフォードでの戦い。それにしても、ファン・ハール監督は頑固です。前の6人は、最初の45分間、何もできなかった前節のウェストハム戦と同じメンバー。戦術に何らかの手を加えてくれればいいのですが、ヤヌザイやディ・マリアが無邪気にドリブルするだけだった、先週末のサッカーをトレースされたら困ります。

開始早々のCKで、つい先日までチームメイトだったバーンリーDFマイケル・キーンのヘディングがジャストミート。このプレイでフィル・ジョーンズが足を捻り、スモーリングに交代。直後のCKで、ファン・ペルシ、ファルカオとヘッドでつないだボールをさらに頭で浮かして決めたのは、今入ったばかりのスモーリング!ジェットコースターのような急展開で、マンチェスター・ユナイテッドが1-0。試合が落ち着くまでには時間がかかりそうです。8分には、左サイドでナイトリーをフリーにしてしまい、GKデ・ヘアが横っ飛びでセーブ。いつものことながら、プレミアリーグ屈指のGKは、ノーマークのまま目の前に持ち込まれても慌てて動きません。

ところが12分、バーンリーが速攻で追いつきます。右サイドでディ・マリアを振り切ったトリピアがクロスを上げると、先制点を決めたスモーリングがダニー・イングスを見失い、背番号10がダイビングヘッド。ゴール左隅に一直線では、さすがのデ・ヘアも触れません。今季プレミアリーグで既に8ゴールを決め、強豪クラブに狙われているストライカーに対して、マンチェスター・ユナイテッドはあまりにもノーケアでした。

1-1となった後も、ホームチームの守備はピリッとしません。CKのこぼれ球をフリーで叩かれ、カウンターを受けるとペナルティエリア手前がガラ空き。これだけ自由にシュートを打たせては、逆転されるのも時間の問題でしょう。攻撃は、ディ・マリアが遠めからクロスを放り込むぐらいで、複数の選手が絡む崩しはありません。

20分を過ぎるとゲームは膠着し始め、時折放たれるシュートは、クロスに飛び込むバーンリーのヘディング。37分には、ダレイ・ブリントが2人めの負傷リタイア。代わって入ったのは、3日前にターゲットマンとして機能したフェライニではなく、エレイラです。昨季まで放り込み主体だったウェストハムのアラダイス監督に「ロングボール・ユナイテッド」と揶揄されたファン・ハール監督が、ヘソを曲げてフェライニを避けたわけではないことを祈るばかりです。

43分、左から抜け出したバーンズのシュートはうまく当たらず。このまま終わるかと思われた47分、マンチェスター・ユナイテッドが「まさかの勝ち越し」です。ショートコーナーからルーニーとのやりとりでフリーになったディ・マリアが正確なクロス。ジャンプ一番、ピンポイントで合わせたヘディングシュートは、またもスモーリング!先制点の際にヘッドで競った以外、2トップが何もしていない最悪の前半。「ロングボール・ユナイテッド」にならざるをえなかったホームチームは、なぜか1点リードで折り返しました。

後半立ち上がりのバーンリーのチャンス。緩いクロスをスモーリングがゴール前で空振りし、イングスのシュートをデ・ヘアに助けてもらいます。相変わらず速攻に慌てるシーンは目立つものの、左サイドからミドルを狙うシーンが徐々に増えてきたマンチェスター・ユナイテッド。この日の守備は1点差では安心できませんが、トラップの後、出しどころを探しているエレーラなどの中盤からチャンスが生まれるイメージはありません。頼りになるのは、ディ・マリアのドリブルとクロスのみ。運動量が極端に少ないファン・ペルシは、相手のミスがない限り、決定的なシーンを創り出せないでしょう。

バーンリーに押され、ストレスのたまる展開ながら、75分のカウンターはワクワクしました。ドリブルするのは期待感たっぷりのディ・マリア。中に走り込むのは、途中出場のジェームズ・ウィルソンとスモーリングです。今季プレミアリーグ2ゴールめを決めて存在感を示したい19歳と、生涯訪れないかもしれないハットトリックのチャンスがかかったCB。いちばんチャンスが創れるMFと、とにかくゴールが欲しい2人なら何かが起こるのではないか…ディ・マリアがアウトにかけてパスを出した相手は、ウィルソンのほうでした。いいボールでしたが、残念、DFが体を伸ばしてカット!

この5分後、再びカウンターのチャンスを得たディ・マリアは、クロスがダメなら自力でとばかりに左からドリブル突破。後ろから追いかけたアーフィールドは、ディ・マリアの誘いに乗って足を出してしまい、狙い通りのPKを与えてしまいます。ファン・ペルシがこの日唯一の仕事をきっちりこなし、マンチェスター・ユナイテッド、3-1。2点リードとなった後もカウンターとなればサイドを疾走し、ゴール前まで戻って守備もするディ・マリアは、最後までよく走りました。素晴らしい!昔の強いマンチェスター・ユナイテッドを思い出させてくれるのは、彼だけでした。

結局、3-1でフィニッシュ。勝ったものの、課題だらけの一戦でした。中盤でハブの役割を担うキャリックがいないのが、やはり激痛です。彼の代役をまかせられるのは、実はフェライニなのではないでしょうか。攻め上がるタイミングがよく、前に厚みを持たせることができるベルギー代表が最初からいれば、マン・ユナイテッドのシュート数は増えるのではないかと思いました。

ところで、ブリタニアのストークは…。チェルシーとマンチェスター・シティのサポーターのみなさま、すみません。両チームのレポートは、明日UPさせていただきます。(クリス・スモーリング 写真著作者/Andrea Sartorati)

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“【MAN.UTD×Burnley】最悪な前半、ディ・マリアの後半!マン・ユナイテッドはドタバタの怪勝!” への4件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    バタバタはありましたが、きっちり勝点3を獲得しているところは、シーズン前半とは大きく違うところですね。
    3〜7位は益々混戦模様ですね。しかしDFは負傷が続きますね、、、。

  2. 汗かきスター より:

    良く勝てましたという試合でした。前線二人はブラブラ散歩を続け、ルーニーもゴールからあまりに遠く、存在感が希薄。
    ルーニーは、やはり全体的に巧いプレーは見せますが、運動量が減り、存在感がだんだんなくなってきています。それでも、キャプテンで試合に出てるんですから、選手層は、ネームバリュー以上に薄いと感じます。外野のOB連中からの批判も相次ぎ、ファギーの時とやはり変わってきました。内部も変わって、現場主導ではなく、上層部主導なのでしょう。夏の移籍なども期待出来ないでしょう。これから、リバプールと立場が変わってくると思います。ロジャースを使い続ける事が条件ですがね

  3. ASAP より:

    Mackiさん>
    勝てましたが、心臓に悪いです。アーセナルともども、負傷者が減らないのは練習の問題なのでしょうね。シーズン前の練習メニュー批判の記事は出てましたが、その後の事実関係がわからないので、ツッコミが入れにくいのですが。

    汗かきスターさん>
    ルーニーは、もっと前に出られるフォーメーション・戦術じゃないと、やはり輝かないですね。夏はとにかくCB強化か、と。補強に限らず、戦略・戦術含めて。

    —–
    先日、makotoさんに「Rooneyの適性」をうかがったばかりのところに、まさかの「高次元の器用貧乏」発動!(苦笑) 

    冗談は脇において、勝ちを拾っているうちはいいですが、底が抜けた時に、今のManchester Unitedは回収できなそうで怖いですね。シーズン当初の懸念だった「スーパープレイヤー無双」に依存した勝利も、makotoさんご指摘のように散見されますし、Manchester Unitedの目標としては少しさみしいですが、このままCL圏(あわよくばストレートイン)に踏みとどまれれば及第点でしょうか…

  4. makoto より:

    ASAPさん>
    そうですね。崩れたら止まらなそうですね…。個人力担保なので。

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