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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Stoke×Arsenal】チェフとバトランドの競演に興奮!ドローやむなしのアーセナルは首位キープ!

メスト・エジル負傷!ショッキングなニュースが流れてきたプレミアリーグ22節、ストークVSアーセナル。苦手のブリタニアでのアーセナルは、プレミアリーグ7試合で1勝2分4敗。最後に勝ったのは、ショークロスのタックルでラムジーが重傷を負った2010年2月と、6年弱も勝利から見離されているこの地には、いい思い出がありません。今日の中盤の顔ぶれは、両サイドにジョエル・キャンベルとウォルコット、セントラルMFにラムジーとチェンバレン、フラミニはアンカーでしょうか。ストークの中盤は、ボージャン・クルキッチ、アルナウトヴィッチ、ウォルターズ、アフェライ、ウィーランで、こちらもシェルダン・シャキリがいません。現地時間では16時15分のキックオフ。序盤からストークの寄せが速く、アーセナルはやりにくそうに戦っています。

15分を過ぎても両者にこれといったチャンスはなく、3センターがうまくスペースをつぶしているガナーズは、それと引き換えに攻撃時のパスワークの速さがありません。20分にようやくストークがチャンスをつかみ、中央で空いたアフェライのミドルがわずかに右。20分、ジョエル・キャンベルがジルーにスルーパス。コスタリカ代表のアタッカーのプレイで注目していただきたいのは、パスのコースとタイミングだけでなく、強さが絶妙なところです。プレミアリーグ21節のリヴァプール戦でラムジーに決めさせたパスも、あれ以上強くても弱くてもゴールにはならなかった完璧なボールでした。これに反応して右から完全に抜け出したジルーのシュートは、GKバトランドが飛び出してブロックします。若きイングランド代表を擁するストークは、GKの素晴らしさではチェフのアーセナルに負けていません。

30分、左からの折り返しを受けたチェンバレンのコントロールショットもまた、バトランドがフィスティングでクリア。33分にアルナウトヴィッチがチェフの目前に飛び込むシーンがありましたが、オフサイドを取られて均衡は崩れません。前半は0-0のままレフェリーの笛。ボールポゼッションではアーセナルが上回っていますが、主導権を握っている時間が長いのはストークです。

47分、ガナーズのCK。ジルーがポスト際に叩きつけたヘディングは、当たっているバトランドが左手でビッグセーブ!GKの経験がある方なら、足元を狙われたボールを手で弾くのがいかに難しいかはおわかりでしょう。53分、アフェライのアーリークロスを見て、アルナウトヴィッチより先に触ったのはチェフ。プレミアリーグにおけるクリーンシート歴代1位のレコードを持つこちらのGKも、最終ラインの負担を確実に減らしています。さらに56分、アルナウトヴィッチの縦パスを受けたホセルのシュートもチェフが右に弾き、こぼれ球を直接狙ったボージャン・クルキッチの左足までセーブ!66分にカウンターからウォルターズが放ったシュートも、嫌なバウンドのボールをチェフは確実に弾き出しました。GKの競演が、スコアレスのゲームを盛り上げてくれています。

72分、ウォルコットを下げる決断をしたヴェンゲル監督のリストには、前の選手はイオビしかいません。ボールを支配するアーセナルは組織的なストークの守備に手を焼き、フィニッシュまでたどり着けずに時間を遣っています。ベジェリンの再三のクロスは、上がる前にことごとくディウフがカット。85分にジョエル・キャンベルが右から狙ったシュートは、カーブがかからず枠の外に出ていきます。マーク・ヒューズ監督は、アルナウトヴィッチとアフェライを見切り、チャーリー・アダムとファン・ヒンケルで走力補給。89分、CKからストークが決定機を創ります。ニアで競ったファン・ヒンケルのヘッドが枠に飛ぶと、ゴールライン上でコシールニーがクリア。これを拾ってホセルが放った決定的な一撃は、チェフが足でセーブして窮地を脱します。超人的な活躍をした守護神に対するごほうびは、勝ち点1というもの足りないものでした。タイムアップ、スコアレスドロー。エルネニーのプレミアリーグデビューはお預け。アーセナルにとって、やはりブリタニアは鬼門です。

グーナーのみなさんには、「エジルがいれば」「アレクシス・サンチェスの不在が…」という思いがあるかもしれませんが、今日はストークの素晴らしい守備をほめるべきでしょう。特に後半は、サイドの対応も、ショークロスとヴォルシャイトのポジショニングも完璧で、ベストメンバーのアーセナルでもこれを崩すのは至難の業だったと思います。加えて、4-1-4-1の悩ましさも感じました。引くとセンターが3枚になる布陣は、ペナルティエリア付近の守備は落ち着かせやすいものの、前線からプレスをかけるなら、守備のときはエジルとジルーが並んで4-4-2にシフトする4-2-3-1のほうがベターでしょう。前で追うのがジルーひとりでは、相手のビルドアップにプレッシャーをかけきれず、サイドに一発で出されて劣勢に立ったシーンが多かったように思います。

チェフがあれだけビッグセーブを見せてくれたことを考えれば、やはり負け試合。勝ち点を拾えたことを喜ぶべきなのかもしれません。トッテナムとマンチェスター・シティに詰め寄られはしたものの、アーセナルはプレミアリーグ首位をキープです。

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“【Stoke×Arsenal】チェフとバトランドの競演に興奮!ドローやむなしのアーセナルは首位キープ!” への8件のフィードバック

  1. ヤンガナ大好き より:

    エジル負傷の影響でガナーズのパス精度、ゲームメーク力がかなり落ちてましたが、今日は両キーパーが本当に素晴らしかったですね。バートランド、今シーズン絶好調ですね。またベジェリンのサイド攻撃も完璧に抑えられてました。ブリタニアでも引き分けは御の字ではないでしょうか。

  2. 駆け出しグーナー より:

    エジル抜きの状態で怪我なし勝ち点1ならよしとすべきでしょう

    ビックロンドンダービーにはエジル、サンチェスと帰ってきますし、ホームでの試合なので頑張って勝って欲しいです!!

  3. ぐら より:

    更新ご苦労様です。

    正直引き分けで致し方ないと私は思いました。大事なことはアーセナルはまだ首位にいると
    いうことでしょう。ライバル達も決して順調に勝ち点を積み重ねられてはいないわけです。
    アーセナルにとっては次節のチェルシー戦が大きなポイントでしょう。ホームできっちりと
    チェルシーに勝てればまた勢いに乗れるはずです。主力選手の復帰という明るいニュースが
    続くはずの来月以降にいよいよ勝負の時を迎えることを考えても1月を首位で終えることは
    とても大きな意味を持つと私は思います。

    —–
    両チーム、これは決まった!と思ったシーンが複数ありました。
    やはりGKがいいと試合が締まって面白いですね。
    勝てた試合だった、というのはきっとどちらのサポーターも思っているでしょうね。

  4. だしまる より:

    今シーズンはGKの競演が素晴らしいですね。チェフ・バトランド・シュマイケル・デヘア・クルトゥワ。GKがもたらす勝ち点差が順位に大きく影響しそう。GK目線からの見方も引き続き楽しみにしています♪

  5. queen より:

    鬼門で引き分けならそんなに悪くないですね。
    残念だったのは(いつものことですが)ラムジーへのブーイングですかね。確かにヴェンゲルが痛烈に批判した経緯はありますが、ラムジーにとっては悪く言われる筋合いはどこにもないわけでして。ショークロスはどう感じているんでしょう。彼にとってもあまり嬉しくないと思うのですが…

  6. りーさん より:

    イングランド代表ファンとしては、バトランドの成長はとても嬉しいですね。ハートもいますが長年弱点と呼ばれていた場所にワールドクラスに成長する余地がある選手が出てきてくれた事は感無量です。
    もしかしたらデヘアの去就が定かでないユナイテッドみたいなビッグクラブなどに移籍したら、今以上に成長するのではないかとワクワクしています。

  7. 新参 より:

    私はチェンバレンが嫌いなのかもしれません。
    走らないアスリートタイプは存在意義を感じないのです。ジョギングでもなく歩く姿を見る度にため息をついてしまいました。チェンバレンはフリーランの質を上げない限り未来はないとまで考えてます。参考にすべきはスーパーなサンチェスではなく、他チームではありますが、ヘンダーソンやミルナーといった献身性で信頼を得てきた苦労人です。

    アーセナルのリスク覚悟で4、5人が駆け上がるカウンターを繰り返せば勝てない試合ではなかったと思います。ラムジーやチェンバレンが、カソルラやエジルを真似たところで到底かなわないわけで、自分の長所で勝負していただきたいです。

  8. makoto より:

    ヤンガナ大好きさん 駆け出しグーナーさん>
    シブいゲームでしたね。GK競演もさることながら、ストークの守備が素晴らしかったです。おっしゃるとおり、勝ち点1で御の字だと思います。メンバーが充実するチェルシー戦は、楽しみですね。

    tomoさん>
    そうですね。勝負はまだ先です。

    ぐらさん>
    GKがよかった両チームともが「勝てた!」と思っているなら、それはいい試合だったということなのでしょうね。

    だしまるさん>
    私自身が学生時代GKだったので、ついつい見てしまいます。バトランドは凄いですね。普通のGKができないことを、簡単にみえるプレイでやってのけています。

    queenさん>
    ヴェンゲル監督もコメントしてましたが、あのブーイングは悲しいですね。当時、自分がやったことの結果を知って号泣していたショークロスの気持ちを考えても。

    りーさん さん>
    私も、イングランド代表はこの先15年、GKで苦労しないのではないかとワクワクしています。デ・ヘアに出て行かれたくない私としては、リヴァプールなどどうでしょうと思ったりします。

    新参さん>
    それを徹底しているのがトッテナムですよね。マン・シティやガナーズとの間にある個々の実力差を埋めているのは、スパーズの若手たちの行動力なのだと思います。

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