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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Leicester×Liverpool】素晴らしい守備とカウンター。これぞレスターというべき2-0完勝!

プレミアリーグ首位に立つレスターの本拠地、キングパワー・スタジアムを訪れたのは7位のリヴァプ―ル。2月になって、それぞれがこの順位にいるのは予想できませんでしたが、レッズはこのシックスポインターを勝ち切って、上位との距離を詰めにいきたいところです。デヤン・ロブレン、サコ、ナサニエル・クライン、アルベルト・モレノの最終ラインは現在のベスト。ララナ、ミルナー、ヘンダーソン、エムレ・ジャン、ルーカスに最前線のフィルミーノという攻撃陣は、コウチーニョが足りないだけです。レスターの2トップは、岡崎慎司とプレミアリーグ得点王のヴァーディ。ドリンクウォーター、カンテ、マフレズ、オルブライトンの中盤は、文句なしのレギュラーメンバーです。

両者とも、ダイレクトパスを織り交ぜたスピーディーな攻撃を仕掛ける序盤戦。とりわけレスターの状態のよさが目を惹きます。8分、これぞレスターとうならせるヴァーディと岡崎慎司のカウンターが炸裂。左からのクロスに、外に走ってサコのマークをかわした岡崎が素晴らしいヘディングシュートを放ちますが、GKミニョレがバーの上にクリアするビッグセーブでしのぎます。11分、左からのミルナーのクロスをヘンダーソンがヘッドで落とすと、オフサイド気味のポジションから狙ったエムレ・ジャンのボレーは、倒れながら左手を残したGKシュマイケルがセーブ。高い位置からのレスターのプレスが効いており、14分にも速攻からマフレズが体を倒しながらのボレーを放ちます。これはミニョレがキャッチしますが、リヴァプールはナサニエル・クラインのサイドの守りを修正しなければ、いずれヴァーディや岡崎慎司にここからやられるでしょう。

16分、ミルナーの3人抜きは見事でしたが、ウェス・モーガンでストップ。レッズは再三CKをもらっていたこの時間に先制できなかったのが悔やまれます。プレミアリーグ首位クラブの守備が素晴らしいのは、サイドからのボールに対してポジショニングのミスがないところです。SBの裏を突いて、相手の体勢が不十分なうちにフィニッシュを決めるか、ダイレクトパスで中央を崩すなどのアイデアがないと、レッズが先に点を奪うのは難しいでしょう。30分、ビルドアップのパスをさらったのは、やはりカンテ。岡崎がルーカスに引っ掛けられた後のFKは、マフレズが壁にぶつけてしまいますが、レスターの攻撃陣には思いどおりの攻撃ができている手応えはあるでしょう。

35分、岡崎慎司とヴァーディがまたもカウンター。ヴァーディが止められたこぼれ球をマフレズが直接狙ったミドルは入ったかと思われましたが、ミニョレが美しいセーブを見せてゴールはなりません。前半は0-0。ポゼッションはリヴァプールですが、ボールをキープする時間などいらないレスターのペースといっていいでしょう。2つのビッグセーブでチームを救ったミニョレは、片やで短いパンチングやファンブルもあり、なかなか安心させてくれません。今季のプレミアリーグで先制した試合は13戦負けなしのリヴァプールは、何かが起こる前に先にゴールを決めて、流れを引き寄せたいところです。

48分、ミルナーの縦パスを左に走ったヘンダーソンが落とし、エムレ・ジャンが右足で狙った形はよかったものの、フィニッシュはポストの外。直後に岡崎慎司が自陣から出したパスで、ヴァーディとマフレズが2対1になりますが、マフレズがラストパスをミスしてしまい、レッズは命拾いします。しかし60分、先制したのは獲るべくして獲ったレスターでした。マフレズの縦パス1本、ワンバウンドさせたボールを右足で直接打ち込んだヴァーディのスーパーゴール!キングパワーにはホームサポーターの大合唱が響き渡ります。1-0となってからしばらくは、レスターの高いプレスと中盤の囲い込みの機能美を堪能する時間でした。クロップ監督は、ヘンダーソンをベンテケ。指揮官の攻めるぞというメッセージは虚しく、次の1点を決めたのもプレミアリーグ首位チームです。

70分、ダイレクトパスを5~6本つないだ美しい攻撃で、右からペナルティエリアに入った岡崎慎司が倒されたシーンはPKを取ってもらえません。しかし、この日のレスターは、レフェリーのサポートはなくてもサッカーの神様がついていました。71分、岡崎慎司が珍しく放ったミドルシュートがアルベルト・モレノに当たると、ルーズボールはゴール前に走り込んだエースの足元に転がります。イージーなシュートを容赦なく右上に蹴り込んだジェイミー・ヴァーディ、今季プレミアリーグ18点め。途中出場のジョー・アレンは展開を変えられず、もっと早く代えてもよかったフィルミーノがティシェイラに後を譲ったときには残り時間は3分しかありませんでした。ポゼッション37%のレスターが、彼ららしいサッカーを存分に披露して完勝。リヴァプールは、枠内シュート2本では勝ち点3は得られません。

レスターのPR動画の制作にリヴァプールが呼ばれて、ディレクター・ラニエリの指示通りに負けるチーム役を演じたような試合でした。岡崎慎司、ヴァーディ、マフレズをあれだけ伸び伸びとプレイさせてしまっては、ルーカスを入れた意味がありません。カウンターの切れ味もさることながら、ラニエリ監督の守備戦術は、間違いなくプレミアリーグNo.1のクオリティでしょう。カンテ、ドリンクウォーター、オルブライトンらの動きを観ているだけでも、90分はあっという間です。岡崎慎司が、プレミアリーグの首位を走るチームで、昨季のTOP6相手に活躍しているのを見ると誇らしくなります。

このチームが勝ち点10差の5位にひっくり返される姿はイメージできません。チェルシーがTOP10にいないだけでも事件なのに、マンチェスター勢とノースロンドン勢のどこかがチャンピオンズリーグの出場権を失う過酷な結末となるのでしょうか。強い!レスターは強いです。

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“【Leicester×Liverpool】素晴らしい守備とカウンター。これぞレスターというべき2-0完勝!” への5件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    レスターの素晴らしさはゲームを観ての通りですが、レッズは決定力が無さ過ぎです。CK12本あってもいかせず、、、オンターゲットも2本と、、、厳しい状態ですが今は耐える時だと考え次節に備えます。

  2. NA28 より:

    更新お疲れ様です。

    負けるべくして負けた試合だと思います。
    両チームともチャンスとミスがあった試合だと思いますが、決定的な差は決定力とチームの意思決定力ではなかったでしょうか。
    たしかにヴァーディとマフレズは素晴らしいですが、その二人を生かすべく働いた岡崎とドリンクウォーター、カンテといった面々がきっちり仕事をしつくした、片やレッズはレスターのサイドやフィルミーノとララーナの連携といった攻めどころを攻め抜くことができませんでした。
    コウチがいても今日のような展開では負けていたと思います。
    また、この試合だけでなく今季レッズはセットプレーからの得点はいくつあったでしょうか?
    私はほとんど記憶にありません。
    言いたくはありませんが、ここでもジェラードの穴を感じてしまいますね。
    今のレッズはアーセナル戦のようなサッカーができるか否かで勝敗が決まってしまうと思います。
    簡単にいえば引き出しが少なく、唯一の武器も切れ味が悪い。
    レスターも引き出しが多いチームではないですが、唯一の武器が伝家の宝刀として磨き上げれています。
    結局、まだまだ下地を作っている段階にすぎないので、今季のリーグ戦で順位をあげるのは難しいかなと思います。
    来季に向けて、クロップの構想を固めて育成と補強の方針を決める期間としたいですね。
    カップ戦とれれば何もいうことはありません。

    最後にレスターは本当にいいチームですね!
    カップ戦もないですし、このチーム状態を維持できれば優勝も夢ではないと思います。
    2シーズン前にレッズが成し遂げられなかった夢をぜひレスターに叶えてもらいたいです。

    —–
    ネットを見るとクロップを叩いたり選手を叩いたりする流れがあるようですが、理解出来ません。勿論修正すべき点は多々ありますが、ただでさえ試合数が多いのに怪我人多発で戦術浸透が遅れ、満足に練習も出来ていないところで、守備の硬く、きっちり仕事を果たすエースが2人もいる首位レスターに負けるのは順当としか言いようがないと思います。

    クロップには引き出しがないという人もいますが、軸となるプレス自体が完全にハマっていると言えない以上、多彩な戦術は望めないでしょうし、その戦術に従う選手たちも迷いがあるのだと思います。

    今年は我慢の時で、判断するのはあと2シーズンは待たないといけないと思います。今日は盲目的にリバプールを非難するのではなく、レスターの強さを讃えたいです。

  3. what a hit より:

    クロップ叩きが始まってるって?
    引き出しが少ないって?
    自分もレッズ命の者でげすが、クロップより優れた監督はリバプールになんか来ないっすよ(爆)
    両サイドバックを補強しながら明日が見えない3バックシステムの引き出しを開け閉めしてたスアレス放出後の前任者のサッカーは毎週窒息しそうでげしたよ。
    わけのわからない引き出し開け閉めするなら、引き出しなんかなくていいっすよ。
    フロントがロジャース用に買ったはち切れんばかりのピチピチの服を文句も言わず着てくれているビッグなドイツ人のサッカーがはまった時は、同じ選手を使ったロジャースさんより全然面白いっす。
    バルサ、バイエルン、マンシティみたいな資金力メガトン級のクラブしか率いないクソッタ…優秀な監督達と肩を並べるくらいビッグネームなのに正直パッとしない(苦笑)リバプール選んだ、リバプールにとって最高の監督っすよ。
    叩くならせめてクロップが望んだ選手をある程度獲得してからじゃない?

  4. KEISUKE より:

    Mackiさん>
    CKは無策でしたね。たdし、この試合は相手が強かったと思います。レスターはコンディションが万全でした。

    nyonsukeさん>
    誰かの調子が悪かったり、初めての組み合わせがあると全体がぎこちなくなったりと、クロップ体制スタートから半年経っていないリヴァプールはまだデリケートですね。悪いところがでてしまった一戦でした。

    NA28さん>
    クロップ監督の招聘は長期的な強化を目論んだプロジェクトだと思いますので、今季の成績でどうこうはないですよね。夏にしっかりコンセプトを浸透させ、体をつくってから戦う来季に期待しています。

    what a hitさん>
    今、さほど叩かれていない監督は、ラニエリさんとポチェッティーノさんぐらいではないでしょうか。感情的になって罵詈雑言を書きなぐるようなコメントを読むのは気持ちいいものではないので、私は、分析的な記事やプレミアリーグを好きな方の情熱的な言葉に特化して目を通すようにしています。叩く言説を気にしなくてもいいと思います。(ひとつだけ。資金力があるクラブの監督しかしないというのは呼ばれるだけの評価があるからで、ひとつの生き方だと思いますし、クロップ監督より実績では上のあの監督は、ギャラだけで決めていないとも思います)

    —–
    楽しく拝見させていただいています。
    正直 今 世界最高峰リーグで首位にいるチームの堂々たるレギュラーCFを日本人が占めていることの凄さをもっと日本のマスコミは知らしむべき もうこれからのレスターの試合は岡崎が出るのは確実なので(ラニエリの今のコメントからすると)地上波で放映しろ! 笑。とにかく五郎丸や清原やベッキーでなく今はこれ
    レスター岡崎を見ろ! と言いたいですね。すごいことです。今のレスターは映像見ていても 本当にすがすがしい ケレン味がない 連動性がビシビシと伝わってきて感動モノ。苦労人バーディもプレーにおごりもなく岡崎とともに汗かいてプレスしてるし本当にいいチームで今一番サッカー少年に見せたい 笑 チームでしょう。これからの胸突き八丁正念場を見ることができる幸せを日本国民はもっと知るべきだ! と本当知らない人は可哀想です。では。

  5. makoto より:

    KEISUKEさん>
    岡崎は、最近とみにプレイの質が上がってます。マン・シティ戦とアーセナル戦、楽しみですね。

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