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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Hull City×Liverpool】布陣はサイド攻撃、実際は中央突破。ちぐはぐリヴァプールは今日も無得点!

先週のプレミアリーグ34節ではWBAからゴールを奪えずスコアレスドローに終わり、CL出場権が遠のいたリヴァプール。スタリッジが今季絶望の可能性ありと報道されるなど、FWの負傷と不調に泣かされ続けた1年ですが、ライバルのマンチェスター・ユナイテッドが連敗したためCL出場権獲得への道が再度見えてきました。プレミアリーグ降格を回避したい必死のハル・シティに勝てば上位に迫れる一方、勝ち点を失えばトッテナム、セインツと三つ巴のEL出場権バトルに完全に飲み込まれます。中盤センターにジョー・アレンとヘンダーソン、サイドにはジョーダン・アイブとコウチーニョ、トップのバロテッリの下にスターリング。イェラヴィッチ不在で守備的なハル・シティに対して、中盤のタレントが揃ったリヴァプールは、先制点を奪って優位にゲームを進めたいものです。

しかし7分、先に決定機を迎えたのはホームのハル・シティです。左サイドからのアルコのクロスを至近距離から狙ったエンドイェのヘディングシュートは、GKミニョレが横っ飛びでピンチを切り抜けます。10分を過ぎると徐々に自分たちのペースをつかみ始めたリヴァプールですが、複数の選手が絡む崩しはなく、ジョーダン・アイブやコウチーニョが単独で仕掛ける攻撃が目立ちます。19分、アイブのドリブルで得たCK。ヘンダーソンのキックをニアに走り込みながら放ったコウチーニョのボレーは、GKハーパーがかろうじてクリアします。

25分、バロテッリがやってくれました。左からのスターリングのクロスがずれ、後ろ向きでトラップした背番号45は、振り向く時間がもったいないとばかりにそのままヒールでシュート。スピードのあるいいボールでしたが、GKハーパーの正面をつき、元イタリア代表FWの今季プレミアリーグ2点めはなりません。直後にハル・シティはブレイディがエムレ・ジャンの左サイドを攻略し、クリアに体を投げ出したリヴァモアのヘッドがゴールまであと一歩に迫るものの、ミニョレとグレン・ジョンソンがぎりぎりでボールを掻き出します。37分、両者イーブンで拮抗していたゲームの均衡を破ったのはハル・シティでした。

CKをクリアしてラインを上げ、3人をオフサイドポジションに置いたことで、レッズの守備陣には油断が生じていました。アルムハマディの右からのクロスに反応したのは、オフサイドラインの手前から抜けてきたマイケル・ドーソン。どフリーのヘディングが左のサイドネットに向かって弧を描くと、好調のミニョレもこれには対応できません。レッズはすかさず反撃に入りますが、ジョーダン・アイブのクロスを左足で合わせたヘンダーソンのボレーはGKに阻まれ、左サイドを完全に破ったグレン・ジョンソンのラストパスは誰も触れず逆サイドに流れてしまいます。前半は1-0で終了。攻撃ではスターリングが機能しておらず、エムレ・ジャンの不安定な守備がリスクとなっている状況に、ロジャース監督はどんな解決策を講じてくるのでしょうか。

後半は、1点を追うリヴァプールがボールを支配する展開。62分、コウチーニョの浮き球を胸でトラップしたヘンダーソンが見事な左足ボレーを放つも、GKハーパーが左手を伸ばしてCKに逃れます。ロジャース監督、65分に2枚代え。ジョーダン・アイブをララナ、バロテッリをリッキー・リー・ランバートと、元セインツコンビにチームの命運を託します。71分、ペナルティエリア外からのヘンダーソンのミドルはGK正面。ララナにボールが渡らないレッズの攻撃からは、選手交代の意図が汲めません。76分、ロジャース監督の3枚めは大胆な交代です。負傷していると伝えられていたデヤン・ロブレンをマルコヴィッチ。エムレ・ジャンCB、マルコヴィッチ右SBという布陣は、サイドを切り崩すことができるのでしょうか。

ポストプレーがうまいリッキー・リー・ランバートは、75分と86分にクロスを競っただけでまともなシュートゼロ。マルコヴィッチが右から突破を見せたのは84分の1回だけ。サイドから攻める顔ぶれとフォーメーションにしたにも関わらず、サイド攻撃が減るというちぐはぐな戦い方に終始したリヴァプールに、これ以上チャンスはやってきませんでした。コウチーニョやヘンダーソンに預けて後はおまかせといった攻撃では、むやみに下がらず素晴らしいポジショニングで対処していたハル・シティの守備は崩せません。1-0、タイムアップ。ハル・シティにとってはプレミアリーグ残留に近づく大きな勝利。最後のチャンスを活かせなかったリヴァプールが、来季のチャンピオンズリーグ出場権を得る可能性はほぼゼロでしょう。もっとララナとマルコヴィッチにボールを集めていれば…。前半、ジョーダン・アイブやスタリッジ、グレン・ジョンソンが崩していたサイドのスペースを、最後の攻撃で使わなかったのがとにかく残念です。

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“【Hull City×Liverpool】布陣はサイド攻撃、実際は中央突破。ちぐはぐリヴァプールは今日も無得点!” への4件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    勝利に貪欲なチームとそうでないチームの差が大きく出ましたね。
    コウチーニョやヘンダーソンが頑張ってもチームが連動していなければ試合には勝てません。
    相手は中央は硬かったですが、両サイドは緩かったので、サイド攻撃やランバートを効果的に使えなかったのが残念です。CLは完全消滅ですしELも今の状態ではかなり怪しいですね。
    それにWBA戦に続いてハル戦でもこの失態では監督更迭論が出てもおかしくないですね、、、。とにかく酷いゲームでした。

  2. Uボマー より:

    ユナイテッドサポとしてはリバプールが足踏みしてくれたのはありがたいことですが、プレミアリーグのヨーロッパカップ戦の出場枠を考えるとリバプールには少なくともELには出てもらいたいところです。CLで一番成績を残しているのもリバプールですし、予算や実力的にも今季ELで戦ったエバートン、トッテナムより上でしょう。ロジャース監督はまだ若いので、ヨーロッパカップ戦の経験を少しでも積んでほしいものです。

  3. makoto より:

    Mackiさん>
    あれではランバートがもったいないですね。ボールさばきは悪くない選手なので、ジルーのようにきちんと活かせば結果を出してくれると思うのですが…。

  4. makoto より:

    Uボマーさん>
    賛成です。プレミアリーグ全体という目線で見ると、レッズに欧州で戦ってほしいんですよね。

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