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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【MAN.CITY×MAN.UTD】18歳のゴールを守り切ったマン・ユナイテッドがダービーを制す!

プレミアリーグ31節のマンチェスターダービーは、負ければ優勝が絶望的となるマンチェスター・シティと、勝ち点ゼロに終わればチャンピオンズリーグ出場権が見えなくなるマンチェスター・ユナイテッドのサバイバルゲームです。ミッドウィークにクラブ史上初のCLベスト8に進んだマン・シティは、コンパニとオタメンディを同時にケガで失う非常事態。失点が多いマンガラとデミチェリスのコンビは、ラシュフォード、マルシアル、リンガードといった若いアタッカー陣を止められるでしょうか。ダルミアン、ロホ、スモーリング、ブリントと最終ラインにレギュラークラスが戻り、シュナイデルラン、キャリック、マタが中盤に揃ったマン・ユナイテッドに対して、ペジェグリーニ監督はスターリング、ヘスス・ナバス、ダヴィド・シルヴァ、ヤヤ・トゥレで対抗。トップのアグエロは、プレミアリーグのマンチェスターダービーで7ゴール。最多ゴール記録を持つルーニーにあとひとつと迫っています。

アウェイチームのボールとなると、容赦ないブーイングが飛んでくるのがダービーならではです。7分、最初のチャンスはマン・シティ。カウンターからダヴィド・シルヴァがスターリングを裏に走らせ、ラストパスのクリアを捉えたヘスス・ナバスの左足ボレーはわずかに枠の左。ここ2試合、ゴールがないホームチームが別なチームのように中盤を制圧し、優位に立っています。14分には敵陣でボールを奪ったヤヤ・トゥレがそのまま突進。ダヴィド・シルヴァに預けて左サイドからクロスが上がると、ヘスス・ナバスのワントラップボレーはデ・ヘアが足でセーブします。ところが、先制は押されていたマンチェスター・ユナイテッドでした。15分、マタが左に流れてラシュフォードに預けると、18歳は35歳のデミチェリスを簡単に抜き去り、ジョー・ハートの脇に流し込みました。直後には、ラシュフォードのパスから中央でコースが空いたマルシアルが強烈なミドル。これはジョー・ハートがセーブしますが、マンチェスター・ユナイテッドの若手のドリブルは危険です。

24分、マン・シティにアクシデント。足のつけ根を押さえて走れなくなったスターリングがフェルナンドに交代です。新しい布陣は、トップ下ヤヤ・トゥレ、左にダヴィド・シルヴァ。これで形勢はどうなるでしょうか。相手の高いプレスに手こずるマン・ユナイテッドと、サイドから崩そうとするマン・シティ。32分、ヤヤ・トゥレが左足で巻いたミドルはカーブがかかり切らずに左に抜けていきます。ブリントとアグエロがエキサイトし、ブリントがプッシングを取られた45分のFKは、サニャがヘッドでそらしたボールをゴール前で合わせたヤヤのボレーがうまく当たりません。追加タイム2分、ラシュフォードがデミチェリスと接触して倒れ、両チームの選手が集まって小突き合うトラブルがありましたが、止めているのはやはり35歳のデミチェリスと34歳のキャリックです。前半は0-1。スモーリングとブリントは、ノーチャンスだったアグエロを後半も眠らせておくことができるでしょうか。

46分、デミチェリスの短いバックパスにはびっくりしました。マルシアルより先に追いつき、クリアしたジョー・ハートは、ふくらはぎを痛めて立てなくなりカバジェロと交代です。52分、マルシアルが流したボールを角度のないところから狙ったロホのシュートはカバジェロの最初のキャッチ。ペジェグリーニ監督は、デミチェリスを下げて何とボニーです。マルシアルが左から斬り込んで打ったシュートはカバジェロが弾き、右サイドでフリーになったダルミアンの高速グラウンダーを右足で合わせたラシュフォードの一撃は、マンガラがブロック。急造CBのフェルナンドは、忙しくなりそうです。

62分、ボールをキープし続けたマン・シティは、ボニーが強烈なシュートを放つもDFがブロック。ファン・ハール監督がロホをバレンシアに代えたのは、好調のヘスス・ナバスをダルミアンで抑えたかったのでしょうか。66分、カウンターから右サイドに出たヤヤ・トゥレのクロスはアグエロにぴったりでしたが、ヘッドはポスト直撃。残り時間は20分です。シュヴァインシュタイガーの登場で下がるのはマタ。72分にはダヴィド・シルヴァが右から上げたクロスをアグエロが頭で折り返し、ヤヤ・トゥレがボニーに打たせようとするも先に触れません。圧倒的なマン・シティの時間。人数でしのぐアウェイチームは、プレミアリーグ下位クラブのようです。

83分、足をつったダルミアンが18歳のフォス=メンサーに後を譲ります。その2分後、今度はラシュフォードが足を引きずり始めました。追加タイムは6分あります。91分、ダヴィド・シルヴァの長いクロスを受け、トラップでバレンシアをかわしたアグエロのシュートはニアにアウト。カウンターに出ることすらできず、マルシアルのドリブルしか押し返す術がなかったアウェイチームは耐えきりました。0-1、勝ったのはマンチェスター・ユナイテッド。3試合連続ノーゴール、2試合で4人の負傷者を出したマンチェスター・シティが、プレミアリーグの優勝争いに戻ってくることはないでしょう。

シュート数は26対5、しかしこれが枠内となると3対4。マンチェスター・シティの敗因は、シュートの精度が低かったことと、数的優位を築いてペナルティエリアの脇をえぐるいつもの攻撃を徹底できなかったこと。そしてもうひとつは、デミチェリスの不調でしょう。マンチェスター・ユナイテッドは攻守とも組織的とはいえず、ゴール前でしかボールを奪えない状態でしたが、相手がシュートをことごとく浮かしてくれたことにも助けられて、何とか勝ち点3をゲットしました。それにしても、マンチェスター・シティは上位に弱いですね。TOP6に3分6敗、勝利なしでは頂点は望むべくもありません。来季の監督交代を早期に発表したために、緊張感とモチベーションを失ってしまったのでしょうか。開幕5連勝という最高のスタートを切ったチームは、年明けのプレミアリーグで4勝3分4敗です。

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“【MAN.CITY×MAN.UTD】18歳のゴールを守り切ったマン・ユナイテッドがダービーを制す!” への5件のフィードバック

  1. シティさぽ より:

    上位陣に本当に勝てないですね
    また怪我人が増えましたし
    CL権は死守したい所ですが・・・

  2. 新参 より:

    ファン・ハールと若手達は教授と生徒みたいです。外れることもありますが、明確な戦術を若手に授けることによって、迷いなくプレー出来ています。

    退任されるようですが、確実にプレミアリーグファンの心に刻まれる指揮官と言えるでしょう。

  3. ユナイテッド より:

    まさしく奇将です、彼は。
    彼ほどビッグマッチに強く、格下に弱い波のある監督は他には知りません。
    しかもあんだけスカッドが細くて、怪我人が出まくった中で若手を抜擢してビッグマッチを制するなんて。
    本気でシティを抜かしたいなら連勝を続けるしかありません。まだ諦めなくて済んで本当に良かったです。

  4. グローリーグローリー より:

    この試合のように重心を低めにしてカウンターを狙うスタイルの方が前線のタレントのスピードが生きて得点の匂いがすると思うので、ハマーズ、スパーズとのアウェーゲームでも続けて欲しいです。ボールを持った時のチームとさての崩しのパターンが2年たってもないままなので、それが1番可能性が高いと思います。ただ守りきったというよりはシティーの日ではなかったっていう印象なのでこの試合のようにこれからもうまく行くとは限りませんが。

    あと、この試合でもファン・ハールの采配は微妙でした、ダルミアンは左に移った後は自動ドアみたいな守備でしたし、シュバイニーをマタに変えた後はチームはサンドバッグになるしかありませんでした。これから先も負けられない試合が続きますし、いい加減まともな采配をしてもらいたいもんです。

  5. makoto より:

    シティさぽさん>
    自滅でしたね。シュートを外し過ぎました。上位と当たるときは、気負い過ぎにみえます。

    新参さん>
    引退なんでしょうかね。若手を抜擢して、素晴らしい財産を残してくれたことは間違いありません。

    ユナイテッドさん>
    奇将ですよね。彼にしかできない交代がありますよね。そこで出すか若手!みたいな。

    グローリーグローリーさん>
    シュヴァインシュタイガーが、相手のパスコースに入るうまい動きをしながら相手の攻めを送らせてくれていたのは、見えないファインプレーだなと思って見てました。ラシュフォードの足が悲鳴を上げていなければ、終盤に見せたファイナルサード付近でのインターセプトでヒーローになっていたかもしれません。おっしゃるようにマタがいたらもっとチャンスがあったかもしれず、プラスマイナスは微妙なのかもしれませんが。

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