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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【MAN.UTD×Arsenal】18歳ラシュフォードが2戦連続の2発で、マンチェスター・ユナイテッドが快勝!

デ・ヘアとロホが帰ってきたと思えば、スモーリングがリタイアとなり、マルシアルとルーニーも不在。ヨーロッパリーグで素晴らしい2ゴールを決めた18歳のマーカス・ラシュフォードは、U-21のゲームにも出たことがないストライカーで、当然プレミアリーグはデビュー戦です。ブリントとキャリックの急造CBで戦うマンチェスター・ユナイテッドに対して、アーセナルは万全のメンバー。ウェルベック、エジル、アレクシス・サンチェス、ウォルコット、ラムジー、コクランにガブリエウ、コシールニーのCBコンビ。両サイドにはベジェリンとモンレアルです。プレミアリーグ27節、マンチェスター・ユナイテッドVSアーセナル。ホームチームは、秋のエミレーツで喰らった早い時間の失点だけは避けたいところです。

どうやらウォルコットが最前線、ウェルベックはウイングのようです。アレクシス・サンチェスとヴァレラのマッチアップは、早くもゴールドのユニフォームが押しています。7分、エジルらしい浮き球のラストパスがラインの裏に入り、モンレアルとデ・ヘアの1対1。ここはうまくコースを切ったデ・ヘアがシュートを体でブロックしますが、プレミアリーグアシスト王を自由に泳がせれば、そのうちデ・ヘアといえども止められなくなるでしょう。13分、左サイドからラシュフォードが仕掛け、ガブリエウに倒されたのはぎりぎりでペナルティエリアの外。デパイの素晴らしいFKを弾かず懐に収めたのは、「チェフだから」です。

アンカーのシュナイデルランだけでなく、両脇のマタとエレーラまで下げさせられる守勢が続くホームチーム。19分にはモンレアルが左サイドを突破し、クロスのクリアをアレクシス・サンチェスにダイレクトで狙われます。マンチェスター・ユナイテッドの左サイドからベジェリンをかわしにいく背番号7も侮れません。ヨーロッパリーグのミッティラン戦で披露した「デパイ無双」を再現してくれれば、アーセナルの右は迫力を失うでしょう。27分、エジルが右サイドに出したスルーパスは、デパイがベジェリンを止めました。両サイドの攻防の成否が、ゲームの結果を左右するはずです。

29分、マンチェスター・ユナイテッドの先制ゴールは右サイドのヴァレラからでした。中から出てきたボールをダイレクトで入れた素晴らしいクロスに、ガブリエウは触るのが精一杯。こぼれ球を冷静に叩き込んだのは、何と何とマーカス・ラシュフォード!試合開始から、オフ・ザ・ボールの動きのよさに注目していたのですが、ボールがこぼれてくるスペースによくぞ入ってきてくれました。オールド・トラフォードは「Who are ya!」の大合唱。プレミアリーグ初ゴールを決めた39番の勢いは止まりません。2分後、またも出どころは右サイドでした。リンガード、マタとのコンビネーションで右をえぐったヴァレラがリンガードに落とすと、35番が左足で上げた浮き球を首を振って叩き込んだのはラシュフォード!デビューからわずか30分、驚愕の2ゴール。しかしこのゲームは、2点では決まらないようです。

40分、アーセナルはやはり11番からでした。メスト・エジルのFKは、ウェルベックの頭にぴったり。デ・ヘアは何もできず、あっけなく2-1です。エジルは今季プレミアリーグで18本めのアシスト。ウェルベックは、1年前のFAカップ準々決勝に続くオールド・トラフォードでの古巣対決ゴールです。アレクシス・サンチェスのシュートが枠を外れると、前半が終了。両者とも攻撃的でエキサイティングなゲームは、次の1点がターニングポイントとなりそうです。

後半は静かなスタート。53分に左サイドを上がったラシュフォードが中のマタに入れるも、デパイへのラストパスが通りません。プレミアリーグ復帰戦だったロホは、60分もしないうちに足を痛めてしまったようです。代わって入ったのは、フォス・メンサー。2014年9月にアヤックスから来た18歳も、これが初めてのプレミアリーグです。ヴェンゲル監督は62分、消えていたウォルコットをジルーに交代。すると65分、のらりくらりとアーセナルの攻撃をいなしていたマンチェスター・ユナイテッドが、カウンターのチャンスを活かしました。マタのドリブルを見て右に流れたラシュフォードの判断はベスト。縦パスを受け、後ろから入ってきたエレーラに落とすと、右足のコントロールショットはコシールニーに当たり、逆に動いたチェフは何もできませんでした。

3-1で決まりかと思われたゲームはわずか3分後に動きます。右サイドにいたアレクシス・サンチェスのクロスをウェルベックがボレー。この一撃はデ・ヘアが足で止めましたが、フォローしたエジルが左足で叩きつけたボレーには反応できません。3-2となると、両チームの選手が熱くなり、ラムジーとエレーラは両成敗のイエロー。コクランに代わってこの試合3人めのプレミアリーグデビューを果たしたエルネニーも、さっそくイエローです。80分、アレクシスのクロスに、ジルーのヘッドは枠の上。ラシュフォードに代わって入ったのはヤヌザイです。ヴェンゲル監督の最後の切り札は、イオビ。残り時間は7分あります。

ヴェンゲル監督は、最後の人選を間違えたのではないでしょうか。ジョエル・キャンベルを使われたら、マンチェスター・ユナイテッドはもっと引かされていたのではないかと思います。最後はジェームズ・ワイヤーというこの試合4人めの初出場まで投入したホームチームが、3-2で耐えきりました。マンチェスター・ユナイテッドが勝ったからいうのではなく、両者とも気持ちが入った素晴らしいゲームだったと思います。普通に選べばMVPはラシュフォードですが、私のなかではファン・マタです。彼が選んだ攻め方から2点が決まり、最終ラインの手前まで戻る豊富な運動量でキャリックとブリントを助けてくれました。

アーセナルは、ウォルコットが空回りしたことと、ガブリエウがラシュフォードに振り回されたのが痛かったと思います。ノースロンドンダービーとマンチェスター・シティ戦を残すなかで、レスターとの勝ち点差は5つあります。3月5日のホワイト・ハート・レーンで敗れれば、彼らが争う椅子は1位ではなく、チャンピオンズリーグのストレートインとなってしまうでしょう。ライバルのトッテナムは、同時刻開催だったスウォンジー戦で逆転勝利を決め、レスターの背中にぴったりついています。

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“【MAN.UTD×Arsenal】18歳ラシュフォードが2戦連続の2発で、マンチェスター・ユナイテッドが快勝!” への17件のフィードバック

  1. セオ より:

    ただただ、ただただ、萎えた。という表現が適切です。
    ガブリエルはマーク甘いとか、ウォルコットはボール収められないとか、もはやそういう話じゃなくて、いや、そういうことかな。
    しっかし、アーセナルはイングランドの新星に弱いですね。
    ルーニーの時よりも何倍も悔しいですが。

    —–
    スタメンを見る限り負けてはならないはずで、8/2の借りを返してくれるとおもったのですが…。あの18歳はレギュラーを押し退けてスタメンを勝ち取った訳ではなく、他にいないから出たのでしょうが、きっちりやられるとゆう…。イングランドの先輩のはずの14番は全く存在感ないし…。前回の奇跡がだいなしとゆう…。これぞ我がアーセナルといった展開でした。これじゃあプレミアとれね➰

  2. parliament より:

    信じた甲斐がありました。怪我人の多発による消去法の若手起用でしたが、ラッシュフォードやヴァレラは本当に頑張ってましたしポテンシャルも感じさせてくれました。
    後は怪我人が帰ってきてうまい具合に若手とミックス出来れば4位内も夢では無いと思います。今日は久々にユナイテッドというクラブの底力を見せてもらい感無量ですよ。ファン・ハールはアディオスでしょうが、次の監督に良い形で繋ぐ為にもこの勝利は特別だったと思います。もう後は上を目指して行くだけなのでユナイテッドファンとして精一杯応援していきたいですね。

  3. 新参 より:

    唯一、戦っていたエジルには最大の賞賛を。
    監督含めたエジル以外は出直してきて。
    特に、ラムジーとウォルコットは猛省して。

    問題は縦パスとドリブルの少なさで、局面を打開するアクションが欠如してます。ラムジーはロングパスを、サンチェスはシュートへの意識を高めて欲しいです。

    とにもかくにも、またもやチームを変革するべき時期が近づいていると思います。

  4. サンドバック より:

    あのラッシュフォードとか言う若造。。
    いったい何者なんですかー??

    よろしくご教授下さいーっ!
    あれ何? 何なのさー?にゃー?

  5. ヤンガナ大好き より:

    手にあせ握る試合でしたが、マンUの良さが目立ったゲームでした。自分もフィニッシュは確かにニュースター ラシュフォードかも知れませんが、マタにやられました。それにガナーズのDFからの ビルドアップを最後までプレスかけ続けた中盤も効きました。

    エジルとウェルベックは攻撃に奮闘してましたが、パスの起点にならなかったラムジー、常に消えていたウォルコット、そして肝心な時に寄せが甘いガブリエルには猛反省して欲しいです。

    マンU、今季のベストゲームだと思います!気分を入れ換えて週末のノーロンダービーに期待します!

  6. シティズン より:

    散々こき下ろされてきたファン・ハールですが何気にしっかりと良い若手を抜擢してますね
    次の監督が使ってくれるかは分かりませんが 世代交代はやりやすくなっていると思います

  7. プレミアリーグ大好き! より:

    ELでのマンUを見て”簡単な試合にはならないだろうな”とは思ってはいたのですが、アーセナルがかなり悪かったですね・・・もしスタメンにジルーとメルテザッカーが居れば少しは違ったのかも、と考えてしまいました。こういう試合をしている内は優勝は遠いですね・・・。
    ラッシュフォードは得点への嗅覚というかポジショニングと状況判断がいい選手ですね。まだ2試合しか見ていませんが18歳とは思えないほど落ち着いてます。怪我人が帰ってきても出場機会が貰えるように頑張って欲しいですね。

  8. r より:

    毎回楽しく拝見してます。

    フラストレーションを感じる試合でした。
    ガブリエルの守備の拙さというか、焦りというか安心して観ていられません。早くコシ並みに成長してくれると良いんですが。
    チェンバースも試して欲しいと観ていて思います。来季ジェンキソンがもどればさらに立場も微妙になるでしょうし。
    サンチェスも調子が上がってこないですね。一度外してキャンベルでもよいのではと考えたりします。

    今年こそ期待してるんですけどね..。

  9. にわかスパーズファン より:

    更新お疲れ様です。
    ニューヒーローが誕生しましたね!
    他チームであれどワクワクします。
    しかしファンハールは不思議な監督ですね。現状の戦力を最大限使うのは上手いのだから。やはり名将なんでしょうね。
    しかしガナーズはルーニーの時といい新顔を立てるのが上手ですね。

  10. 福岡 より:

    どんなに調子が悪くても、怪我人続出でもアーセナルなら楽勝。ユナイテッドの選手には勝利しか頭になかったでしょうね。この前は油断したけど、、笑
    新星に弱いってのはまさしくで、ケインにもバーディにもきっちりやられてます。

  11. シティふぁん より:

    運動量豊富でゴール前に複数の選手が走っていてユナイテッドらしいと思いました
    ファンファールの倒れたところは笑いました
    アーセナルはまた優勝争いから脱落してしまうのでしょうか

  12. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    ラシュフォードの2発はびっくりしました。お見事です。この選手は全く知らないのですが、いつかユナイテッドの期待の若手選手の頁でも設けていただけたら勉強になります。レッズサポの私ですが、この選手は期待の若手になるかもですね。ファン・ハール何気に若手育てているのでは、、、。

  13. グローリーグローリー より:

    ラッシュフォードはエルナンデスとマルシャルを足して2で割った選手みたいだってのは言い過ぎですかね。本当に素晴らしいプレーでした。3点目での飛び出し、ドリブルでのキープ。推進力の下がってるルーニーでは考えられないプレーだなと思って見てました。抜擢したファン・ハールも今回ばかりはお見事というしかないです。ただシーズンの瞬間瞬間でしか喜べないようなクラブのサポーターではいたくないのでかつてのユナイテッドのように勝利がまた次の勝利を生むような強いチームになっていって欲しいです

  14. だしまる より:

    この敗戦より、スパーズより下の順位が許せないです。ベンゲルさんはセオを重用し過ぎですね、もう彼に伸びしろはないと思います。
    ファンハールさん、来季も監督を続けられれば、CLを若手で制覇したアヤックスみたいなチーム作りが出来そうな。。。
    キャリック契約延長ないのですかね、勿体ない。是非ガナへ!

    —–
    更新おつかれさまでした。プレミア優勝はまだ分かりませんが、アーセナルが大きく後退したのは事実。序盤のモンレアル対デヘアの1対1が決まっていれば・・・タラレバに頼るようでは。メンバーが足りないユナイテッドに対してほぼベストメンバーのアーセナル。チェルシーとの2戦もそうですが、気合が空回りするのかFWの力不足なのか戦術の対処不足なのか。相手のいいところを全力で引き出すいつものアーセナルでした。エンタメとしては最高ながらファンとしては悔しさ全開です。新星ラッシュフォードとファンハールのおきあがりこぼしに万歳

  15. FDN より:

    この傷は週末のダービーでの勝利でしか癒えなそうですが、更に傷口が広がりそうな不安しかありません。

    昨夜のゲームでもそうでしたが、期待出来るのがアーセナル育ちのブリティッシュではなくマンチェスター育ちのウェルベックというのが何とも複雑です。

  16. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん セオさん>
    確かに新星に弱いです。めんくらってるうちにやられちゃう感じですね。

    parliamentさん>
    ヴァレラのクロスは絶品でしたね。何人か若手が出てきたのが今季最大の喜びです。

    新参さん>
    エジルはやっぱりスーパーでした。プレイも、メンタルの強さも。

    サンドバックさん>
    今日の記事でまとめてみましたので、ぜひお読みください。

    ヤンガナ大好きさん>
    そうなんです。マタです。おっしゃるとおり、マルシアルデビューのレッズ戦の後半と、この試合の前半がベストマッチ級です。

    シティズンさん>
    そうですね。次の監督には、ぜひ若手を伸ばしてほしいです(心配)

    プレミアリーグ大好き!さん>
    私はガブリエウ推しなのですが、しんどかったですね。ラシュフォードは、ポジショニング扇子のよさにびっくりしました。

    rさん>
    ありがとうございます。ジョエル・キャンベルが怖かったのですが、出てこずほっとしました。

  17. makoto より:

    にわかスパーズファンさん>
    年収400万円ちょっとで2ゴールとは、リーズナブルです(笑)テンション上がりました。ベテランには、ともすると自由度の低さが気になるファン・ハール戦術も、若い選手にとってはありがたいマニュアルたりえるのかもしれません。

    福岡さん>
    いや、昨季のFAカップでやられてますから。新顔問題は、ホントになぜなのでしょうね。

    シティふぁんさん>
    今日、若手についてまとめてみました。チェルシーやトッテナムの陰にかくれて、あまりほめられないのですが、結構いい選手がいるんですよね。

    グローリーグローリーさん>
    確かに、ワンタッチゴールも突破もいけるところは言い得て妙です。

    ジウベルトさん>
    ノースロンドンで勝てば大丈夫です。キャリックは、勘弁してください。あ、これは自チームにいうべき話でした。ぜひ延長を。

    だしまるさん>
    昨日は対処不足な感がありましたね。サイドのMFの守備に問題があったのではないかと思いました。モンレアルのチャンスは、デ・ヘアの出方が完璧でした。

    FDNさん>
    私も違う意味で複雑でした…。いい選手です。

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