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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【QPR×Chelsea】強いチェルシー、最後はセスク!こんな試合をなぜ勝てる!?

チェルシーのプレミアリーグは残り8試合。アーセナルがラスト6試合を全勝しても、5勝3敗で栄冠に手が届く圧倒的優位に立っていますが、事はそう簡単ではありません。モウリーニョ監督のチームは、アーセナル、マンチェスター・ユナイテッド、リヴァプールと上位対決が3試合控えており、ここで3敗を使い果たせば、アーセナルの逆転が一気に現実的なものとなります。2位、3位との連戦を前に、最近の「のらりくらり勝利」ではなく、1月17日以来となる2点差以上の快勝を決めて、いい感触で決戦へと歩を進めたいものです。一方のQPRは、プレミアリーグ残留圏内のハル・シティと勝ち点2差。ここでジャイアントキリングを実現すれば、大きく視界が開けます。7試合連続ゴール中、ここ2試合で7得点と好調の攻撃陣は、名手クルトワのゴールをこじ開けることができるでしょうか。

チェルシーは、オスカルではなくラミレス、負傷中のジエゴ・コスタに代わってドログバが入った以外はいつものメンバー。QPRは、前線のチャーリー・オースティンとザモラに加え、ジョーイ・バートン、イスラ、サンドロといったトップクラブでプレイした経験のあるMF陣が攻撃を支えます。そろそろ秋までの強いチェルシーを観られるかと思えば、プレミアリーグ首位クラブは辛勝続きの最近の試合以上に低調なプレイに終始しました。

8分にウィリアンの右からのクロスがポストに当たったシーンは、おそらく幸運なミスキック。18分のセスクのFKに合わせたマティッチと、30分にドログバが左足で軽く中に入れたボールにラミレスがボレーで合わせた2本しか、前半のシュートはありませんでした。ボールポゼッションは6割を超えたものの、よりゴールに向かっていたのはQPRのほうです。44分、チャーリー・オースティンのミドルをクルトワが弾くと、両者スコアレスでゲームを折り返します。ライバルのガナーズのサポーターがこの前半を観たら、これみよがしに「退屈なチェルシー」と揶揄するチャントを繰り広げていたでしょう。

モウリーニョ監督のチームによくある展開は、後半始まってすぐに怒涛の攻撃を見せて先制点を奪い、リードするとペースを落として試合を畳む1-0勝利。しかしこの試合の後半開始直後は、完全なるQPRのペースです。49分のマット・フィリップスのアーリークロスは、クルトワを慌てさせるもザモラが一歩及ばず。50分、マット・フィリップスのFKのクリアを左に展開すると、ヒルのコントロールショットはクルトワがキャッチ。QPRの縦パスはチャーリー・オースティンに収まり、ホームチームの先制に期待が高まりますが、55分を過ぎると当たり前のようにイニシアティブはチェルシーに移ります。

しかし、チェルシーの攻撃はあまりにも淡白です。ドログバやイヴァノヴィッチが上げる右からのクロスにさしたる工夫なし。ラミレスに代わって入ったオスカルもオフザボールの動きが今ひとつで、運動量を欠いたチームは、セスクが前を向いて持っても効果的なパスコースがありません。足元へのパスがほとんどで、なかなかチャンスが創れなかったQPRは、64分にこの試合最大の決定機をつかみます。右からのザモラのクロスを受けて反転したマット・フィリップスのシュートは、タイミングも強さも悪くない一撃でしたが、至近距離からのボールに強いクルトワがビッグセーブでCKに逃れます。65分のサンドロのミドルもワールドクラスのGKを脅かす精度がなく、試合は0-0のまま終盤に向かいます。

プレミアリーグの神様は、チェルシーに優勝せよといっているかのようです。前節のストーク戦では名手ベコヴィッチが高校生のようなスローミスでロイク・レミーの決勝ゴールを許しましたが、88分、QPRのGKグリーンもニッポンの高校サッカーのようなゴールキックミス。高く上がったボールを奪ったチェルシーは、ペナルティエリアに侵入したアザールが後ろに落とすと、打ち頃の球を確実にミートしたセスクの一撃がゴールに突き刺さります。QPR、痛恨!81分にチャーリー・オースティンのシュートがクルトワを慌てさせるなど、先制される直前まで悪くないプレイを続けていたのですが…。0-1となると、もうチャンスはありません。チェルシー、またも辛勝。QPRにとっては、勝ち点1を逃したという表現がぴったりでしょう。

率直にいって、残留の可能性がなくなった下位同士の試合のようなひどい内容でした。枠内シュートがセスクの1本のみだったチェルシーは、よく勝ちましたね。彼らが、キャピタルワンカップ優勝のみでシーズンを終えるのをよしとしないなら、チャンピオンズリーグで負けたことは、結果的にはよかったのかもしれません。これだけ疲れていれば、パリ・サンジェルマンに同点を許さなかったとしてもベスト4にはいけず、2試合多くこなすとなると、プレミアリーグ最終盤の戦いはより厳しいものになっていたでしょう。とてつもなく大きな勝ち点3。優勝はチェルシーで間違いないと思います。いやー。

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“【QPR×Chelsea】強いチェルシー、最後はセスク!こんな試合をなぜ勝てる!?” への3件のフィードバック

  1. ヤヤ・トゥーレ より:

    コスタとレミーがいない試合を勝てたのは大きかったですね。こういう試合を確実に勝ち点3を取れるのが、モウリーニョのチームの強さだと思います。

    ただ個人的にですが、シュールレの放出は崩しの切り札と得点力と言うことでは痛手だったかなと思います。グアドラードもいい選手ですが、レギュラーのウィリアンが得点力が無いためアザール、セスク、コスタぐらいしか局面を打開出来てないかなと思います。ウィリアンは運動量は豊富ですが攻撃面での貢献度は低く見えますし、シュールレの方が得点力も打開力もあっただけに、来季への課題かなと思います。

    チェルシーはユナイテッドとアーセナル相手にはリスクを犯さずに引き分け狙いでもいいと言うアドバンテージがあります。それを実現出来るモウリーニョという試合巧者がいますし、優勝は堅いかなと思います。

  2. xx より:

    そもそもロフタスロードはチェルシーにとって相性良くないのですが。勝てただけでも大収穫です。

  3. パックン より:

    アーセナルが残り試合で全勝しても勝ち点84。
    チェルシーは現在勝ち点73ですから残り7試合を4勝3敗、もしくは3勝3分1敗でも勝ち点85に到達します。
    どちらに転んでもおかしくなかった直近3試合を全て勝ちきってみせたのはお見事。
    不調な時期もしぶとく勝ち点を積み上げているチェルシーとそれが出来なかったライバル達。
    結局はその差でしたね。

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