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【Everton×Arsenal】ヴェンゲル采配的中!ウェルベック&イオビのゴールで残ったアーセナル!

いま一時。エヴァートンと戦うアーセナルにはこんな言葉がぴったりです。プレミアリーグ31節、グディソンパーク。この試合さえ勝てれば、インターナショナルウィークでひと息ついた後、4月にはチェフをはじめ続々と負傷者が戻ってきます。ラスト3戦でレスターに勝ち点4差につけられれば、対戦相手が厳しい首位にはプレッシャーがかかり、優勝の行方はわかりません。必勝のヴェンゲル監督は、バルセロナ戦でコンビネーションがよかったウェルベックとイオビを使ってきました。エジル、アレクシス・サンチェス、コクランはいつものメンバー。エルネニーはプレミアリーグ3試合め、最終ラインにはベジェリン、ガブリエウ、コシールニー、モンレアルが並びます。ルカク、ロス・バークリー、アーロン・レノンと絶好調のアタッカーが揃ったエヴァートンは、FAカップで退場になったギャレス・バリーがおらず、ジョン・ストーンズはベンチスタート。前はよくても後ろは盤石とはいえません。おそらく、攻撃的でエキサイティングなゲームになるでしょう。キックオフから、エヴァートンが一直線にゴールに迫ります。

2分、高速CKをニアのコールマンがボレー。ホームのエヴァートンが押すかと思いきや、直後にはウェルベックが左サイドを完全に突破してゴール脇に入り込み、クリアのリバウンドがポストに当たります。殴り合いの予感漂うゲームは、7分に動きました。エジルの美しいアウトサイドを受けた右のアレクシス・サンチェスが中に持ち込み、ウェルベックに完璧なスルーパス。ゴール正面でGKロブレスと1対1となったキレキレのストライカーは、あっさりGKをかわして無人のゴールに転がしました。0-1となった1分後には、相手のミスを突いたショートカウンターからイオビがシュート。ホームチームは、プレミアリーグ18ゴールのエース・ルカクに活きたボールを通せません。

ボールを失った後の寄せが速いアーセナルは、最終ラインの手前で奪おうという守り方。エヴァートンはサイドから速いボールを入れて、ルカクやロス・バークリーにシンプルに勝負させようとしています。15分、レノンのクロスはガブリエウがルカクの前でカットしますが、オフサイドながらも危険なボールでした。21分にはモンレアル、イオビとつながったボールをエジルが右足で狙うも、ジャギエルカが必死に足を出してCKに逃れます。

23分、エヴァートンは左サイドから攻撃を仕掛け、ロス・バークリーとベシッチが次々とミドルを放ちますが、最後はオスピナがセーブ。アーセナルの最終ラインとセントラルMFは集中しており、ミドルレンジの危険なシュートコースを塞いでいます。裏を狙うルカクはガブリエウがしっかりケアしており、エヴェートンはハイクロス以外に攻め手がありません。38分、右からドリブルで上がったアレクシス・サンチェスがヒールで残し、ベジェリンが左足で狙ったシーンはコースが空きませんでした。しかし42分、プレミアリーグ初スタメンの若手がベジェリンの長い縦パスで抜け出し、ロブレスの股間を抜く見事な追加点をゲットします。イオビが決めた鮮やかなカウンターは、中盤の執拗なチェックが実った一撃でした。0-2、アウェイのアーセナルは、最高の試合運びでハーフタイムを迎えました。

後半は、アーセナルが攻め、エヴァートンは受けて速攻という展開。ベシッチと代わったジョン・ストーンズのバックパスミスは、ウェルベックが切り返しから打ちきれずに3点めはなりません。10分を過ぎてペースダウンしたガナーズは、意図的なのかただ押されているのか。全部足元、ペース一定のエヴァートンにワンツーなどの工夫があれば、アウェイチームはさらに追い込まれるでしょう。ロベルト・マルティネス監督のベンチには、デウロフェウとコネが控えています。右からのアーリークロスに飛び出し、ルカクと交錯したオスピナは大丈夫でしょうか。GKが足を引きずっている状態でCKに対応し、ジャギエルカのヘッドが枠にいっていればガナーズの勝利は一瞬で危なくなっていたでしょう。時間はまだ20分以上あります。3バックになってからポジションを高くした右サイドのコールマンが危険です。

73分、ロベルト・マルティネス監督の2枚めは、ロス・バークリーをデウロフェウ。オスピナはまだ右腰を気にしています。ウェルベックに代わったジルーは、前線から追いかけてくれといわれているはずです。ジョン・ストーンズに踝を踏まれたエジルは大丈夫でしょうか。11番を下げてのギブス投入は、いつもの逃げ切りモードとは代える相手が違います。前からのプレスが緩くなり、別なチームとなってしまったアーセナルでしたが、プレミアリーグ12位のエヴァートンは完全におつき合いしてしまい、チェルシーとのFAカップで見せた気迫が感じられません。88分にルカクが初めて勝ったヘディングシュートは、オスピナの正面。5分の追加タイムは、ジルーのシュート以外に湧くシーンはありませんでした。ラストパスへの対応を間違えなかったアーセナルが、クリーンシートでアウェイゲームをものにしました。

エヴァートンが単調だったとはいえ、今日は完勝といっていいでしょう。早い時間帯に先制ゴールをきっちり決めたウェルベックと、ルカクを抑えきったCBの2人をリスペクトしたいと思います。一方で、気になったのはラスト15分からピッチに入ったジルーです。入った時間とスコアを考えれば、メインミッションはボールを前線でおさめて周囲につなぐことで、リスキーなパスや強硬な抗議は必要ありません。前節までプレミアリーグ8試合ノーゴールで、ウェルベックにポジションを奪われつつあるストライカーが焦るのはわかるものの、求められるシーンは必ずやってきます。ラスト8試合、もう一度冷静さを取り戻していただいて、彼らしいゴールを見せてもらえればと思います。

イオビとウェルベックは当たりましたね。後がないアーセナルが、優勝争いに残った一戦でした。(ダニー・ウェルベック 写真著作者/CFC Unofficial ガブリエウ・パウリスタ 写真著作者/cfcunofficial (Chelsea Debs) London)

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“【Everton×Arsenal】ヴェンゲル采配的中!ウェルベック&イオビのゴールで残ったアーセナル!” への2件のフィードバック

  1. グローリーグローリー より:

    ルカクを中心に攻撃力が魅力のエバートンとの一戦はセンターバック二枚が珍しくほぼ完璧におさえてました。ガナーズにとって近年エバートンは組み易い相手の印象です。今日はボランチの潰し屋バリー不在で特にビルドアップが上手くいっていました。

    おっしゃるとおりウェルベックとイオビのコンビネーション、合ってましたね。ベンゲルさんは確かに戦術家ではありませんが、旬のイオビを思いきってプレミア初先発させたり、エルネニーの継続スタメンなど、ヤンガナへのチャンスの与え方に愛情を感じました。イオビはまだまだボールを持ちすぎますが、タッチが非常に柔らかく、マルチポジションをこなせるため、来期が本当に楽しみです!

    今シーズンのルカク、確かに得点重ねていますが、ガブリエルのマンマークに手こずりポジション下げてしまったのを見て、ワールドクラスのストライカーになるための強かさのもう一段アップが必要だと思いました。

    代表ウィークでプレミア各国代表選手達がコンディションを崩さず戻ってくることを期待します!

    —–
    CL敗退後のアーセナルは強い。プレミアリーグあるあるですね。とはいえ今季こそは敗退の流れのまま崩れるかなと思ってましたが甘かったようです。ユナイテッドサポーターからしてみたら本当にイタい3ポイントです。今日のダービーで負けたら終了でしょうね

  2. queen より:

    久しぶりにすっきり勝てた試合が見られて良かったです。
    エバートンはカップとリーグで強さが変わりますね。

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